6.《ネタバレ》 オープニングから非情で救いの無い描写で、気だるく寂しげなギターの音楽がそれをさらに増幅させている。カット割り、カメラワークが早く、凄い勢いで襲い掛かってくる感染者達への恐怖感が沸いてくる演出は上手い。 感染者に襲われ、夫に見捨てられ、感染しながらもなんとか自宅にたどり着き、独りぼっちで長期間隠れていた母親。医療センターで人以下の扱いを受け隔離され、地区統括官とはいえ民間人なのに軍の医療センターに楽々と侵入して調子よく許しを乞う夫にベッドに固定されたまま殴打され噛まれ、あげくに目潰しと蹂躙された母親は物凄く不憫。そこまでするかという情け容赦の無い描写が多く、人間性が引き起こす悲劇のパレード、終末的な街並みや全編に漂う絶望感が凄かった。いちいち抜けていて終いには感染者の区別が付かなくなり、パニック皆殺し状態に陥る軍は現実の世界の米軍への皮肉が効いてたな。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-01-22 00:47:01) (良:3票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 (2009年映画メモをもとに)これほどまでに素晴らしいゾンビ映画とは!まったく想像もしておりませんでした。 2年に1度出会えるかどうかという確立の素晴らしいゾンビ・ホラーです。 僕は常に昔のホラーばかりを観ているのですが(名作は昔のものばかりにあると思い込んでいる)、最近のホラーも馬鹿にしたもんではありませんね。 物凄い激しいカメラワークですが、目が疲れて嫌いだと思ったのですが、これがなかなか臨場感というか迫力を出すのに成功しています。 走るゾンビなんて、なんて健康的なんでしょうか?なんだかスポーツの映画を見ているようなスポーティッシュな気分になりました。”スポーツ・ゾンビ”いやまるで”ゾンビ・アスリート”です。 また、凄いと思ったのは映像です。 ヘリから見下ろした街はとても無機質で壮観でした。 荒涼とした街の雰囲気が素晴らしいです。都市がカッコイイです。 隔離地区の見事な世界観が伝わってきます。 構成力が見事で、全体的なスケール感があります。 また、ヒューマンドラマも忘れてはいません。なかなかです。 お姉さんはどうでもいいですが、兎にも角にも少年が可愛らし過ぎます。 名子役の登場です。 それにしても母親は気の毒でしたね。 しかし父子どうしの再開はどれほどの確立でしょうか?絆が引き寄せたのだと思いますが、しかし皮肉です。 僕は感動したのですが、ヘリのプロペラで蹴散らす場面は素晴らしいですね。 まるで美しい血と肉によるゾンビ無双です! 「ゾンビ映画は昔の方が本気度がある」と勝手に思い込んでいましたが、この作品のゾンビもかなりの本気度です。それどころか、暴力度、暴走度ともに上です。 ゾンビ映画の名作と呼ばれるのは昔のものばかりですが、意外と現代のゾンビの方が今の僕に多くのものを語りかけてくるのかもしれません。 《追加》少し過剰反応気味ですが鑑賞直後の感想を優先 【ゴシックヘッド】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-03-06 00:17:56) (良:2票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 あぁ、この映画のレビューを書いていませんでした。 いいと思っててもレビュー書いてない映画はたくさんあるよな、と思いつつ…とりあえず書きます。 前作の「28日後」(これもレビュー書いてませんがw)は個人的にがっかりの映画でした。 前半はなかなかいいんですが、後半の「ほんとに怖いのはおかしくなった人間だ」の展開を面白いとは思えなくて、正直がっかりしたのを覚えています。 点数をつければ6点というところでしょうか。 その続編と言う事で実はあまり期待してなかったのですが、その期待はいい意味で裏切られました。 まず冒頭のスピーディで絶望的な展開がイイ! 状況がわからないままグイグイ引き込まれるあの導入部は傑作だと思います。 冒頭で妻を裏切って逃げた男が、懺悔のために立場を利用して拘束されている妻に立場を利用して再会。 そして謝罪しながら妻とキスするわけですが…あの状況で自分を見捨てた旦那のキスを妻が受け入れるのか?と疑問に持つ人も多いんじゃないでしょうか。 で、妻は自分がキャリアだという事は知ってるわけで、その事実を告げずにキスを受け入れたのは旦那への一種の復讐なんでしょうね。そう考えれば納得できるシーンです。 まぁ結果として酷い殺されかたをするわけですが。 そして一家族の身勝手な行動から始まるロンドン大崩壊の連鎖。 いやぁこれですよ、これ。 こういう映画はこれくらい派手でないと。 軍の対応ですが、あの状況じゃ皆殺しするしかなくなりますよね。あの判断はしょうがないと思います。 そしてそこに(ありがちですが)現れる「俺には殺せない」的デルタフォースの男。 どっかで見た顔だな、と思ったら「ヘンゼル&グレーテル」の主演の方でした。 その彼が英雄的行動で皆を助け続け、最後は、いかにも英雄にふさわしいフラグな展開で火炎放射器で焼かれてしまうシーンは、ポセイドンアドベンチャーのジーンハックマン並みに印象深いシーンでした。 そして凡百のB級ホラーであれば「ありがちありがち」くらいにしか思わないそのシーンで、僕は文字通り手に汗握って魅入ってしまっていたわけです。これをビバ!と呼ばずになんとしましょう。 さて、このシーンもそうですし冒頭や途中の派手な銃撃シーンもそうですが、全体に活気に欠けカタルシスも乏しかった前作と比べて、今作は随所に派手で印象的な殺戮シーンが見られます。 たとえばヘリのローターでゾンビをぶしゃぶしゃやっつけるシーン。 ローターってそんな丈夫なのか?と思わなくもないですが、ああいう印象的なシーンが映画のあちこちに見られるんですよね。 まさに正しい娯楽映画です。 そして個人的にフアンだった素敵な少佐まで殴り殺されてしまい(しょうがないとはいえ個人的には彼女は助かってほしいところでした)、最後はあんな展開に。 皮肉な事に、映画中の英雄的な行動や優しさや善意は、結果として人類を滅亡方向に大きく転がしてしまっているという事実。 よかれと思って命がけで行動した英雄的な人たちがいなければ災厄はイギリスに封じ込められていただろうに…という自身の映画の内容を全否定する実に皮肉なラストなんですが、しかしこのシニカルさこそがこの映画の真の魅力でもあるわけです。 次回作の「28月後」が楽しみです。(残念ながらいつのまにか噂を聞かなくなりましたが…) 【あばれて万歳】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-08-13 22:40:36) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 いやーもう最高。 このシリーズ、序盤から前回と同じサントラ使って いきなり観客をニヤっとさせる展開。 そうそう、この主人公のシニカルな反応こそ28~シリーズなんだよ! と一回観客に思い出させます。 それからヴィジュアルの良さ。凄く良い。誰もいない町はやっぱりきれいです。 ストーリーの展開も前作と同じで早くてあっという間に見れるし。 そして、ゾンビ映画に珍しい、軍隊が完全装備で「ゾンビに対しての恐怖心もそこまでなく」、淡々と命令を遂行しているのもナイスです。(ゾンビ見た瞬間に叫んで逃げ出したりしません。ちゃんと処理します。) しかも前作よりもっと人間の方が怖く感じるストーリー。リアリティたっぷりなわけで。 メッセージ性もエンターテイメントも詰め込んで、きれいにまとまっていました。 次は28Month Later、今度はダニーボイルがやるみたいで、ロシアが舞台? 期待大です。 しかしこの映画の最後でエッフェル塔っぽいの見えたと思ったのになぁ・・・。 【ronronvideo】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-12-17 07:49:34) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 ゾンビ映画は数あれど、すぐに忘れ去られてしまうのが明白なものが九割以上。しかしこれは、久々に当たりといっていい良作だったと思う。筋書きの荒さが目立つが、それにしても主題の明確さ、映像や音楽の質の高さは頭一つ抜けている。 狙撃部隊による無差別攻撃や、ナパーム弾で炎上する市街地の場面はとくによくできていると思う。かつての名作『ゾンビ』でショッピングセンターをだらだらと徘徊するゾンビたちに現代人の虚ろさを重ねて見ることができたのと同じように、この映画の凄まじい勢いで襲い来るゾンビたちには戦場における人間の暴力性を重ねることができる。 間の抜けた無計画さ、一見理性的なようでいて極端すぎる決断、いざというときには歯止めが利かない獣性によって見る見るうちに無残な結果へ向かっていくさまは、まったく現実の米軍を見ているようで、洒落になっていない。そういう意味では、『ドーン・オブ・ザ・デッド』などよりも遥かに“走るゾンビ”の必然性があるように感じられた。 残酷なエピソードが多く、それも生理的というよりは精神的に訴えてくるのがこの映画の特徴だ。家族で殺しあったり、軍唯一の良心ともいうべき兵士があっけなく焼き殺されてしまったりと、驚くほど救いがない。閉所恐怖と暗所恐怖の両方を同時に覚える地下鉄の下りは見る人によっては半ば拷問ではないかと思う(まあヘリコプターの攻撃は、半ばギャグだけど)。 中盤、姉弟がバイクで疾走する廃墟と化したロンドンの光景が印象に残った。無人の市街地の寂寥とした美しさに、全編を覆う絶望的なヴィジョンが集約されているように思う。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-06 15:46:30) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 前作も観たが、今作レイジウイルスの感染力がちょっと強力になってないか?血液でも唾液でも即効感染とは。あれじゃやっぱり感染者と渡り合うと、自分の感染の危険性が非常に高くなるよね。あと、あの姉弟は確かに無責任な行動をしているが、感染がピークだった時期には汚染地域にはいなかったから現実味がなかったのでは?実際に感染者に襲われ追われ命からがら生き延びていたら、あんなに間単に汚染地区には戻らなかったと思う?これは現在の戦争を知らない子供(大人)たちの暗喩かもしれない。ラストは例の塔が見えるので、そういうことなのだろうが、そうなると陸続きで・・・感染は終わらないですな。 【しぇんみん】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-01-22 00:21:59) (良:1票) |