107.ネタバレ かつてこれほど悲しく、重い内容のヒーロー映画があっただろうか。 原作も知らず、何の予備知識も持たずに観た私は、めでたくハッピーエンドで終わると思ったその次の瞬間始まった悲劇のエピローグに驚き、そして最後はやり切れない思いを胸にして映画館から出た。 ただヒーロー映画が全てスカッと明るく爽快でなければならないのか、ハッピーエンドでなければならないのかと言えばそうではないという事がこの映画によって知る事ができたし、興行成績やここでの評価がそれを証明している。(それにバットポッドの登場&走行シーンなんかは最高にドキドキさせられるエンターテイメントになっているし)最後にスカッとニッコリできる映画では決してないけれど、最初から最後まで緊張感張りつめた重厚なストーリー&演出、俳優陣の演技、音楽、SFX全てにおいて素晴らしい映画だ。 しかし、本当にやり切れない悲しい気持ちになったのは、ここのサイトを見てジョーカー役のヒース・レジャーが28歳の若さで既にこの世を去っている事を知った時だった。ニコルソンのあのジョーカーが大好きで、あれを超えるジョーカーなんて無いだろうと思っていた自分を見事に裏切ってくれたこの素晴らしい演技を次作ではもう観る事ができないなんて。これこそ悲しすぎる。自らの命を削って魅せてくれた最高の演技をありがとう、ヒース。 【野良狼】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-09-22 23:24:27) (良:11票) |
106.ネタバレ 評判がよいという噂は聞いていたものの、事前の予備知識まったくなし。いったいどんな映画なのかを全く知らずに見たので、冒頭でジョーカーが出てきても、バットマンが出てきても、しばらくバットマンの映画だと気がつかなかったくらい(『バットマン・ビギンズ』は未見)。それにしても凄い映画。まず俳優陣が凄い。あのマイケル・ケインまで出てきたのは驚いた。ジョーカー役のヒース・レジャーが、また良い。かつてのジャック・ニコルソンを見て、彼を超えられないのではないかと思ったが、あっさりとジョーカーをものにされてしまった感じだ。レイチェル役のマギー・ギレンホールも知的な女性という印象があるし、ゲーリー・オールドマンやモーガン・フリーマンは、改めて語るまでもないだろう。脚本は「バットマン」の骨子を守りつつ、あえて漫画調をやめ普通の都市の話にしたというのも結果論的ではあるがよかったと思う。ジョーカーが無茶をしすぎるので、「放っておけばまた無実の市民が殺されかねないのに生かしておく」ことにやや疑問を感じたものの、遠慮のない映像にもどんどん引き込まれていく感じで、映画館で見てよかったと感じる作品だった。 【mohno】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-09-17 23:50:52) |
105.今年1月に亡くなったヒース・レジャーの最後の雄姿を見ておこうと、上映終了ギリギリな所で何とか映画館へ。いや、もうね、完璧!まだ1回見たばかりで(是非2回目を見に行きたかったのですが上映終了が近かったので)作品のテーマだとか深遠な部分まで語れないのが残念ですが、そういう事を除いても本当に娯楽として完璧だと思います!クリストファー・ノーランが撮ったバットマンだけあって、やはり今回も重厚な大人のエンターテインメント。アクション、内容ともに盛り沢山で冒頭から引き込まれ、ラストまで一秒たりとも退屈させない出来!2時間30分の長尺を全く感じませんでした。これはやはり絶対に映画館で見るべき!キャストも皆さんハマリ役で良いですね。クリスチャン・ベールを始めとした前作から続投した方々や新参のアーロン・エッカートも良かったですが、本作はやはりヒース・レジャー演じるジョーカーの存在感に尽きるのでは無いかと。彼がこの作品を支えていたと言っても過言では無いと思います。それにしても、どうしてケイティ・ホームズは降板したのかな?(笑)ただ、あまりに内容を詰め込みすぎて少し展開がゴチャゴチャしてたのが惜しかったかなと。前にも書いたように1度見ただけでは理解し切れない部分も少なからずあるので、DVDを買って見直すまでは完全な評価を下す事は出来ないかもしれませんが、現時点ではそこが唯一の難点ですね。よって-1点。とは言え、見終わった後の満足感は本当にもの凄いものがありました。このノーラン版『バットマン』シリーズ、まさにアメコミ映画史に残るべき傑作!・・・・・・最後に、ヒース・レジャー。本作と『ブロークバック・マウンテン』でのあなたの演技は最高でした。あなたは映画史に残る名優であり、本作では映画史に残る名悪役です。スクリーンであなたの姿が見れないと思うと、本当に残念です・・・・。R.I.P. |
104.ネタバレ 地元での最後の上映だったのでなんとか都合をつけて鑑賞。わざわざ映画館に行ってまでバットマンを見に行くとは・・・ジョーカーの、ボロボロのメイクでニヤっとするシーンが印象に残っていたので、見に行きたいとは思っていました。ヒース・レジャーの演技は評判どおりですね。テレビで見たビギンズも面白かったけど、一層重い雰囲気で圧倒されました。トゥーフェイスの顔がどうにも安っぽく感じて、ちょっとがっかりしたので9点で。 【ディーゼル】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-09-14 21:47:00) |
103.どうせアメコミ映画だろ、と予備知識一切なしで見たのが良かったのか良い意味で期待を裏切られました。何と言いますか・・アクション映画にしては良く言えば深い、悪く言えば重いんですよね、恐らくここが評価の分かれ目なんでしょう。自分はそこに惹かれたわけですが、ただの娯楽映画だと軽く流せないぐらいヒーロー役のバットマンと悪役のジョーカーのキャラ設定が素晴らしかったです。それと、ああいう陰影の付け方、好きですね。 何かここの評価が高かったから楽しめなかった、みたいな人が何人かいるようで残念です。 【ケ66軍曹】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-09-13 11:41:39) (良:2票) |
102.ものすごいな、というのが観終わってからの感想。 バットマンに慣れていないせいか、バットマンの戦闘シーンに笑ってしまうことがしばしばあった。 それにしてもヒースレジャーだ。狂気の沙汰をよくぞここまで、と思う。 そしてゲーリー。彼の存在は作品をワンランク上げる。 劇中サウンドも素晴らしかった。 【おっちょ】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-09-13 01:14:31) |
101.ネタバレ まざまざと正義と悪の境界線の曖昧さを見せ付けられた。
…正義と悪とは何か?
うン、正義と悪。
…「光と闇」
…「強き者と弱き者」
…「カッコいいとカッコ悪い」
…「快楽と苦痛」
…「美味しい物と不味い物」
…「薬と毒」
相対、いや対立するその因果関係。
正義とは?そして悪とは? そンな事を考えさせられる映画だった。
ヒーローでありつつ究極のダークサイドに位置するバットマン。 ヒールでありつつ究極のライトサイドに位置するジョーカー。
劇中で表現されたジョーカーという男を現す台詞。
奴は世界を終らせる火を放ち、それを見て嘲う男 だ…と。
確かにその言葉に相応しい狂気。 奴の行動は全て娯楽でしかない。 金品強奪、殺戮と破壊はゲーム…その結果には興味はなく… 報酬も自分の価値の測定で存在意味への確認。 途方も無く積み上げられた金に火を点けて笑う彼に正直シビレた。
そう、その瞬間…彼は悪のカリスマとなった。
例えるなら…幼少の頃、昆虫の足を捥いで観察してるような惨酷性。 人はその中で傷みを知り成長し、大人になっていくのだが… 彼はその幼少の惨酷性をそのままに、全ての狂気の根源としている。
バットマンは、最後に人殺しの濡れ衣を自ら背負う。 トゥーフェイスとなったデント検事を自ら殺めた事にする事でゴッサムの秩序を保つことを選んだ。
そして、その瞬間…彼は忌み嫌われる闇の騎士となった。
最も秩序であり正義にたったデント検事asトゥーフェイスだったのも興味深い。 使命感が過多で心の余裕無き故に、使命感という名の元…悪にも転化する。
彼のコインは善悪表裏一体。
しかしそのジャッジは危ういほど偶然と運が支配する。 バットマンに憧れた者がジョーカーによって悪として誕生した。 そんな善と悪、光と闇の間で翻弄されたトゥーフェイスが哀れでならなかった。 彼の善と悪に別れた顔… それはバットマンとジョーカーに翻弄された、悲しき光と陰の映し鏡。 【映画の奴隷】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-09-11 19:12:59) (良:3票) |
100.ネタバレ まずは今回のジョーカーだが、ボロボロメイクや口裂けっぷりもさることながら、ヒース・レジャーの熱演(狂演?)っぷりもすごかった。やはり、かなり精神的に追い込んでの撮影だったのかなあ、最期を知っているだけにいろいろ想像してしまった。しかし、デントの焼けただれた顔はやり過ぎでしょう、怖くて台詞が入ってこなかったです。レイチェルもちょっと。。個人的にはも少しきれいな人が良かった。ただ全体的には、少し長かったが劇場で観て満足な作品です。重厚なトーン、迫力のアクションは観終わったあと暫く立つ気になれないほどでした。タイトル通り、ダークな意図をもって創られたのでしょう。 【ポテサラ頂戴】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-09-11 10:54:41) |
99.ひさしぶりに1を超えた映画を見ました。 【osamurai】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-09-09 00:38:26) |
98.超かっこよかった。続編はあるのか?これを超えるのは難しいと思う。 【がみがみ】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-09-08 22:47:21) |
|
97.はためくマント、ぶっといタイヤのバイクのバックショット。 ボロボロのメイクのジョーカーがカッコよかった。 現実世界でのラストを知っているだけに、ジョーカーが出ているシーンの緊張感と凄味が身につまった。 【キッド】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-09-08 21:16:52) |
96.ネタバレ フェリーでみんなが起爆スイッチを押さなかったのは、「自分一人が悪者になるのは嫌だ」という利己的な理由からですよね。なにせ、無記名投票では「起爆スイッチを押す」という方に投票してる方が多いわけで。「自分で押すのは嫌だ。誰か押してくれないかな」と皆が思っているわけです。それなのにお互いのフェリーを爆破しないのを見てジョーカーが「がっかりだ」とか言ってるのは滑稽。ジョーカーさん、あんたの計画がまずいだけですよ。本気で市民に市民を殺させたいなら、誰が起爆したかわからないシステムにしなきゃダメでしょう。「笑っていいとも」の「お手元のスイッチ」みたいなのを配るとかして。大勢が見つめる中で起爆スイッチ押す人がいると思いますか? むしろ、自分一人が悪者になって、自分と同じ船に乗っている人たちの命だけでも救おうとしてスイッチを押す人が、もし仮にいたとすれば、その人こそ「ダークナイト」と呼ぶにふさわしい。英雄をねつ造するために罪を被ったバットマンや、その後事情が変わるかも知れないのに後先考えずに起爆スイッチを海に投げ捨てた黒人の「勘違いヒロイズム」には辟易。バットマンがやったことは「先生はこの国に必要な方ですから」と、収賄の罪を被る政治家秘書とあまり変わりません。まあ、何にしろ、はなっから「善」だとか「悪」だとかいうものを信じていない僕のような人間には、どうでもいい映画でした。
【コウモリ】さん [映画館(字幕)] 0点(2008-09-08 00:19:40) (良:9票)(笑:3票) |
95.ネタバレ メイクしてるせいもありますが、とてもヒース・レジャーとは思えない快演です。緊張感のある演出でよかったですが、ラストのビルでの格闘は展開が速過ぎてややついていけませんでした。デントのケロイドメイクはちょっとやりすぎだと思います。アクションシーンはスピード感と迫力あります。 【puta-pp】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-09-07 21:26:27) |
94.ネタバレ 前作ビギンズの高い完成度を保ちつつ“敵がしょぼい”という唯一の欠点を圧倒的に補った堂々たる作品。今シリーズはアメコミ原作にありがちな“てきとー”さがなく、実に完成度の高い作品に仕上がっている。一方でリアルさを追求したあまりか、バットマンの世界であるゴッサム感が全くなく、普通のアメリカの都市になってしまっているのは残念。 2時間半の間、全く間延びせず次から次へと話が進む展開はお見事。そしてラストにバットマンが悪役をかぶり、“ダークナイト”のタイトル。鳥肌もんでした。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-09-06 12:25:44) |
93.身体的特殊能力を持つスカッと爽やかなノー天気ヒーロー物とは一線を置く、 自ら望んでアンチヒーローを目指す富豪の苦悩を描いた作品。 孤高の存在であるはずのヒーローが実社会の中で苦悩する姿は、 往々にしてその特殊能力ゆえの悩みであり、 一般人からは理解しがたい陳腐な悩みのようにも見え、 ヒーローの苦悩を中心テーマにした作品は惨憺たる結果を招く事が多い気がする。 しかし今作品はヒーローが何故に悪と戦い、悪は何故に世界征服を企むのか?という 地雷ともいうべきヒーロー作品の原点であるテーマに果敢に挑み、 表裏一体ともいえる正義と悪の狭間の迷路を見事に描いた作品だといえる。 しかも世間がヒーローだと思い込んでいるバットマンを、 本来の姿であるアンチヒーローとして蘇らせてくれた。 今作品のすべての関係者に最大限の賛辞を贈りたい。 【はいぷ】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-09-05 10:29:26) (良:1票) |
92.新シリーズと旧4作との平均点を比べてみると、新シリーズのほうが高い。特にダークナイトは私がレビューする時点で平均8点を超えている。アメリカ映画のヒーローものと言えば、「くだらなさ」が必ずあった。ストーリーは無いに等しかった。しかし近年はスパイダーマンを始め、ほぼ全てのヒーローが人間味溢れ、そして苦悩する。点数を付ける側としてはこういう映画のほうが高得点を付けやすいし、日本人にも合っているのかもしれないが、確実に言えることが1つある。アメリカのヒーローが自分の弱味をさらけ出してきた。 そして最後にジョーカーという難役を全身全霊で演じ切ったヒース・レジャーに心から哀悼の意を表したい。 【あるまーぬ】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-09-04 18:53:43) (良:1票) |
91.ネタバレ あのね・・・長すぎ・・・あまりに骨太過ぎたのと、ヒースのジョーカーの圧倒的な存在感にのされて集中力途切れた。 丁度途切れたのがジョーカーと検事のやりとりのところで、会話が頭に入らなかった、その後何で検事がああなったのかわからなくて困った。 そこだけ、そこだけ以外は最高に面白かったんだ。 嗚呼、走り去っていくバットマン。誰か説明してくれ… 【ひで太郎】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-09-04 12:10:55) |
90.★みなさん書かれてる通り、人間の心に潜む善悪の葛藤や自己犠牲の精神などドラマ部分や、アクションなど全体的にレベル高く、 噂のヒース・レジャーのジョーカーもなかなか熱演だった。2時間を越す長尺も終わってみれば満足のボリューム。 ★けど、やっぱりよく考えれば、自分には初期のバットマンの方が好みかな。例えばスーパーマンが「明の様式美」とすれば、バットマンは「暗の様式美」。ダークな画面に、ややレトロなビル群とレトロなスーパーマシン。いちいち見えを切ってるようなやや緩いテンポの悪役達。 ★対してC・ノーランのバットマンは現代を舞台にハイテク装備をしたコスプレ正義の味方。まじめに悪を語っちゃってるジョーカーも、あれじゃなんか、ただのはやりのミステリホラーに出てくるサイコ野郎みたい。ちょっと違うんだよね。 ★意地悪な言いかたすれば、わざわざバットマンっていう作品でなくても成立しちゃう話と演出。うーん、古風なマイケル・キートンのバットマンと ジャック・ニコルソンのジョーカーの第1作が懐かしい。ちょっと見直してみようかな・・・ 【wagasi】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-09-03 23:12:14) |
89.ネタバレ バットマンが善悪の葛藤に悩む話と聞いていたが、結局のところやはりバットマンは絶対善であり、ジョーカーは絶対悪であった。 自分(=バットマン)がいなくなるとマフィアたちがはびこり社会が腐敗してしまうのに、市民は分かってくれない。間違いなく自分が正義なのになぜ?もう正義の味方なんてやめちゃおうかなー、てな葛藤だ。大雑把に言えば。 もちろん、このような状況になった原因はバットマンの身から出たサビなどではなく、イカレジョーカーが100%悪いのだから、反省のし様も無い。
米国人がそんなバットマンの姿をイラク戦争に突っ走る自分達と重ね合わせて熱狂しているかも知れないと思うと、うすら気持ち悪いと思えなくもないが、ラストシーンの「たとえ世界中を敵にまわすことになっても、俺は俺の正義を貫くぜ!」と颯爽とマシンで駆け抜け去っていくダークナイトは確かに最高にかっこいい。米国のヒロイズムに毒されそうだ(苦笑) |
★88. ネタバレ 2020/7/14追記 IMAX版を劇場で再鑑賞。12年の歳月は初見時とはまた違った感想をもたらしてくれた。 ヒース・レジャーの演技は背筋が寒くなるほどに凄い。 パトカー箱乗りのシーンは映画史に残る名場面だと言える。 凄い映画だ。 --------- 「重厚」「骨太」。 娯楽作では無いので観ていて疲れるが、入場料以上の満足感を与えてくれる事は保証したい。 私は囚人が起爆装置を棄てるシーンに、本作に込める監督の想いがかなり凝縮されているのでは?と思うがどうだろうか。 ヒース・レジャー、合掌。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-09-02 13:05:48) |