14.私は「三国志」大好きで、演義・正史問わず小説、マンガ、ゲーム、人形劇…と見境なく何でも見るのですが、結局のところ何に惹かれているのかと言いますと、その人物たちの魅力、〝漢〟たちの格好良さなのです。その観点からすると本作はやっぱり面白いです。キャラクターの特徴がそれぞれ端的にとらえられていて、劉備は庶民派全開でワラジを編み、中国で神格化されている関羽は当然のように光の中から登場し、張飛は怒声をあげ超人的なパワーを発揮し、超雲は不言実行で主君に尽くし、孔明は聡明で物腰は柔らかありながら掴みどころがなく、悪役として描かれる曹操も重い空気を纏いながら微笑みをたたえ懐が深そうな感じが良く出ているのです。しかしながら本作では、何と言ってもトニー・レオン演じる周瑜が格好良くって、その殺陣は一番アクロバティックに決まっていますし、時折、孔明すら見失うようにスッと姿を消すその存在は特別な者として描かれています。 さらに軍旗が印象的に使われていて、関羽は馬に踏みつけられている劉備の軍旗を取り戻しハタめかせ忠義を表明し、周瑜は曹操の軍旗をたたみ敵を屈服させようとします。この他にも各々の一騎当千ぶりを見せる殺陣がなかなかユニークで面白いのです。 そしてまた、男たちだけではなく女たちも格好良いのです。パンチをかます男勝りの孫尚香は魅力的ですし、絶世の美女・小喬が凄く官能的で惚れてしまいます。それも決してラブシーンが良いのではなくて、負傷した夫の体に自分の体を巻きつけるように包帯を巻くシーンの扇情的なことといったらないのです。こういうのをロマンティックというのでしょう。こりゃパート2も見ずにはいられなくなりました。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-12-02 18:34:05) (良:2票) |
13.お恥ずかしいことに三国志の知識は皆無に近く、国名と主要登場人物の名前を知っている程度での鑑賞です。物語の基礎知識を持たない状況での鑑賞には不安があったのですが、その点、国内での配給を担当したエイベックスは懇切丁寧な説明を冒頭にくっつけたり、場面転換の度に登場人物の名前と役職名をテロップ表示してくれたりといった親切設計で対応しており、一見さんにも問題ない鑑賞環境が整えられていたことは有難かったです。本作が劇場公開されたのは洋画に観客が入らなくなり始めた時期でしたが、そんな中で一般客をどうやって呼び込むかという点に配給会社が気を配り、結果として興行的に大成功を収めたのだから見事なものです。 有名な歴史ものには後世での自由奔放な脚色が含まれていることが常であり、これを素直に実写化すると「ありえねぇ」の連続となり(例『300/スリーハンドレッド』)、かといって説明可能な形にまとめようとすると「古典の面白さを台無しにした」とケチをつけられ(例『トロイ』『エクソダス』)、なかなかサジ加減が難しい素材だと言えます。そんな中で本作は基本的に”素直に実写化”路線に向いているのですが、かといって完全な歴史ファンタジーの領域に足を踏み込むこともなく、「昔、こういう戦争がありました」という歴史活劇として一定のルックスを作り上げることに成功しています。劉備軍の将軍たちはまさに一騎当千の活躍を見せるものの、物理的にまったくありえないというレベルに突入する手前のギリギリの描写で踏みとどまっており、生身の人間が戦っているという感覚を残せているのです。この辺りの演出は素晴らしかったと思います。 また、配役も絶妙なものでした。劉備軍の将軍たちの個性豊かすぎるルックスの再現度は高いし、超人的な頭脳を持つ諸葛孔明役にキャスティングされた金城武は、その浮世離れした個性により役柄に説得力を与えています。また、絶世の美女とされる小喬のキャスティングにも困難性が伴ったと考えられますが(見る人によって美醜の基準は異なるため、「誰の目にも絶世の美女として映る人」というキャスティングはかなり難しい)、そこに女優経験のないモデルのリン・チーリンを持ってきた判断も神がかっています。こちらもまた、国を動かすほどの超絶美女にきちんと見えているのです。また、彼女については難しい演技を要求される場面がなく、経験の少なさゆえのボロを出さずに済むよう脚本や演出レベルでも調整がとれています。 以上、本作のルックスは素晴らしいのですが、肝心のお話には面白みが感じられない点は残念でした。ジリ貧の劉備軍が、まだ戦禍に巻き込まれていない呉をどうやって同盟に引き入れるかが本作のスポットだと思うのですが、この交渉の困難な部分はどこにあって、どうやって呉を説得するのかという観客に対する情報の整理ができておらず、孔明と周瑜が弦楽器のセッションで意気投合したことで交渉が進み始めるという、なんとも面白みに欠ける展開となっています。弦楽器の件以外にも、馬の出産・虎狩り・牛泥棒などの面白みのないサイドストーリーの積み重ねにより本筋が進められていくため、中盤が本当に面白くありません。こうした中盤のグダグダの割を食ったのが孫権であり、これは優柔不断な孫権が為政者としての本分を発揮するまでの物語でもあったはずなのに、そこにあるべき感動が見事に失われています。熱い男を描かせれば天下一品だったジョン・ウーが男の成長ドラマでコケたことは意外でした。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 6点(2016-09-21 20:05:48) (良:1票) |
12.赤壁の戦いに至る経緯を、ひたすら金をかけて壮大に(壮大っぽく?)描いた作品。幼い頃から三国志が好きだった身としては、あの世界観が大画面で見られるだけで満足だった。きっと三国志に何の思い入れもなく本作を観たなら3~5点が関の山だと思うが、どうしても評価が甘くなってしまう。 演義だってゲームだってフィクション、正史だって100%事実では無いんだ、と自分に言い聞かせながら、ツッコミを入れたくなる感情をグッとこらえて、ひたすら雰囲気を楽しんだ150分だった。 【wood】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-08-28 15:50:44) (良:1票) |
11.監督はジョン・ウーだそうですが、“製作ブラッカイマー、監督マイケル・ベイ”というノリの映画ですね。「どこまでが実写でどこまでがCGか分からない」とは言っても、決してCGの出来が良いからではなく、実写も含めて何でもかんでもCGに見えてしまう、この印象の軽さ。マズいでしょう。超大作と銘打っておきながら、こうも変テコな出来だと、ワザとやってるんじゃないかと疑ってしまう。と言う訳で、なぜこんな変な作品になってしまったのか、事件・事故の両面から捜査中です。 【鱗歌】さん [地上波(吹替)] 4点(2011-06-06 20:56:20) (笑:1票) |
10.登場人物の魅力を超人的な強さで表現するのは如何なものか。 エロシーンも必要だったのかどうか疑問。 あと、どうでもいいことだけど、DVDの最後に入ってた後編の予告がネタバレしすぎで、もう見る必要がないかも知れない。 【もとや】さん [DVD(吹替)] 5点(2010-04-17 01:50:40) (良:1票) |
9.見せ方が悪いというか、戦闘シーンがあまりにも多すぎてかえって退屈だった。事実2時間あるわりに話はそれほど進展していないし、かといってこれといった大きな見せ場もない。戦闘シーンは続編にいっぱい盛り込めるはずだし、せっかくおもしろい題材を使っているのだから、登場人物の内面や人間関係にもっと焦点をあてて欲しかった。ただ迫力ある映像は見ごたえがあり、それぞれの将軍に活躍の場が与えられるゲームのようなサービスも良かったと思う。 【プライドだらけ】さん [地上波(吹替)] 5点(2010-03-06 21:53:49) (良:1票) |
8.ここのレビューによると、冒頭の背景解説はテレビ版だけかと思ったら、劇場版(しかも字幕版でも!)にもあったんですね。何度も登場人物の名前が表示されてる様なんかは、バラエティ番組のテロップみたいな過剰な親切の押しつけって感じで映画全体も安っぽく感じてしまった。登場人物は個性豊かだけど、なんだかみんな与えられた役割をこなしている感いっぱいで、あまり魅力的ではなかった。張飛はチューバッカみたいだし。あんまり映画として真面目に受け止めずに、三国志好きの友人とあれこれ突っ込みながら見るのが一番楽しい鑑賞法かも。ただ、これが大ヒットして、こんな映画ばっかりになるのはイヤだ。 【ころりさん】さん [地上波(吹替)] 5点(2009-05-15 00:22:23) (良:1票) |
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7.イマイチな超大作。序盤のドラマを絡めたアクションは良かった。でも、他の部分は平均点以下。私も見せ場であるはずの、後半のアクションは特に酷いと思った。大雑把で単調なアクション。あまりにも凡長すぎる。1分間で何十人も殺す時代劇の殺陣の方が爽快感においては何倍も優れてると思った。豪快さもいまいちで、突き抜けてる感じがしない。あと、戦闘において、関羽・張飛・趙雲・周愉ら、どの将軍も単なる強い一兵士と化してしまっている。張飛は少し個性が出ていたが、結局は強い兵士に過ぎず、ダラダラと長い途中で飽きる戦闘に繋がってると思った。将軍は大群を統率し兵士達に敬われる存在でもあるので、もっと戦闘にバリエーションを豊かにすることが可能だった。武術に秀でた兵士(=将軍)が敵を倒すシーンばかりを連続させすぎた結果、アクションが長すぎるという印象を感じる作品になってしまった。 【上上下下左右左右BA】さん [地上波(邦画)] 4点(2009-05-07 06:54:24) (良:1票) |
6.海のように広いプールだけど、深さはひざまで・・・というような作りの映画です。 【フッと猿死体】さん [地上波(吹替)] 6点(2009-05-04 08:16:22) (笑:1票) |
5.物凄く三国無双がやりたくなった。 【ケ66軍曹】さん [地上波(吹替)] 6点(2009-04-12 23:36:53) (笑:1票) |
4.うーん、微妙。自分で言うのもなんですが私はそれなりの三国志ヲタだと思います。それ故に色々と細かいところが気になって気になって仕方がありませんでした。曹操を見ては「丞相はこんな小者じゃないやい!」と心の中で呟いたり、妙に仲の良い諸葛亮と周瑜を見ては「お前ら二人はもっと殺伐としているべきなんだよ!」と心の中で煽ったり、ラストの陸戦の場面では「なんで呉と蜀の武将全員がこんなところで勢ぞろいしているんだよ!おかしいだろ!」と心の中でツッコミを入れたり…。いや、わかってはいるのですよ。そんなツッコミは野暮だという事くらいは。映画がテーマに合わせて脚色されるのは当然です。でもね…横山三国志から吉川三国志、人形劇三国志から中国TVドラマ版三国志、コーエーの三国志シリーズなどで私の中に深く刷り込まれた、話の流れやら人物像やらをひっくるめた「三国志」というイメージがどうしてもツッコミを入れざるを得ない心境にさせてしまうようなのです。勝手な思い込みと分かっていながらも「ここはもっとこうすれば良いのに」と悶々とした気分で二時間半を過ごしてしまいました。三国志に疎かったらもっと楽しめたのかもなぁ、と思わずにはいられません。しかしながら二時間半もの長い間飽きずに観られたこともまた事実でして、まあ途中のどーでもいい周瑜と小喬のラブロマンスとか(主役である周瑜のキャラを立てる為なのは分かるんだけどね)やたらと鼻につくCGとか個人的に気に入らないところはあるのですが戦のシーンは豊富な上に息を呑む迫力があったし、いかにも含みがありそうな表情で会話をする軍師たち(特に魯粛がいい味を出していた)などを見て「おお、これこそが三国志だ!」と感心する場面も多く、見終わった後そこそこの満足感はありました。周瑜と諸葛亮の友情物語になりかけている所やラストで曹操配下が呟いた「女の為に戦を起こされたのか…」というセリフに少なからずの不安を感じますがとりあえずパート2も観に行きたいと思っています。どうかこれ以上曹操が小者化されませんように… 【taxyun】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-01-01 23:42:11) (良:1票) |
3.「三国志演義」はフィクションである。(「光栄」さんに代表されるゲームや吉川氏・横山氏に代表される小説・マンガは全て「三国志演義」がもとになっている)史実は「三国志(正史)」と呼ばれる方である。つまり一般の方が知っている「三国志」というものは脚色されたフィクションであるということを、是非この機会に知ってもらいたい。そしてこの映画だが、「レッドクリフは三国志演義をもとにしながら、さらに脚色を加えた作品」なのである。(中村獅童が演じた武将は、そもそも存在しないし、三国志演義にも登場しない)なのでこの映画で得るであろう三国志知識の大半は役に立ちませんので、悪しからず。他のレビュワー様が仰っているように、「三国志演義を忠実に再現することが必ずしも良い」ということではないが、コアな三国志ファンからすると残念な限りである。確かにアクション映画としては大作で6~7点をつけたいが、三国志としては点数をつけることすらできない。これは「レッドクリフ」というアクション映画としてみるべきだろう。そうすると「300」と同じクオリティにみえてくるから不思議だ。 【あるまーぬ】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-11-12 02:25:56) (良:1票) |
2.ジョン・ウー監督のエンタテイメント三国志を期待して観たのですが、素朴に面白く無かったです。英雄達が皆平均化されてしまっていて、キャラが立ってないのです。後編は違うことを期待して6点献上。あ、ちなみに八卦の陣で英雄が次々投入されるところは、お前ら召喚獣かっ!って感じで笑えました。 【nazu】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-11-11 00:01:34) (笑:1票) |
1.上映時間が2時間半とけっこう長い。そして2時間半が経過し、これからタイトルにもなってるレッドクリフ=赤壁の戦いだーー!という所で突如字幕「後編へ続く」・・・「なぬーーーっ!!」。そして後編の予告の最後にまた字幕「後編は来年4月に公開予定」・・・「すっごい先じゃん!!(━□━∥)」そんなに待てない。面白かったし続きが気になるまま会場をあとにしました。 他のお客さんも「いい所で次回に続くのは消化不良な感じ」って言ってる人が何人かいた。 これは前編でありレッドクリフの戦いはやらないということを、知った上で見に行ったほうがいいです。 三国志を知らなくても平気。知らない人のために、映画の冒頭で登場人物の解説をしてくれる配慮があるのがいい。 私はジョンウー監督の映画が大好きだ。でもこれはちょっと長いと感じた。 ストーリーは300(スリーハンドレッド)と同じ。巨大な帝国VS小国。 300はテンポがよかった。でもレッドクリフの前編は小さな国2つがタッグを組むまでにかなり時間がかかる。 その交渉=戦い以外のシーンが長く、ちょっとぐだぐだ感がある。
戦いのシーンはすごく面白かったし迫力があった。知恵を使い、小国が大国と闘うのは面白い。 CMでも使われている(某ドラゴンボールにも出てくる技)太陽拳と、亀の攻撃はかなり気に入った。 ほっぺにも髭が生えてるライオンのような逆さ絵のようなおっちゃんと、あご髭がロングのストレートの人は見ていてすがすがしい強さだ。
そして空撮された中国の風景が壮大。はとのように空を飛んでる気分になる。 また、ものすごい数のエキストラを使ってCGでなく実際に撮影した映像は映画館のスクリーンで見る価値あり!なんだかんだ書いたけど、もう1回映画館で見たいと思う。 【ましゅまろシナモン】さん [試写会(字幕)] 6点(2008-10-07 00:36:47) (良:1票) |