7.《ネタバレ》 バドは気が好いが、行き当たりばったりの男。アパートを上司の浮気用に貸して、出世をもくろむ。フランに好意を持っている。フランは不倫をして自己嫌悪にながらも、男の甘い愛の言葉を聞くと信じてしまうお人好し。その相手がバドの上司。バドは、割れたコンパクト(ハートブレイクの象徴)から、そのことを知る。傷心して、彼女のことをあきらめるが、彼女が彼のアパートで自殺未遂して急展開。看病の間にまだ愛していると気づきはじめる。彼女の兄に殴られて「いいんだ、ちっとも痛くない」と言うときが、彼女を心から愛していると気づいた瞬間。彼女をかばった結果なので、かえって嬉しいのだ。彼女に愛を告げる決心をするが、上司が離婚を決意して、また急展開。フランは男の言葉にまた騙されて「夢みたい」。バドは身を引くが、上司からアパートの鍵を貸せと言われて拒否。クビになるが、メンチェ(人間)に戻る。フランは上司からバドが会社を辞めたことを聞き、バドが自分を愛していたこと、彼を愛していることを悟る。アパートへ直行。バドは愛を告げるがフランは聞き流し、コートを脱ぎ、カードを始める。これは彼女が甘い言葉には騙されない女に成長したこと、古い殻を脱ぎ捨てたこと、人生の勝負をもう一度やり直すことを意味。誰も真似のできない小粋なエンディングですね。。キスを一度もしないラブコメは唯一無比。エレベーターは出世と恋の浮き沈みの象徴。その独創性に脱帽。気の利いた台詞のオンパレードです。「男は妻の元へ、そして女は…、このエビ味が落ちたわ」「(男が去ると)何もかも急に醜く見える」「(電話:いるのか?)いないわ」「なぜ人は恋するの」「女房持ちの恋にマスカラは厳禁なのに」「未練はいつになった消えるの。洗浄できればいいのに」「毎年ケーキを贈るわ」「(スペルができず秘書失格になったのを受けて)うまく言えないわ。(I can't spell)」「物事は成り行きだわね。But that's just the way it crumbles, cookie-wise.」マイナス要素は、自殺未遂させたこと。コメディには重過ぎます。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-29 04:17:56) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 【考察・小原乃梨子さんはなぜアパ鍵の吹替をされなかったのか?】僕が昔っから、好きで好きで大好きな声優さんの一人、小原乃梨子さんの訃報が本日飛び込んで来ました。享年88歳との事。謹んで、謹んでご冥福をお祈り致します。自分の世代は、幼少の頃は「のび太」「ドロンジョ様」「バーバパパ」等で、常にテレビからの小原さんのお声と共に成長。思春期になり、多少映画について聞きかじる年頃になると、僕にとって小原さんは「シャーリー・マクレーンの吹替えご担当」として揺るぎない存在となりました。最初は、深夜放送でのワイルダー監督「あなただけ今晩は」。ジャック・レモン担当の愛川欽也氏との掛け合いも息ピッタリで、後で観た字幕版より、この吹き替え版の方が断然面白かった。小原さんはシャーリーのユーモラスな役柄(「何という行き方!」「凡ては夜に始まる」「ハリーの災難」)のみでなく、シリアス演技(「噂の二人」「愛と喝采の日々」)でも、硬軟自由自在柔軟に対応されていて自分の目には、最早シャーリー・マクレーン=小原乃梨子さん同一視という図式が出来上がってしまいました。いやいや、小原さん吹替えなら、ジェーン・フォンダやろ!と仰る方もいらっしゃると思いますが、これだけは異論は認めません!ずいぶん昔にNHK「世界名画劇場」(字幕版)でこの映画を初鑑賞した時、感銘は受けたものの、ああ、これが小原さんとキンキンの吹き替えバージョンで観たらもっともっと面白いんだろうなぁ・・・地上波放映や、DVDが出るたびに期待していたものの。。。結局このコンビでのバージョンを観られる事は一度もなく、、、。本日の訃報を受け、小原さんのWikiを改めて確認したところ、元々その吹き替え版自体存在しないようで・・・。「アパ鍵」前後のシャーリー作品の殆どは小原さん担当なのに・・・・スケジュールの御都合だったのでしょうか・・・?小原さん、本当に本当に長い間お疲れ様でした。悪女ドロンジョ様に憧れ、翻弄されたガキ世代も、今はむさ苦しいオッサンとなりました。でもこれからも貴女のお声を聴くたびに、キモチだけは少年時代に戻れる、そんな気がします。そして僕がいつかそちらへ行く時までに「アパートの鍵貸します」愛川キンキンとの吹替版ヴァージョンを用意して待っていて頂けると嬉しいです。貴女の一ファンより。本当にありがとうございました。 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(字幕)] 8点(2024-07-23 22:17:58) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 その昔、明石家さんまがトレンディドラマに出ていたころ、有名な“テニスラケットを使ったパスタ水切り”をそっくり再現というかパクっていました。名優ジャック・レモンの伝説的なパフォーマンスをパロっちゃうとは、さんまというか演出家はいい度胸してるなと感心した思い出があります。 初めて観たとき、「NYってラブホが無いのかよ?」というのが強烈な違和感だった記憶があります。いくら一等地にある部屋だといっても、知り合いが住んでいる部屋に女の子を連れ込みますかね、それも急にムラムラしてきたってわけじゃなく一週間以上前から予約しておくなんてねえ。まあそれを言っちゃあ話が進まないので深くは掘りませんけど、貸しているジャック・レモンも出世のための苦行だと割り切っている俗物キャラなのがイイですね。シャーリー・マクレーンの演じるフラン(ファミリーネームがキューブリックというのが凄い)に関しては、“純情そうに見えるけどヤルことはヤッテいる女”という感じがするし、ほとんど極悪非道といっていい人格の部長に離婚させて後釜に収まろうとするちょっと嫌な女。でも最後の最後で突然目覚めてレモンのもとに飛び込んでゆくラストは、それまでほとんど彼女に感情移入できなかっただけに鮮やかな脚本だと感心します。 言ってみればこのお話しは典型的なシチュエーションコメディなわけですが、そこに微妙なさじ加減でペーソスが味付けされている、まさにジーン・ワイルダーじゃなきゃ撮れないラブコメだと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-08-27 22:14:14) (良:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 私のように全くモテず、意中の女性とフランクに恋愛話して、その時は笑顔で返してくれるけど 実はその女性はまったく別の男性を思い浮かべて笑顔でいる系の経験豊かな私としては、この作品の ジャック・レモン演じる主人公の非常に単調な生活にスパイスを入れるべくアパートの鍵を貸す副業を 行っているのが何とも感情移入できてしまいます(笑) そんなジャック・レモンの意中の相手となるシャーリー・マクレーン演じるエレベーターガール。 皆に高嶺の花と想われている子に対して、御多分に漏れず好きになっちゃう部分もこれまた共感(笑) しかもこういう可愛い子に限ってだいたい同性に人気のない中身のつまらない男とか既婚者に引っかかる! シャーリー・マクレーンも引っかかる!この展開も実にリアルだ(笑) そんなうだつの上がらない男が、なかばやけっぱちで退職を願い出る!新たな人生を歩みだす! あのいい人代表みたいな男が、実は私の事を想っていて、会社まで辞めちゃったとなったらそれはもう シャーリーは追いかけるしかない!!引っ越し直前のアパートに駆け付けた笑顔の彼女とのトランプ!、 それは奇跡を起こした男の至福の時間!このジャック・レモンは陽気な分だけ対照的に心の孤独さが 増した分だけ、最後の最後で報われるところの達成感がものすごいです。できればもう数分余韻の イチャコラ観たかったけど、十分ステキな作品です。ビリー・ワイルダー作品の当たり作品の多さに脱帽! でも「情婦」「お熱いのがお好き」のほうがずっと好きです(笑) 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-09-02 14:03:18) (良:1票) |
3.こちらでの評価が高かったし値段が下がってたので思い切って購入して鑑賞。…好きなタイプのラブコメで良かった!いい歳こいてオサカンな上司達には反吐が出たし、フランのフラフラした態度にもウンザリしたけど、なんといってもバドが自分を見てるみたいで身につまされた。純粋で不器用なところ、関係ない女の人指差して「ゴメンこれからデートなんだ」なんて見栄はってみたり隣人にはモテ男で通してるところとかカワイイですよね!恋愛対象として見られてなくても、好きな人の世話を焼くのが純粋に嬉しくて楽しい、そんな健気なバドが大好き。この映画のいいところは主人公の愛すべきキャラと、ちょっと気の利いた会話だと思う。「別れた」とは言わず「毎年フルーツケーキを送るわ」って言うところとかね☆何度も見たくなる映画です。それにしてもフランは演じる女優さんによってはただの浅はかなクダラナイ女になってたやろうな~と思う。シャーリー・マクレーンはちょっと地味めだけど可愛い☆ 【ROMY】さん 8点(2004-07-19 12:47:53) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 温かい感じがして、好感の持てるコメディーですね。もちろん脚本も良いですが、「笑い」という面では、むしろジャック・レモンの動きや行動で楽しませているという印象が強い作品です。 ただ、僕が感嘆したのはシャーリー・マクレーンです。役作りが上手い。フランはバクスターに対して、最初は恋心は持っていませんでしたが、最後の最後に彼の優しさに気付き、花が咲いたような笑顔を見せます。劇中の表情の変化で、フランの気持ちがバクスターに向けられた瞬間を見事に好演しました。その笑顔は優しく、思い深げで、印象深い。 【おはようジングル】さん 8点(2003-12-20 18:56:13) (良:1票) |
1.シャーリー・マクレーン曰く「女房持ちと付き合う時はマスカラは禁物なのに・・」。全くその通り!わかるよ~。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2003-05-07 17:41:34) (良:1票) |