11.これは反戦映画やと思うねんけど、この手の映画にありがちな、お涙頂戴の映画とはちょっと違う感じがした。「はい、ここ泣くとこですよ」って雰囲気がほとんどないような気がして。だけど観てて、なぜかずっと心のどこかが、せつないねんな~。正直、俺は泣けんかったけど、それゆえに、あのあさっりしてるが衝撃的なラストを迎えた後、心に残った悲しみを泣くことで浄化できずに、せつないまま余韻を残すってゆうか、引きずって忘れなくさせてくれたわ。だから終わった後に冷静に、ポーレットのその後の運命と一緒に戦争のことを考えてまう。この映画ほんま深いな。後、俺は子供達のしたことが残酷な遊びにはなぜか思えんかった。死んだ犬をさびしがらせないようにした、常識に囚われない人間の本来ある気持ちの一つの表現のような気がした。ちなみにフクロウは何気にいい感じでした。 【なにわ君】さん 10点(2004-05-05 14:47:30) (良:2票) |
10. 子役をアクセントに使う映画は多いが、完全にメインに据えてココまで重い主題を展開する映画はチョット他に類を見ない。しょーもないキッズ・ムービーとかなら山のようにあるけどね。名匠ルネ・クレマンの冴え渡るディレクションは1940~50年代では無敵モードといった感じの天衣無縫さで殆ど反則!!戦争をダイレクトに描いているのは序盤の機銃掃射シーンのみ。後は南仏の農村を舞台に幼い少女ポーレットと少年ミシェルの無邪気な、それでいて戦慄を禁じ得ない”十字架遊び”が淡々と綴られるだけなんだが、「死」というモノを特異な形でココまで活写するとは…。フランソワ・ボワイエの原作小説に忠実に映画化したから原作のお陰なのかというと、決してそうでは無い。映像の持つ迫力を活かし切ったクレマン演出なくして名画のステイタスは獲得できなかったであろうし、何より子役二人が巧まざる上手さ!!加えて名手ナルシソ・イエペスの奏でるギターの哀愁を帯びた旋律が観る者の涙腺を無節操に刺激してくる。特にラストシーンは明らかにやり過ぎ!!「ミシェル、ミシェル!」「ママ、ママ!!」雑踏に消えるポーレットの姿にいつしか滂沱の涙、涙…。クッ、しまった!クレマン監督に見事してやられたぜ。滅多に泣かない天邪鬼な私を泣かせるとは…天晴れな僅か87分の珠玉の反戦映画に9点。ちょっと悔しいので、イエペスに逆恨みして1点マイナス! 【へちょちょ】さん 9点(2003-03-06 12:47:07) (良:2票) |
9.戦闘場面は全く描いてないのに、深く戦争の悲しみを感じる。いつでも真っ先に犠牲になるのは子供をはじめ弱いもの。静かに無言で抗議する監督の声なき声が聞こえてくるような気がする。戦争孤児になってしまった子供たちの哀れを一層誘うのが繰り返し流れる「禁じられた遊び」のイエペスのギター。あのメロディを聴くたびに条件反射で泣けてしまう。ラストの雑踏で迷子になって「ミッシェール、ミシェール・・」と呼ぶ女の子の姿がかわいそうでまた涙。 【キリコ】さん 10点(2003-02-27 23:54:53) (良:2票) |
8.深く悲しい。子供の頃から放映されるたびに観て(ほとんどがNHK教育字幕)、その度に泣いた作品。でも好きではなかったのだ。子供にはあの結末は可哀相過ぎて、何とかハッピーエンドにならないかと思ったりした。あの頃の思いは今もあるが、何故あのラストなのか、が解るので大好きな映画だ。戦争の直接描写は最初だけなのに、きっちり反戦映画となっている。二人の子役は素晴らしいとしか言いようがない。予算が足りなくなってギター一本のバック・ミュージックになったというエピソードは驚き。映画音楽含め名作だが、怪我の功名?だったとは。「嘘つき!場所を言ったらうちで引き取るって言ったじゃないか!」の辺りからラストにかけいつも号泣。 【あっかっか】さん [地上波(字幕)] 10点(2008-12-23 15:12:24) (良:1票) |
7.子供の頃に観たときはなんのこっちゃでしたが、大人になって観てみるとなるほど奥が深い。学校へ通う少年は文字が読めるけど、家の大人たちは読めない。この状況が子供の頃は理解できなかった。少年はただ文字を並べて祈りの言葉を口から吐く。その露骨なまでの投げやりな口調からは当然信仰心など見えてこない。でも大人たちの疑心に溢れた行いこそが信仰から遠く離れたものとして描かれてもいる。だから大人たちは戦争をしでかすのだ。ただここが大袈裟でコミカルにすら見えてしまうのだが、コミカルな方へはけして行かずシリアスのまま進行するのでちょっと戸惑ってしまう。音楽はひたすら悲しいし。男の子がぶたれるときの女の子の泣き顔は演技なのだろうか。5歳やそこらであんな顔はできんぞ。ラストもやるせない。この作品が名作となった功績は彼女の演技が大きいと思う。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-09-16 17:52:56) (良:1票) |
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6.冒頭から、嘘くさいエキストラの動き、切り替えの激しすぎる雑なカメラなどでとても入り込めませんでした。技術的には、1952年の製作というのが嘘のような古臭い映画に見えてしまいます。ポーレットは確かに、「守ってやりたい」ようなかわいさがありますが、僕にはそれだけに見えてしまいます。ごめんなさい。 【小原一馬】さん [地上波(字幕)] 2点(2007-03-22 13:13:15) (良:1票) |
5.戦争さえなければポーレットは少なくとも幸せに暮らせたのに。ポーレットのこれからの人生を思うとかなり切ない。 【ゆきむら】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-06-30 16:11:41) (良:1票) |
4.淡い恋に始まった2人の奇行。幼い女の子にも魔性は棲んでいる。幾度となく映される笑顔のアップ、すごいでしょ?でもあれは演技ではなく彼女の天性で、あの幼い瞬間にしか存在し得なかったものだということが作品の魅力を掻きたててるような気がしてなりません。駅について初めて「ママ…」と声に漏らす彼女。ラストもばっちり私の心をつかんで離さない、良作です。 【SAEKO】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-06-21 21:28:30) (良:1票) |
3.「プラトーン」や「プライベートライアン」の様な派手な戦闘シーンなどほとんど無くても痛い程、心に染み入る。戦争の愚かさが観ていて痛い程に伝わってまいります。ルネ・クレマン監督の見つめる視線は常に温かく人間的な視線で捉えている。子供の眼から見た戦争とは何かということをあの有名なラストシーンでの「ママ!ママ!ママ・・・」での少女ポーレットの叫びが証明する形となって映画は幕を閉じる。あの切ない音楽がいつまで経っても耳から離れません。正しく映画史上に残る反戦映画の傑作であると共に人間ドラマとしての完成度も高い。 【青観】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-06-04 17:20:34) (良:1票) |
2.ナルシソ・イエペスのあの曲を思い出しただけで涙が出てくる。むごたらしく、リアルな戦闘や人がバタバタと死ぬシーンなどなくても、戦争の悲惨さ、無意味さを充分伝えている。幼い子どもをもってくることで、あざといと言う人もいるかもしれないけど実際、戦争のいちばんの犠牲者は民族や政治的なことも、まだ死の意味もわからない子どもたちなのではないでしょうか。「パリから来た垢抜けた女の子」はミシェルにとって、自分が見つけた、発掘した宝物だったのかもしれませんね。いつも大人に囲まれ見下ろされている立場だったのが、ポーレットに対しては自分が教えてあげる、守ってあげる立場になるわけだから。お墓を作ることは悪くはない、ただ十字架を盗むといのがいけないということでしょう。それによって村が大騒動となり、争いが起きる。何か皮肉な感じもする。大人のある一部の者たちによって勝手に戦争やって、罪のない人々を巻き込み、人生を狂わせているのだから。「ミシェル」と呼んでいたポーレットが、現実にかえったように「ママ」と呼んで雑踏の中へ消えていく、こんな悲しくていたたまれないラストシーンは他にないです。素直にこれが反戦映画というものなんだなと思える。 【envy】さん [地上波(吹替)] 10点(2003-12-14 00:56:05) (良:1票) |
1.派手な戦闘シーンこそありませんが、切々と訴える見事な反戦映画です。冒頭、ドイツ軍戦闘機の攻撃により両親を失い孤児となる少女ポーレット。少年ミシェルと出会い、のどかな農村にある彼の家屋で束の間の一時を過ごす。しかしここでも大人達は、隣家なのに憎しみ合い小さな戦争をしている。子供達が出来るのは、十字架を立て死んだものへお祈りを捧げるという“禁じられた遊び”だけ。やがて引き裂かれる身となる二人。出会いと別れ。視点を変えて見ると、切ない初恋の映画ともいえます。そして、涙なしでは見られない有名なラストシーン。ナルシソ・イエペスの哀切溢れるギターと共に、ポーレットの悲しい運命をも想像させてしまう。“戦争”という二文字が罪のない人間の命を奪うだけではなく、残された子供達の人生をも奪ってしまう。一度起こしたら最後、取り返しのつかない結果をもたらすということを名匠ルネ・クレマンは見事描き切っている。文句なしの10点満点。 【光りやまねこ】さん 10点(2003-03-07 18:33:09) (良:1票) |