7.《ネタバレ》 本当に素晴らしい作品を見ると、この感動を誰かに伝えたくてたまらなくなりますが、この映画はまさにそれでした。20年近く映画を観ているのに、ヘプバーン好きの小生は、恥ずかしながらこれといった理由も無く、彼女の対照に存在していると言われた大スター、マリリン・モンローの作品を1つも観てこなかったのですが、損したなーと痛感しました。
しかしこの作品、面白い反面、不安もありました。自分の身を守る為とはいえ、女装という「嘘」がいきなり発生し、ジョーにいたっては女性キャラだけでなく、ジュニアという石油会社の御曹司にもなります。嘘の先には必ずそれがバレる時が来るし、ギャングから逃げてきた2人は見つかり、再び命を狙われる事になります。作品のテンポも良く、時間を忘れる程夢中になれますが、エンディングに進むにつれそんな不安が脳裏をよぎります。
ところがそんな不安は全ていい方向に裏切られます。女装も御曹司では無かった事も許され、ギャング一味からも逃げ切ります。幸せになって欲しいと願う人物が結果誰1人不幸にならない、これこそ完璧なエンターテインメントです。
主要の俳優陣も完璧。玉の輿願望があるのに純粋で、可愛くもあり妖艶でもあるシュガーを演じるマリリン・モンローが全く鼻につきません。これがもしどこか計算高い女という印象を抱かせていたら、ジュニアが別れを切り出した時、観ている側もどこか複雑な心境でしょうが、この作品では何とか彼女も幸せになって欲しいと願います。だからこそ、ラストで2人がオズグッドのボートに乗り込むシーンで、自転車で追いかけてきた時に胸打たれるのではないでしょうか?船上デートの際は先行くシュガーをジュニアが自転車で追いかけましたが、その逆という演出も粋です。
ジャック・レモンも狂言回しのような存在でしたが、必要不可欠な良き友人で非常に良かったです。シュガーとジュニアのラブシーンと、ダフネとオズグッドの「ラ・クンパルシータ」が交互に挿入されるシーンなんか「これぞ娯楽!」という感じでワクワクしました。
ビリー・ワイルダー監督の無駄のない演出に心から脱帽です。蒔いた伏線を全て観客の願う方法で拾い集めるなんて、非の打ち所がないです。こんな作品に巡り合えて本当に幸せです。心の財産になりました!名作中の名作に敬意と感謝を込めて、文句なしの満点です。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-02-11 19:27:46) (良:3票) |
6.《ネタバレ》 時代が変わり、笑いのツボが変わり、若い頃に観て大笑いした人が中年になり、年をとって何度見直してもやっぱり楽しいコメディの大傑作だと思います。観る度にこの作品が大好きでたまらない人と10人くらいで集まってお酒でも飲みながらこの映画の楽しさを語り合いたくなりますね。「ジャックとトニーの掛け合いがやっぱ最高でしょ!」「僕はダフネが求婚されて浮かれて踊ってるシーンが一番笑ったなあ!」「ワタシは夜汽車のパーティーが楽しかったなあ!」「俺はマリリンが可愛くて最高だった!」「あの二組のデートの夜も楽しかったんじゃない?」「そうそう!」「分かる、分かる!」なんてね。一晩中でも盛り上がれそうじゃないですか!これはそんな映画だと思います。ダフネさん、ジャック・レモン・ファンの僕にとってはいくら女装して裏声で話してもその笑い方で一発でレモンさんだと見破りますよ!そして永遠のセックスシンボルなんて称されるマリリンですが、僕にとっては本作でもみせてくれるようにやっぱり可愛くてチャーミングなマリリンなのです。あの見事なまでにあっけなく素晴らしいラストまで最高のテンポの良さで楽しませてくれるワイルダーの見事な脚本と語り口。10点満点です。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-06-04 00:09:41) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 小学四年生のとき、深夜にBSで上映していたのを偶然観たのが思い出深い一本。とにかく笑って笑って、キスシーンでは凄く恥ずかしくなって(大人ってこんなに一杯キスするのかと思った)、ハラハラさせてハッピーエンドで…観賞後の余韻は素晴らしすぎて涙が出るほどだった。驚いたのは、あれから10年経って最近見返してみて、あの時に感じた面白さが全く色褪せていなかったこと。ここまで愛すべきキャラに囲まれた、観ていて楽しくなれる映画はないのではないか。圧倒的な面白さの前には、社会性も芸術性もメッセージ性も敵わないということを思い知らされる一本。Nobody is perfect!! 【j-hitch】さん [地上波(字幕)] 10点(2009-02-11 20:03:35) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 DVDジャケットのレモンの笑顔はとても恐いです・・。内輪ごとですが、僕の彼女はこの映画の話をしただけでもう思い出して笑ってる。僕も彼女もJ・レモンが大好きだから、どうしても彼を中心に見てしまうけど、(HNを「ダフネ」にしようかと思ったくらい)やっぱり女装が楽しいんだか、哀しいんだか、めちゃくちゃ節操のないレモン君でしょう。シュガーに逢って女装を後悔してたのに、エロじじいにプロポーズされてベッドで嬉々とマラカス振ってやがる!!有り得ねぇ~!!って感じだけど、ラストで罰が当たったってことなのかなぁ。(婚約解消する気、一切ないし)でもただのどたばたコメディにならず、とても良くしっかりと出来た映画だと思います。やっぱりワイルダーってスゴいんだなぁって思った。某TSUT○YAさん、この映画を「ギャング系アクション映画」の段に置くのはどうかと・・・・ |
3.ビリーワイルダー、ジャックレモン、トニーカーティス、マリリンモンローと来れば、もう無敵でしょ。落語の大名人の噺を聞いたような心地よさ。ラストの台詞は、笑いました。やられた!という感じ。二人の女装に頼りすぎてるという批判もあるけど、とんでもない。モンローを初めとした女ばかりのジャズバンドの中に、ムサイ男二人が女装して入り込むというところが、ミソではないか。二人がどんなに念入りに女装しても、モンローの横に立ったら、グロテスクにしか見えない。その対比の可笑しさ、意地悪さこそ、ワイルダーの真骨頂じゃないのさ。いや~それにしても筋の運びの調子のいいことといったら。ワイルダーが日本ですごく人気があったの、わかるような気がする。彼の語り口って落語なんですよね。問答無用!満点じゃ! 【ひろみつ】さん 10点(2003-11-01 21:56:57) (良:1票) |
2.もう全部最高!おしゃれでウィットにとんだワイルダーの脚本、演出、レモン・トニー・モンロー達俳優、何度見ても楽しくて笑える。コメディエンヌのモンローがとても可愛くてこれが一番好き。レモンなんか女装が「もう病みつき、楽しくて仕方ない」という感じでとっても生き生きと見える。列車の中で女性仲間と酒盛りして盛り上がるところなんか最高!ベスト10を選ぶのは難しいけどこれは絶対入れちゃう。映画を見る最高にハッピーな気分が味わえる一押しのお勧め作です。 【キリコ】さん 10点(2003-02-19 22:33:07) (良:1票) |
1.脚本がしっかり書けているからね、こういうコメディーが有り得るんだよ。ビリー・ワイルダーは最高のシナリオライターかもしれない。ラストのジョーとシュガーとは対照的にJ・レモンのあのふがいない表情のラストには思わずニヤリとさせられる。現代のコメディーとは違った、味のあるコメディーですね。 【チャーリー】さん 10点(2001-09-07 13:02:03) (良:1票) |