4.前作「運命じゃない人」で、衝撃のスパイラルムービーを見せつけた内田けんじ監督の最新作。またもや、人の思惑と思惑がストーリーの“裏側”で入り交じる展開が見事だった。
何も考えていなさそうなやつが、実は秘めている企みの妙。確信犯的なストーリー以上に、人間が常に秘めている表には出さない感情と真相に、面白味を感じた。 今作では、大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人と、それぞれに味わいを持った性格俳優がメインを張っていることも、「人間の深層(真相)」という部分で、深みを持たせる要因となっている。
日本には今、エンターテイメント映画のジャンルで、良作を連発できる映画監督は少ない。 肯定的な意味で、“同じような映画”を連発する監督が少ないのだと思う。 内田けんじ監督には、今後も、積極的に観客を騙し続ける映画を量産していってほしいものだ。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-07-13 12:04:45) (良:1票) |
3.『運命じゃない人』の内田けんじがやっと予算を貰えて作った映画ということで、楽しみに観に行った。 大泉洋は面白く、田畑智子もとても良かったが、知らない俳優しかいなかった前作の方が映画として魅力的に思えた。 幾重にも重なる脚本は変わらず上手で楽しめたが、数日後、あまり内容を思い出せないことに気付く。 技巧と娯楽に走ってしまい、残るものが無かったかな。他の方も書かれているように、面白いんだけど、尻すぼみな感じが否めない。 とはいえ若く才能のある監督なので、これからに期待。 【祥子】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-06-26 17:23:50) (良:1票) |
2.物事の見かけをうまく利用してストーリーに揺さぶりをかけるところは、ルビッチの『生きるべきか死ぬべきか』に通じる面白さがある。ただ、演出面で意外な事実が判明するときの衝撃が弱く、頭の中で事の次第を並べ立てていかなければならないので、前作の『運命じゃない人』に比べると観終わった後の爽快感が薄くなったような気もする。 【クルシマ】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-06-07 01:02:01) (良:1票) |
1.前作『運命じゃない人』同様、これも非常に良く練られた作品だと思います。ただ前作より話が大掛かりで複雑なため、集中して挑まないとラスト30分で「???」ってなる可能性大。伏線自体はあちこちに張られているのでお見逃しなく。で、『運命じゃない人』より減点したのは、このプロット自体のリアリティに疑問があったから(ふつう民間人にあんなことを……って、こういう映画は感想書きにくいなぁ)。ちょっと今回はテクニックありきで物語自体に前作ほどの面白みがない気がします(登場人物も前作の方が脇役も含め個性的で輝いていたような気がするし)。 【とかげ12号】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-05-25 11:58:39) (良:1票) |