35.「ランボー」シリーズは、シルベスター・スタローンというスター俳優の「ロッキー」と並ぶ代表作であるわけだが、過去の3作品をそれぞれ観ても、その面白さが微塵も分からないシリーズだった。同時に、この俳優をあまりに固定的なイメージに縛り付けてしまったシリーズだとも感じていた。
ただ、20年という歳月を経て、再びスタローンが“ランボー”というキャラクターの「体現」に挑んだ今作は、ストレートに映画が持つエネルギーがガツンと伝わり、非常に面白かった。
かつて観た“ランボー”と何が違っていたのだろう。と、思う。
まずは鑑賞者である自分自身の変化があると思う。 前述した通りかつて同シリーズが公開されたのは20年以上も前のことであり、度々テレビ放映されていた各作品を観たのは、自身が小学生くらいのことだ。 おそらくは、このシリーズをただ単にアクション映画としか捉えられず、独特の戦闘シーンの生々しさや、主人公のもの憂うダークなキャラクター性の異質さに、娯楽性を得られず拒否感を覚えてしまったのだろう。
そしてもう一つは、絶対的な主演俳優シルベスター・スタローンの円熟味。 「ロッキー」そして「ランボー」で、一躍スター俳優となった彼だが、両シリーズでのイメージが強過ぎて、以降俳優としての新境地を切り開いていけなかったことは否めない。 アクションスターとしての地位を確立しつつも、歳の衰えとともに年々影が薄くなってきた。 そういった経緯を経て、2006年「ロッキー・ザ・ファイナル」、そして2008年の今作で復活してみせた。 そう言うと、結局「ロッキー」と「ランボー」しかない俳優だという風に聞こえるかもしれないが、一概にそういうことではないと思う。 かつて映画史を代表するほどの二大キャラクターが生まれ、全世界を熱狂させた。 それから数十年経ち、色々な意味で疲弊した世界は、再びかつてのヒーローの復活を望み、それを体現できるのは、どんなに歳をとってしまっていても、やっぱりシルベスター・スタローンしかいない。ということだったのだと思う。
ビジュアル的にも、メンタリティ的にも、“肉厚”になったスタローンが、あの憂いた表情で再び躍動する。 映画のストーリーがどうこう以前に、その“姿”で心がふるえる。そういう俳優は今なかなかいないと思う。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-02 15:31:47) |
34.民族紛争という我が島国ニッポンには今ひとつ現実味が沸かない内容も、ここまで徹底的に軍事政権を「悪」として描き切ることで無理やりにも憎悪感を煽られる。そこをベースにアメリカ万歳的な戦いっぷり。正直言って痛快です。勿論、現実的には何も考えずに殺されていくミャンマー兵だって一人ひとりの人生があって家族があって…でも、そんなことなど考える間もなく積み上げられていく死体の山。これが戦争なのですね。この短い作品、かなり見事に現実を描いていると思います。単に娯楽作品としても見ることも出来るけれど、ここはひとつスタローンさんなりのメッセージに耳を傾けても良いのではないでしょうか? それにしても、稀に見るリアルな殺戮シーンですね。ただ、あんな対物兵器で生身の人間を射撃したら、実際にはもっと悲惨だと思いますけれど。それじゃ視覚的に酷過ぎるから抑えたのかな? 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-24 02:10:36) |
33.ミャンマーってこんなに酷い所なのかと思った。自分が無知なだけにこの映画を見ると何とかならないのかと単純に思ってしまった。それだけ政府軍を徹底して悪として描いていた。この映画からは明らかにこの残忍な現状を世界に知らしめようとして作っている意図を感じる。戦闘シーンは優れた映像のおかげで迫力があり、見応えがあった。個人的にはランボーよりも傭兵達が良かった。特にスナイパーがカッコ良かった。 【スワローマン】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-02-01 23:12:19) |
32.スタローン自ら“戦争を本気で撮る”と公言しているように、今回の「ランボー」は、最新の映像テクニックを駆使し、殺戮、戦闘シーンをリアルで(ある意味グロテスクに誇張して)迫力ある映像(描写)に徹して創られています..しかも、娯楽性、ヒーロー性を極力抑え、原点回帰を意図したかのような演出で、前作とはまるで違う作品となっています..しかしながら、悲しいことに..ストーリー性がかなり単純でお粗末..これを観て、戦闘シーンをただ単に撮りたかっただけだろ!と疑ってしまうのは私だけではないでしょう..1作目のような渋くて骨太のドラマ&アクション、そしてメッセージ性は皆無..少しだけ期待していただけに..残念... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-01-20 17:20:53) |
31.最後エンドロールが流れた時にこれで終わり?とおもってしまった。 ドンパチして終わり。これがこの映画の印象。それ以外は何もない。 最低におもろくなかったです。 【Akiralor】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2010-01-02 13:18:43) |
30.ドンパチしたいだけのただのバイオレンス映画 中身は無いですけど娯楽作品としては見て損しないかも 【ume0214】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-12-31 13:15:01) |
29.映像、音楽、全てが素晴らしかったです。映画であり、エンターテイメントである事を忘れておらず、しかしそこにシンプルかつ強烈なメッセージを添える事に成功していると思います。コメンタリーも絶対に見たほうが良いです。やはりスタローンは天才なんだと思いました。 【まいるどへぶん】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-12-26 02:17:08) |
28.第一作はアメリカの暗部を扱ったマジメな映画だったもののこれが意外と不評だったため(同年の「ロッキー3」の3分の1しか稼げなかった)、「2」以降は正反対のドンパチ路線に変更。スタさんはアメリカ万歳映画の人というのが一般のイメージですが、この人には明確な政治思想はないのだと思います。その時々で、敵とするのに調度良い相手を選んでいるだけなのでしょう。このアバウトさがさすがイタリアの種馬なのですが、その傾向は本作にも当てはまります。ミャンマーというホットな軍事政権を相手としていますが、彼らの圧政や少数民族への弾圧は「ランボー4」をやるための舞台にすぎません。なのでミャンマー軍の度を越した残虐ぶり、登場人物としての固有の人格すら持たされない純粋悪としての描写には呆れてしまいます。90年代に香港でよく作られていた日中戦争ものにおける日本軍の描写と大差ないレベルです。こういうスタさんの浅はかなところは、ソ連を悪者にしていた頃から何も変わっていません。一方で監督としての腕前も全盛期と変わっておらず、こちらには良い意味で驚かされます。スタさんは「ロッキー4」を最後に20年以上も監督をしていないのですが、ジョージ・ルーカスやテレンス・マリックの例が示すように、これだけ長期間監督業から離れていると、普通は感覚が衰えるものです。しかしスタさんの演出は衰えるどころか逆に良くなっており、これは野生の勘なのか、実は物凄く頭が良いのか、非常に不思議なところです。例えば川上りの最中で海賊に襲われる場面。ランボーはギリギリまで話し合いで解決しようとするものの、ダメだと判断した瞬間に銃を抜き、数秒で海賊を全員殺してしまうくだりの演出のキレには素晴らしいものがあります。ここでの間の取り方や緊張感の煽り方、それまで舐めた目で見られていたランボーが、実はとんでもない奴だと判明するというカタルシス、アクション映画に必要な感覚を十二分に味わわせます。同時に、ミャンマー上陸前にこのエピソードを入れておくことで、「これからシャレにならない場所へ行こうとしている」という構成上の前振りの役割も果たしています。その後は「プライベート・ライアン」と「アポカリプト」を合わせたような一大地獄絵図が繰り広げられますが、これまでさほど残酷な映画を扱ってこなかったにも関わらず、ここで見せる演出のインパクトも凄まじいものがあります。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2009-10-21 20:12:58) (良:2票) |
27.ミャンマー政府を非難したものでもなければ軍事政権を非難したものでもない。勧善懲悪の悪として登場できれば敵は誰だっていいのだ。これはランボーが戦場で敵を殺しまくる映画なのだから。しかしシリーズを締めくくるにあたって「戦争とは」という問いに対するある一つの答えを用意している。戦争とは・・・人殺しである。戦争では自国が善であり敵は悪なのだ。この作品は敵を悪と強調したうえで敵を殺しまくるのだが、その死に様が凄まじい。生きていた者が肉片と化す。動いていた者が止まる。その瞬間、悪である敵もまた人間なのだと思わされるのだ。さらに今回ランボーは誰の命令でもなく自らの判断でこの殺戮を行う。しかも実に個人的な理由で、と言っていいだろう。戦争において兵士は上官の命令で人を殺す。もっと言うとその人殺しには国のため、あるいは正義のためという大儀を得ている。そのことで霞んでしまうもの、それが人を殺しているという事実なのだ。この映画はイヤというほど戦争が人殺しであることを見せ付けている。こんなにも惨いことを国家が国民に強いるのが戦争なのだ。反戦ベースの1作目とシリーズの流れを加味すれば順当な帰結と言えるかもしれない。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-10-15 16:26:58) |
26.よっ。この乱暴者が(お約束) 【Junker】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-10-12 01:09:06) |
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25.明確なテーマよりもとにかく何かをしようとするという内容。ヒーロー娯楽アクションの前作も好きですが社会派の原点を考えると見事な復活。大佐かかつての戦友の事ぐらいしか頭に入らず自分の居場所を探したり戦車でヘリコプターに絶叫しながら突撃していた彼がもともとはあまり接点のない人たちを救う姿は感慨深い。 【spputn】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-08-16 17:51:21) |
24.感動はしなかったのでこの点数ですが、見応えはありました。ランボーの内面は以下のように解釈しました。結局、自分ひとりの力では何も変えられない。目が届く範囲の人は救うことが出来るかもしれない。だけど、なんら根本的解決になっていない。戦争ではなく、紛争や内戦には明確な決着がない。自分たちのような傭兵は、こんな場所でしか生きられない人種だ。だけど、もはや自分でなくてはならない必然も感じない。自分が必要とされる戦場は無くなった。改めてそれを実感した。故郷か。このあたりを潮時にしよう…。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-27 00:49:46) |
23.オーケー。「ランボー」はこれでいいのだ。
「ロッキー」シリーズは回を負うごとに説教がましくなり、筋肉バカがなに偉そうにもの言ってんだと、見ているうちに腹が立つようになってきた。
本作に関しては「戦闘マシーン」としてしか生きられないランボーの行動を通して戦場の悲惨さ、無意味さを描くと行った手法に徹しているところが、素直に受け入れられた。
どっちがいいとか悪いではなく、「戦争とはこの上なく残虐で愚かな行為である」という視点が外れなければいいと思う。
これまでの「ランボー」シリーズに比べ、小振りになった感はあるが、本当に久しぶりに、反感を持たずに見られるスタローン作品でした。 |
22.もうちょい短い時間でまとめた方がテンポよく感じたかも。 まあ悪い連中が皆殺しになってめでたしめでたしっていう感じですか。 【幸志】さん [インターネット(字幕)] 5点(2009-07-02 02:29:18) |
21.【医師団が捕まり、助けに行く】という単純な内容で意外性も無いが、テンポよく進み、楽しめた。傭兵たちが早くに殺されると思っていたが、以外にも粘っており好感がもてた。 【はりねずみ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-06-20 16:33:41) |
20.なんだかドカーン!!!バキィ!!!!グシャ!!!!!に至る言い訳を無理矢理作った映画に感じました。凄惨なシーンが続きますがイマイチ政治的メッセージも何も見えて来ないし、見終わった後も特に何も残りません。ただ、映画館で見れば+1くらいにはなったかも。それくらいエネルギッシュな作品ではありました。平和ボケをこじらせて、危険地帯に「自分探し」の名の下に出かけていくバカモノ共には、出掛ける前に本作とブラッド・ダイアモンドを立て続きに見せればエエと思います。 【Kの紅茶】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-06-09 18:13:26) |
19.予想以上に面白かったですよ。単なる口だけの腰抜けだと思っていた傭兵たちもやるときはやります。特にスクール・ボーイがよかった。 |
18.弓矢のシーンが一番興奮しましたねえ。ランボーが帰ってきた!!!って思いました。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2009-05-20 20:29:34) |
17.NGO団体(だっけか?)のアホぶりしか記憶に残ってないわ 【guijiu】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-04-08 12:40:35) |
16.大好きなトラウトマン大佐役のリチャード・クレンナがお亡くなりになりご出演されてないことがとても残念でした。いつもやっかいごとをもってきては、平和に暮らしているランボーに「戦いは終わってない」と戦場につれだし、最後には「私にしか止めら無い」と言っていた大佐・・・ご冥福をお祈りします。私の中のランボーは終わった。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-03-29 21:23:31) |