37.前作バットマンビギンズを観てると、なぜバットマンがああまでジョーカーに無抵抗なのかわかる。ビギンズからの作風&世界観とヒース・レジャーの鬼演技が起こした奇跡の映画。 【わさび】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-08-16 03:52:11) |
36.《ネタバレ》 「ジョーカー」という存在には、クリエイターの創作意欲をかきたてる何かがあるのか。 バットマンシリーズの2つの傑作、「バットマン」1と「ダークナイト」の二つとも、バットマンではなくジョーカーが軸。違うのは、「ダークナイト」のジョーカーが生み出す強烈な緊張感。ジョーカーが画面にいるだけで観客を硬直させるような、強烈な緊張感。 ジョーカーとバットマンの割と単純な対決である前半部分だけでも、充分おもしろい。しかし後半、ジョーカーはただの馬鹿ではなく狡猾な策士として暗躍し、人々の悪意を引き出していく。それがまさか、登場人物中もっとも高潔であると観客の誰もが思っていたであろう、ハービー・デントの転落という形で結実するとは……。腹を切り裂き、臓物をぶちまけるかのごとき醜悪さ。この絶望感。 デントが狂気に陥ることは、原作を読んだ人なら知っている。だからやや衝撃度が小さいだろう。それにしても、ジョーカーの策略によってそうなることは、原作には無い。僕自身は、このことについては一切知らないかった。 バットマンを悩める存在にしたのも、上手い。バットマンのような超法規的存在が実在すれば、同じような状況に陥るはずだ。恨み、恨まれ、際限のない報復合戦になっていく。我々は映画で事態の裏まで見ているから、バットマンが正しいということを知っている。だが市民はそれを知らない。バットマンは法的手続きを経ていない。だから市民からも警察からも、おもてだった援助を受けることができない。 このことを描くことによりダークナイトは原作から独立し、一つのリアルな映画として成立した。 個人的に特に賞賛したいのは、CGらしさをまったく感じさせないアクションシーン。実際にCGが使われていないのかどうかは、僕には分からない。だがCGのあふれる現代の映画界において「どうせCGか」と思われないということは、それだけで大きな意味がある。 クリストファー・ノーランに喝采。ヒース・レジャーに、ひたすら拍手。そして合掌。 【佐吉】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-08-09 17:10:49) |
35.目が離せないほど魅力的な悪役はヒースのジョーカーを置いて他に思いつかない。 悪役側に神がかり的な魅力があれば、主人公が地味でも全然成り立つんだな、と感心。 ヒースのジョーカーがこれ1作で終わってしまうのがとても残念。 ブルーレイの美しさを思う存分堪能できる超高画質な点も○。 【ちびまり】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2009-08-05 14:10:55) |
34.《ネタバレ》 ヒトが抱える両面、バットマンが抱える良心…全てを搾り出しても搾り出しても届かないジョーカーの邪心、安易な自己犠牲ではない選択、そして、ジョーカーの抱える漆黒の邪心、ある意味ヒトの愚かさだけに救いを求めるような…寂しさ。お互いに心の底から憎みながらも求めあうような感覚。なんか、本当にいい意味で考えさせられる映画でした、観て良かったと思います。 【TKS_0C7】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-06-22 00:28:00) |
33.《ネタバレ》 これはすごい。あちこちでの絶賛の声を聞いて過大評価されているきらいがあるかと思ったがとんでもない。従来のヒーローものとは一線を画す暗い暗い物語構造に脱帽。「世に絶望と混沌を与える」ジョーカーとヒーローでありながら影を背負っているバットマンの巧みな対比が素晴らしく、その二人の人間模様が画面を引き立てる。そして二人のそれぞれの主張が、後半の船上のシーンに活きてくる。映画でここまでドキドキしたのはホントに久しぶりだ。更に映像も文句なし。ジョーカーが病院を丸ごと爆破したシーンには度肝を抜かれた。よく聞く言葉だがあえて言うと「劇場で見たかった」。 【ドラりん】さん [DVD(吹替)] 10点(2009-02-25 02:55:12) (良:2票) |
32.《ネタバレ》 まざまざと正義と悪の境界線の曖昧さを見せ付けられた。
…正義と悪とは何か?
うン、正義と悪。
…「光と闇」
…「強き者と弱き者」
…「カッコいいとカッコ悪い」
…「快楽と苦痛」
…「美味しい物と不味い物」
…「薬と毒」
相対、いや対立するその因果関係。
正義とは?そして悪とは? そンな事を考えさせられる映画だった。
ヒーローでありつつ究極のダークサイドに位置するバットマン。 ヒールでありつつ究極のライトサイドに位置するジョーカー。
劇中で表現されたジョーカーという男を現す台詞。
奴は世界を終らせる火を放ち、それを見て嘲う男 だ…と。
確かにその言葉に相応しい狂気。 奴の行動は全て娯楽でしかない。 金品強奪、殺戮と破壊はゲーム…その結果には興味はなく… 報酬も自分の価値の測定で存在意味への確認。 途方も無く積み上げられた金に火を点けて笑う彼に正直シビレた。
そう、その瞬間…彼は悪のカリスマとなった。
例えるなら…幼少の頃、昆虫の足を捥いで観察してるような惨酷性。 人はその中で傷みを知り成長し、大人になっていくのだが… 彼はその幼少の惨酷性をそのままに、全ての狂気の根源としている。
バットマンは、最後に人殺しの濡れ衣を自ら背負う。 トゥーフェイスとなったデント検事を自ら殺めた事にする事でゴッサムの秩序を保つことを選んだ。
そして、その瞬間…彼は忌み嫌われる闇の騎士となった。
最も秩序であり正義にたったデント検事asトゥーフェイスだったのも興味深い。 使命感が過多で心の余裕無き故に、使命感という名の元…悪にも転化する。
彼のコインは善悪表裏一体。
しかしそのジャッジは危ういほど偶然と運が支配する。 バットマンに憧れた者がジョーカーによって悪として誕生した。 そんな善と悪、光と闇の間で翻弄されたトゥーフェイスが哀れでならなかった。 彼の善と悪に別れた顔… それはバットマンとジョーカーに翻弄された、悲しき光と陰の映し鏡。 【映画の奴隷】さん [映画館(邦画)] 10点(2009-02-24 13:42:41) (良:3票) |
31.二時間半の映画で全然退屈しなかった映画はひさしぶり~。銀行強盗シーンのババ抜き状態で登場するジョーカーからしておもしろい。まさにジョーカー。ナース姿で病院を爆破するジョーカーの仕草もかなりひきつけられる。でも話自体もおもしろい。逆さまのジョーカーに象徴されるよーに逆さまの演出があちらこちらにあり、不気味なおもしろさでした。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-02-01 13:45:04) |
30.《ネタバレ》 傑作。 船のシーンだけが若干冗長で内容が薄い。 しかしそれを持って有り余る会心の出来。 カタルシスの浄化の表現がお見事。 ヒースさんに合掌。 【翼ネコ】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2008-12-23 19:48:16) |
29.《ネタバレ》 ジョーカーの思惑通り、リースを殺そうと暴走する市民。スイッチを押すことを主張し、投票までしながら、結局は怖気づいて何もしない市民。
そこには頻繁に、また気安く描かれる善や良心といったものは存在しませんが、怖気づくという選択が、両者の間に決定的な差異をもたらしている事は見逃してはならないと思います。 ジョーカーが手招きをして誘い入れようとする虚無主義に陥ることなく、時には楽観的であることが重要であり、怖気づくことさえ忘れなければ、ゴッサムを救うことは出来る。そんな風にバットマンも信じているのではないかと感じます。 【njld】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-12-17 20:04:17) (良:1票) |
28.《ネタバレ》 この作品ほど、迫力あるアクションと、心をえぐられる様なヒューマン・サスペンスを両立させた映画は今まで観たことが無い。 しかも、とても重厚なサスペンスの中にも「バットマン」というヒーローを描ききれているのも驚いた。
上に「ヒーロー」と書いたが、少し語弊がある。 タイトル「ダークナイト」の示す通り、バットマンは超人的なパワーを使って悪を懲らしめる通常のヒーローではない。
空を舞うなどの派手なアクションを見れば、ヒーローものとしても観れるということである。 だが、彼自身は修行で得た格闘能力はあるものの、あくまで超人ではなく人間であり、最新技術を駆使した武具を身にまとい、闘っているにすぎない。
悪役のジョーカーも、良心の呵責無く虫けらの様に人を殺害していくが、彼も最強に狂った悪とはいえ、人間なのである。
先が読めないストーリー、2時間半が全く長く感じられなかった。
「カオスの使途」と自称するジョーカーの言動がいちいち胸に突き刺さってくる。 個人的には、ジャック・ニコルソンの演じたジョーカーを、ヒース・レジャーはさらに深化させて演じ切ったと思う。存在感が凄すぎる。
ここまでの作品を作ってしまったノーラン監督、続編はかなり厳しいのではないか。 しかもヒースはもうこの世にいない。代役はどの俳優にでも無理だと思う。
映像、音楽、脚本全てにおいて素晴らしい最高の映画。
【おーる】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-12-13 15:23:41) (良:2票) |
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27.こんなヒーロー映画を今まで観たことがない。明らかに、今までのバットマン作品とは違う。 とにかく約2時間半、もの凄く濃い。 正義と悪、どっちが善人で悪人なのか、、そんなものが通用しない世界観でした。
そしてジョーカーは想像以上に素晴らしかった。ジョーカーが画面に映し出された途端、一気に空気が変わる。悪のカリスマとでも言うんでしょうか、、、。とにかくジョーカーに魅了されっぱなしでした。
あとタイトルに、バットマンという名を加えてないのも好感が持てました。まさに映画はダークナイトでした! 【抹茶御膳】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-12-12 16:23:11) (良:1票) |
26.ホラーでもないのに全編緊張の手に汗握る2時間32分。 それはジョーカーに対峙するバットマンでさえダークサイドの一面を引き出さざるを得なかったように、映画を見る私の内面に潜む「闇」の部分が共鳴したのでしょうか。善が常に正しいわけではない。正義と思えることは別の角度からみれば悪にもなる。映画で頻繁に使われるコイン同様、これは表裏一体なのだ。進むべきは善か悪か。クライマックスで委ねられる「判断」で作者側からメッセージを感じ取れた思いがしました。 アクションを決しておざなりにしていないものの、それが主にならないアクション「ドラマ」の大傑作の誕生に10点。 【hiko】さん [DVD(吹替)] 10点(2008-12-11 20:25:30) |
25.無駄なシーンは一切なく、作品全体が緊張感に包まれていて、あっと言う間の 152分。色々な要素が詰め込まれているにも関わらず、テーマが最後までボヤけていない。エンドロールが流れ終わっても、しばらく立てなかったのは久々。見た後にちゃんと何かが残る映画。
【松永久秀】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-12-10 21:22:00) |
24.皆さんが書かれている通り、ぐいぐいと引き込まれ2時間半という時間を感じませんでした。それは、こういう状況になったら?だけでなく誰にでも有り得る感情に対して、観る側にも選択肢を考えさせ、今までとは違った臨場感を与える脚本にあるかなと。お見事の一言です。 そして、従来のヒーロー映画とは違うと言う事だけ頭に入れて観て頂きたい。ヒーローというフィルターを通して、強いメッセージを伝えたかったと言う製作サイドの想いを是非汲み取って欲しいです。光(バットマン)が挿せば影(ジョーカー)が出来るように、世の中は表と裏(コイン)のようである。世の中の不条理をコレでもかというくらいにこの映画は訴えかけています。また、自分が正しいと思う道を進もうとした時、周りはどう反応するでしょうか?アルフレッドのように貴方を信じて背中を押してくれる人,レイチェルのように貴方を思って手を引く人,自分の利のために足を引く人もいる。。。そういった時に誰を信じればいいのか。誰を守れば良いのか…。なんとも考えさせられます。いつの時代も世の中を変えてきた人は、バットマンのようにマイノリティだったはず。。この映画を観終わって、いつの日かバットマンが報われて欲しいと思わなかった人はいないでしょう。 。 【honeydew】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-12-10 04:26:03) |
23.《ネタバレ》 かつてこれほど悲しく、重い内容のヒーロー映画があっただろうか。 原作も知らず、何の予備知識も持たずに観た私は、めでたくハッピーエンドで終わると思ったその次の瞬間始まった悲劇のエピローグに驚き、そして最後はやり切れない思いを胸にして映画館から出た。 ただヒーロー映画が全てスカッと明るく爽快でなければならないのか、ハッピーエンドでなければならないのかと言えばそうではないという事がこの映画によって知る事ができたし、興行成績やここでの評価がそれを証明している。(それにバットポッドの登場&走行シーンなんかは最高にドキドキさせられるエンターテイメントになっているし)最後にスカッとニッコリできる映画では決してないけれど、最初から最後まで緊張感張りつめた重厚なストーリー&演出、俳優陣の演技、音楽、SFX全てにおいて素晴らしい映画だ。 しかし、本当にやり切れない悲しい気持ちになったのは、ここのサイトを見てジョーカー役のヒース・レジャーが28歳の若さで既にこの世を去っている事を知った時だった。ニコルソンのあのジョーカーが大好きで、あれを超えるジョーカーなんて無いだろうと思っていた自分を見事に裏切ってくれたこの素晴らしい演技を次作ではもう観る事ができないなんて。これこそ悲しすぎる。自らの命を削って魅せてくれた最高の演技をありがとう、ヒース。 【野良狼】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-10-01 17:25:02) (良:11票) |
22.いやあ、もうね、ジョーカーがかっこよすぎるんです。ありえんくらい。 ヒースレジャーはもともとパトリオットをみて「かっこいいなあ」と思ってて、好きな俳優でした。でも彼がブロークバックマウンテンにでたころから「他の俳優と違う役をけっこう選ぶ人なのかな」って思ってて。ただの顔のいい俳優から、脱皮しようとしてたのかな。んで、このダークナイトです。もう完全に憑依してたよ、ジョーカーに。いつもの笑顔がかわいいヒースがいないもん。声も全然違う。ナース服なんか着ちゃってるし。 でもヒースなんだよ。ほんとね、よくわかんないけどほかの俳優とは纏う空気が違ってる。ほんっとにいい映画でした。ありがとうヒース。もう見れないっておもうと涙がでます。わたし、あなたとなら悪に染まって生き延びますよ、ええ。英雄として死にたくなんかないよ! 【ギニュー隊長★】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-09-23 23:43:39) (笑:1票) |
21.《ネタバレ》 今まで同じ映画をみに映画館に3回行ったことなんかありません。この映画がはじめてです。 まじでダークナイト最高!というより、最高なのは「ジョーカー」です! ジョーカーからにじみでるちょっと物悲しい雰囲気、セリフ・・・・。カンペキとしか言えません。オープニングで「ピエロのお面」かぶっててもヒースレジャーだとわかる(いい意味で)あの雰囲気・・・まじですごすぎです。鳥肌たちまくりでした。ヒースがもうこの世にいないなんて、ほんと発狂しそうです。 完全にバットマンは喰われちゃってたね。ジョーカーの勝ちです! 【ワカサ】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-09-23 23:36:03) |
20.超かっこよかった。続編はあるのか?これを超えるのは難しいと思う。 【がみがみ】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-09-08 22:47:21) |
19.身体的特殊能力を持つスカッと爽やかなノー天気ヒーロー物とは一線を置く、 自ら望んでアンチヒーローを目指す富豪の苦悩を描いた作品。 孤高の存在であるはずのヒーローが実社会の中で苦悩する姿は、 往々にしてその特殊能力ゆえの悩みであり、 一般人からは理解しがたい陳腐な悩みのようにも見え、 ヒーローの苦悩を中心テーマにした作品は惨憺たる結果を招く事が多い気がする。 しかし今作品はヒーローが何故に悪と戦い、悪は何故に世界征服を企むのか?という 地雷ともいうべきヒーロー作品の原点であるテーマに果敢に挑み、 表裏一体ともいえる正義と悪の狭間の迷路を見事に描いた作品だといえる。 しかも世間がヒーローだと思い込んでいるバットマンを、 本来の姿であるアンチヒーローとして蘇らせてくれた。 今作品のすべての関係者に最大限の賛辞を贈りたい。 【はいぷ】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-09-05 10:29:26) (良:1票) |
18.ヒースはこの映画に彼の限りない才能の全てを注ぎ込んでくれた気がします。ジョーカーとのラストシーンでジョーカーがバットマンに「自分がいるからお前がいれる」みたいなことを言っていましたが、善と悪はとても強く結びついていることに再度気付かされました。みんなそれぞれの正義の元、悪の元に生きていて、ある人の正義が時には誰かの悪になってしまう。トゥー・フェイスの言うことさえも共感できてしまい、身をつままれる思いでした。自分もゴッサムに居たらきっとこれからバットマンを非難し生きていくと思います。真実を知ることもなく。そしたらあのジョーカーの嬉しそうな笑い声が聞こえてくる気がします。 【よーじろー】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-08-24 19:24:50) |