10.《ネタバレ》 ドラマ版「ザ・ミスト」(2017年)を一気見した勢いで、久々に本作も観賞。
後味が悪いというか、趣味が悪いというか、とにかく強烈なバッドエンドの映画なのですが、途中までは「スーパーに籠城するモンスターパニック映画」としても楽しめるようになっている辺りが嬉しいですね。 自分のようにラストが苦手な人間でも「中盤までの籠城戦は楽しめた」と評価出来るし、上手い作りだったと思います。
「主人公を臆病者と罵っていた強面のオジサンが、いざモンスターが現れると怯えるばかりで役に立たない」「如何にも頼りない副店長のモリーが、実は射撃の名手で大活躍する」とか、お約束を押さえた脚本になっている点も良い。 決死隊となって外に飛び出す男に対し、武器として小さなナイフを渡そうとしたら、もっと大きなナイフを既に持っていると返される場面なんかも小気味良くて(流石はフランク・ダラボン監督)と感心させられるものがありましたね。 店の外で男が襲われた事を、命綱の動きだけで表現してみせる件なんて、特に素晴らしい。 そういった面白い場面が要所要所に配されているので退屈しないし、監督としても脚本家としても優秀な人なんだなと、今更のように思ったりしました。
その一方で、そんな「上手さ」が悪い印象に繋がってしまった部分もあったりして……それは終盤の車中での射殺シーン。 ここ、せめて息子が眠っている内に済ませてやれば良いのに、わざわざ起きるシーンを挟んだ後に父親が撃つ流れになっていて、これにはもう(そこまでやるか)と呆れちゃいました。 確かに、そうした方がより衝撃的で後味も悪くなるし、効果的な演出だって事は分かるんです。 でも、流石に悪趣味過ぎる気がして、ノリ切れませんでした。
ノリ切れないといえば、主人公達が拳銃による死を選ぶのも納得いかなくて、説得力に欠けていた気がしちゃうんですよね。 妻の死が主人公にとってショッキングだったのは分かるけど、他の面子まで揃って絶望するっていうのは(なんか急に悲観的になったなぁ……)と違和感を抱いちゃう。 そもそも「絶望して一思いに家族を射殺しようとする父親」という展開自体は「アメリカを震撼させた夜」(1975年)でも描かれており、その際には間一髪で真相を知って皆救われる結末だったりするんです。 恐らく本作のラストも元ネタはそれであり「真相を知る数秒前に射殺していたら、どうなっていたか」を描いたって事なんでしょうね。 その結果、歪みが生じたというか…… 原作小説では最後まで主人公は希望を失わずにいる話なのに「アメリカを震撼させた夜のオチを剽窃して、更に衝撃的なラストにしたい」っていう意図ゆえに結末を変えたせいで、こんな不自然な形になったんじゃないでしょうか。 元ネタの「アメリカを震撼させた夜」では「心中を提案したのは絶望した母親。幼い子供達は歩き疲れて泣くばかり。父親はそんな妻や子供達を哀れんで心中を図る」という形だから、ちゃんと説得力がある展開だったのに、本作は「安易に他の作品を剽窃した結果、それまでの話の流れと合ってないし説得力も無い結末になった」としか思えない形であり、凄く恰好悪い。 全体の完成度という点を考えても、この「無理矢理バッドエンドにした」感じは、どうも好きになれないです。
その他にも、序盤に話題になった「歩くタブロイド紙」ことエドナが登場しないまま終わるのは寂しいとか、最初に店を飛び出したオバサンが無事だった理由が明かされず仕舞いでスッキリしないとか、細かい不満点もあったりするんですよね。 自分はバッドエンドが苦手ではありますが「それでもなお、この映画は素晴らしい」と認めざるをえなかった傑作も一杯ある訳だし、どうも本作はそれに該当しなかった気がします。
「ザ・フォッグ」(1980年)との類似性、後の「ウォーキング・デッド」(2010年)にも通じる作風、霧が出現する前は平和な日常だった映画版と日常の時点で化け物が身近にいたドラマ版との対比など、語りたい事は他にも色々あるのですが…… 結局、この映画に関しては終わり方が衝撃的過ぎて、それを好きか嫌いかどうかという話に落ち付いちゃう気がしますね。 自分としては「嫌いな終わり方」だったのですが、それなりには楽しめたし、色んな客層を配慮して作られた、出来の良い映画だったと思います。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 5点(2019-04-12 06:26:15) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 いかんよ、殺しちゃあ。 なんとか、なるかも知れないジャン。 化け物に殺されるとは、限らんジャン。 自分も息子がいるから、こんな行動は考えられんよ。 絶対、考えられんよ。 やめてよ、こんなオチは。 「驚愕のラスト」って言うから、 霧の正体の事で、何か物凄い事が判明するのかと思ってたので、 まさか主人公が集団心中するとは思いもよらんかったよ。 どんでん返しは、大好きだけど、こんな背負い投げは、いかんよ。 映画は娯楽なんだから。 子を持つ親としたら、絶対ありえん。 【こまわり】さん [DVD(吹替)] 5点(2008-09-18 16:36:11) (良:2票) |
8.救いようのないラストにはため息が漏れましたが、おばさん以外怖くないです。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-08-18 15:40:29) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 ラストまではハラハラドキドキで面白かった。 宗教女や弁護士の言動にイライラ、無意味に虫を懐中電灯で照らす行動にイライラ、 銃に手を伸ばすシーンでノー!ノー!とやかましくわめきたてる行動にイライラ、 そしてまず窓危ないんだから女子供はバックルームに避難させとけよ!とイライラしながら見ていたが、 それでも面白かった。 しかしラストはもはやギャグである。 主人公は息子の為に最善を尽くしてないように見える。 車なんてそこらにいっぱいあったんだし ガソリン移し換えや車の乗り換え等も出来ただろう。 どう考えても「やるだけやった」にはならない。 結局何のためにあのスーパーを脱出したの? あの場から逃げたかっただけ? 主人公は奥さん失って精神的に追い詰められてたのか? いずれにせよ主人公より息子が不憫過ぎる。 もっと頑張れ親父!
【Fukky】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-08-25 01:13:55) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 見えない霧の中に得体の知れない何かが潜む恐怖・・・つかみはOK あっさり異様なイカの足?のようなものが出てきた時点でちょっとがっかり・・・ この時点でビジュアル面に目がいってしまい、どうしようもないグロテスクホラーに感じてしまいました。 しかし、見ていくにつれ、この作品に潜む恐怖とは、"怪物"ではなく恐怖に陥ったときの人間自体であることに気付きました。 思えば、最初に出てくるモンスターぺアレント的なおばさんからして、すでに人間の見苦しい姿にほかなりません。 そして、最後のどうしようもない絶望感での終わり方はなかなか個性的。 こういうラストはなかなか持ってこれないと思います。 問題は収束し、主人公は生き残ったのに、主人公にとって最悪の終わり方・・・言ってみれば死んでいたほうがまだマシ。 面白かったですが、正直、広く一般には薦められない作品です(^^; 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-08-19 17:46:15) (良:1票) |
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5.《ネタバレ》 最後10分がなければよかったのに。皆さん書いてるとおり街中を通っておいてガス欠とかあり得ません。夢オチと自殺オチはやっぱり使っちゃだめでしょ。どんな状況でも自分の息子を殺す親はいません。最後のオチがなければ自分的には8点くらい上げたかったのに。 【木村一号】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-04-12 22:26:20) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 予想に反し、開始早々にどこかで見たようなモンスターが出現してしまった瞬間、“あーあ”とがっかりしかけましたが、意外や意外、その後も退屈することなくラストまで引き込まれてしまいました。陳腐なモンスター・パニック物というより、極限状態の人間がどんどん集団異常心理に飲み込まれて行く怖さがあります。スーパーの店主が“人間なんて、1つの部屋に2人いれば、やがて殺し合いを始めるものだ……”みたいなことを言いますが、あれが結末を暗示していたのかな。(彼が預言女を撃ち殺した時にカタルシスを感じてしまった私も同類かも。)さて、主人公は常に強靭な精神力で仲間をグイグイ引っ張っていくのに、ラストはなぜあんなにあっけなく生きることを放棄してしまったのか?というのが謎ですが、やはり1番気がかりだった奥さんがすでに死んでいたことで心が折れてしまったのでしょうか。できれば、引き金に指をかけ息子を撃とうとした瞬間、忽然と戦車が現れる…というグッドエンディングにして欲しかったな。しかし、毎度毎度メイン州というところは、本当にこんなややこしい人ばかりが住んでいるのでしょうか。 【ピースラムネ05】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-12-18 00:42:39) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 良かった点としては、舞台がスーパーマケットという日常空間である事が面白かったし、 ドリームキャッチャーでも感じたが、何か大変な事が起きる予感、ってのが 良く出ている作品で、冒頭話に引き込む力は凄かった。
最近、映画のテーマを考えながら見るのが、マイブームなので、この映画のテーマを分析すると・・・ 1.諦めたらそこで試合終了。 2.極限状態での人間の弱さ、怖さ、エゴ。 って感じだったが、このテーマを強く訴えようとした作品ではなかった気がする。
面白いと感じた部分としては、最後まで諦めてはいけないというテーマを 主人公の失敗によって表現している点だと思う。普通に考えれば、最後まで 諦めない主人公の姿勢から、同様のテーマを感じるが、この映画では、 最後に諦めてしまうという反則ぎみの行動に出る。 その諦めに対する失敗、後悔によってテーマを訴えている気がする。 ただ、思うに別にコレをテーマとして訴えようとしたわけではなく 物語のオチを強引につける為に、諦めさせているだけな気がする。
大規模なパニック物は、軍など第三者の力によって解決する物が多いが それでは弱い物が強い物に勝つカタルシスがなく、話のオチがないように感じる。 そこで意外性のある展開で、強引にオチをつけているだけという感じがした。 もしも、この展開にテーマを持たせようと思うなら、その後の主人公が必要ではないか?と思う。 後悔の苦悩、その先の答えにテーマがあり、感動を呼ぶのではないか?
二つ目のテーマ、人間の弱さ、怖さに関しては、それを解決する手段が 暴力によって解決していた点が、共感できない。 うっとうしいカルト女を射殺したところで、多少の爽快感はあるものの それが道徳的に正しいとは思えない。撃った人物が、そのことで後悔し、 苦悩するっとかあれば、まだ、人間の醜さ、怖さを暴力によって押さえつける事の、 愚かさとかが出てよい気がするのだが、対立に対する解決方法が 負の回答では、見ていてスッキリしない。
また、冒頭から息子を気遣う主人公から、物語のテーマが家族愛か?とも 思ったが、最終的な行動が全く反する物で、一貫性が取れてない気がする。
スティーブンキングの、日常空間におけるパニック物を題材として 衝撃的なラストをくっつけただけの、企画物映画って感想。 【六爺】さん [DVD(吹替)] 5点(2008-10-05 14:48:38) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 後味悪し
どうせなら、主人公が霧の中へ消えていくほうが良かった
冗談なら笑えるが、皮肉は笑えない…という感じですかね
追加:怒りに任せて0点にしてしまいましたが、5点に変更
狂信おばさんの最期といい、のめり込んでいたのは事実ですから 【栗頭豆蔵】さん [映画館(字幕)] 5点(2008-05-14 17:39:23) (良:1票) |
1.意外に無計画なんですね。極限の状態だから仕方ないですが。射撃担当のおじさんは、主人公より目立ってましたね。 【Yoshi】さん [映画館(字幕)] 5点(2008-05-14 17:00:12) (良:1票) |