5.《ネタバレ》 オープニングの古典的な雰囲気は、2000年代の作品にしてはかえって新鮮な印象を受けました。 ところが、その後の内容までもが何の変哲もない古典的ホラー。 ・・・と、気を緩めていたところに最後のあれです。 もう皆さんに語り尽くされておりますが、最後のあれだけのための作品かもしれません。 単純に驚きましたし、前半のシーンを見返してしまいました。 全てが人為的トリックによるものであれば、もっと印象に残る作品だったと思います。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-10-15 19:56:13) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 冒頭で主人公と奥さんがイチャつくシーンを観ただけでも「あっ、ホラー映画だな」と分かるような、暗く陰鬱な画面作り、雰囲気作りがお見事ですね。 ラストの「種明かし」におけるスピーディーな演出も、正にジェームズ・ワン印といった感じ。 赤い車が走る様を上空からの俯瞰で捉え、鮮やかに映し出すビジュアル的なセンスも良かったです。 特に好きな監督さんという訳でも無かったはずなのですが「才能ある人なんだなぁ」と、しみじみ感じ入りました。
腹話術の人形が醸し出す恐怖に着目した映画としては「マジック」という先例がありましたが、あちらが二重人格的なスリラー映画だったのに比べると、本作はもっとシンプルに「人形の怖さ」を突き詰めた、純粋なホラー映画と言えそう。 で、そんな本作のリアリティレベルは「超常的な幽霊が黒幕なので、何でもあり」に分類されると思うのですが……どうも、その辺が曖昧なんですよね。
上述の種明かしシーンでも「主人公の父親は実は死んでいて、黒幕のエラ=メアリーが腹話術のように動かして騙していた」というネタがある訳ですが(あれだけ色々好き勝手出来る幽霊のはずなのに、何でそんなところだけ妙に現実的なの?)って、引っ掛かっちゃうんです。 多分、監督さんとしては「言われてみれば確かに、父親が喋る時はエラがピッタリと寄り添っていた」と観客を唸らせたり「飲ませたはずのスープが人形の口を素通りして、ボタボタと受皿に落ちる」場面で、視覚的な衝撃を与えたりする狙いがあったのでしょうが、どうもチグハグなバランスに思えました。 妙に現実的なトリックの種明かしなどせず、思い切り良く超常的なホラーとして割り切るか、いっそ「悪霊の仕業ではなく、全ては普通の人間のエラが仕掛けた一大芝居だった」という現実的な作りにするか、どちらかを選んだ方が良かったのではないかと。 特典映像からすると「主人公の父親が黒幕」など、様々な案を用意していたのが窺えるので「どの案の結末にしても不自然じゃないバランスで撮ろう」と欲張りな見切り発車をした結果、こんな仕上がりとなったのかも知れませんね。
他にも「人形と二人きりの場面が多く、何時でも殺せたはずの主人公を殺さなかった理由が謎」(あえて推理するなら、完璧な人形のエラを誰かに人形と気付いてもらい、驚く顔が見てみたいというメアリーの欲望ゆえ?)「主人公の奥さんを殺した理由は妊娠していたからという種明かしの通り、メアリーは復讐の為に過去の事件に関わった血族だけを殺していたはずなのに、血の繋がりが無い警官もアッサリ殺しているのは一貫性が感じられない」など、色々と気になる点が多い本作。 でも、演出が上手い為か、如何にもなホラー映画としての雰囲気が心地良いせいか、観ている間は楽しかったし、自分としては結構満足ですね。
人形や登場人物など「ソウ」や「インシディアス」との繋がりも匂わせている為、監督さんのファンであればチェックしておく事をオススメしたい一本です。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 6点(2017-09-21 00:14:20) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 (結末が命の映画です。未見の方は観賞後にお読みくださいますようお願いします。) ワン監督はサスペンスにおける“どんでん返し”の使い方と意味をよく理解していると感じます。①種明かし→②フラッシュバックで伏線回収→③間を置かず終幕。出世作『SAW』と全く同じ手法ですが、その手際の正しさを再確認しました。まるで極上のマジックを観ているような。特に重要なのが③と考えます。“そう言えば○○はずっと××の側に立っていたな”とか“××の顔色は異様なほど悪かった”という監督側の言い分のみを聞かされ、驚いているうちにすかさずエンドロールへ。余韻など無し。でも、じっくり検証されると粗が見つかってしまう訳ですから、このやり方が正解。詐欺や違法商売の店舗の店仕舞いが早いのと同じ理屈です。DVDにはアナザーエンディングも収録されていますが、オリジナルが○○=自動人形(byからくりサーカス)と読み取れるのに対し、アナザーエンディングでは“魂を売り渡した人間”と定義しています。後者の方が理に適いますが、その分説明に時間を取られています。ここで重要なのは、前述した通り速やかにお話を終わらせる事。1分でも30秒でも早く。観客に考える暇を与えないために。そういう意味で、オリジナルの結末が選ばれたのも納得なのでした。また感心するのは、どう転んでもバッドエンドにしか行き着かない脚本ではなく、主人公の選択次第ではハッピーエンドも望めた点。例えば人形が届いた段階で警察に引き渡していれば、主人公夫婦は無事だったはずです。酷い目に合うには、それ相当の理由があるのも自分好みでした。キャスティングも満点級。中でもメアリー・ショウとエラ役の女優さんのハマリ具合が素晴らしく、世界観構築に大きく貢献していたと思います。主人公は彼じゃなくても良かった気がしますが。勿体なかったのは、奥さん妊娠の件をさらりと流してしまったこと。あそこは旦那(主人公)がキレなきゃいけません。ドラマ要素をおざなりにしたのは、いただけません。本作は初見が全て。内容確認のために二度観る映画ではないでしょう。手品のタネは追求しても良い事はありません。素直に騙されておくのが正しい見方かと。 【目隠シスト】さん [DVD(吹替)] 8点(2014-01-07 18:28:42) (良:1票) |
2.人形の持つ恐さっていうのは、洋の東西を問わないのですね。魂が籠るって感覚もかな? なかなかにスピーディな展開、お約束どおりに襲ってくる化け物、被害者の悲惨な死に顔などなど… 実にオーソドックスな作りです。上手く纏まっていると思います。もちろん、この手の作品ですから突っ込みどころのオンパレード。でも、そこらへんを全部理路整然としちゃったら、そもそもこの手の娯楽性の強いホラーなんてものは成立しない訳で、ですから結果◎です。皆さん、高評価のオチもまずまずですしね。
それにしても、作品登録お願いしないとダメかな?って感じで検索してみたのに、30人近い投稿。こちらのサイトでこの手の作品にこんなに多くのレビューが寄せられているとは… そのことが一番ビックリ! 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-01-03 16:22:07) (良:1票) |
1.正直、微妙。オチはよかったです。でも、ストーリーがいま一つ不自然な部分が目立ってて、そこがなんかフに落ちなかったです。特に主役だけなぜ殺すのを、ひっぱるのか?そりゃ、映画成立のためですけど。あまりにも、殺す順番とか、殺す場所とか、選びすぎなのが、あからさまで。何か起こるまでのひっぱる間が結構長いので、余計にそんな風に感じたのかもしれません。まー、不自然な部分を無視すれば、それなりに楽しめるとは思いますけど、ホラーを見慣れてる人には期待しすぎは禁物です。エグサはひかえめ。よくある、出るぞ出るぞ出た~な幽霊系での怖さで、人形は不気味。ってなとこでしょうか? 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-10-15 02:01:52) (良:1票) |