6.制作陣の異様なまでの気合は伝わるもののチ~っとも面白くなかった「ハルク」を反省してか、スピーディな展開、明確なライバルの存在と、マンガ映画に徹した本作は十分に面白い出来となっています。アメリカ人なら誰もが知っている物語の発端を数分のタイトルバックで済ませてしまうという、前代未聞の荒業からして光っています。普通、コミックの実写化は「みんなが知っているおなじみの展開をどう実写で表現するか」に全力を挙げて挑むものですが、本作は「どうせみんな知ってるんだからあらためて説明する必要もないだろ」と、コロンブスの卵的発想で切り捨ててしまったこの潔さ。一方で、いくら巨大化しても破れないパンツや、ハルクに変身した後、裸で放り出されたバナー博士は一体何をやっているのかといった、原作がうやむやにしていた部分をキチっと実写化。物乞いをしてとりあえずのお金を入手し、真っ先にパンツを買っていたんですね。変身すると裸になってしまうので、貴重品は事前に飲み込んで胃袋にしまっておくという生活の知恵も面白かったです。以上、刈り込むべき部分は大胆にカットし、説明が必要な部分にはきちんと答えを準備しておくという、よく出来た構成だと評価できます。一方アクションシーンになると、こちらは良い意味でマンガチックな大味さがあります。事情を知らずバナー博士をいじめる街のチンピラ&特殊部隊登場で「ヤバイ、ヤバイ、変身しちゃうよ」というイヤな汗をかかせ、いざ変身すると、それまで横柄に振舞っていた連中をひねり潰すという爽快感。これぞハルクです。ブロンスキーの存在も良く、体力の限界を感じていた軍人が力への羨望に取り憑かれて肉体改造を重ねるという設定なのですが、大袈裟な背景やひねった動機付けをするよりも、こういうシンプルな動機の方がかえって説得力があります。いざ怪物が暴れはじめると、次々と兵器が登場し、物を壊しまくるという腕白ぶり。ラストの怪物バトルは、元がエドワード・ノートンとティム・ロスとは思えないような大プロレスが展開されて目を飽きさせません。怪物がベラベラと話し始め、最後の「ハルクスマッシュ!」にはさすがに驚いてしまいましたが。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2009-09-06 20:48:30) (良:3票)(笑:1票) |
5.心拍数が上がってもやり続けてよ! 【たこちゅう】さん [地上波(吹替)] 7点(2012-01-05 22:55:23) (笑:1票) |
4.印象的な長廻しによって始まる、クライマックスのパニックシーンが、いいんだなあ。そうそう、こういうのが観たかったのよ、ワカッてるねえ、とうれしくなっちゃう。街のど真ん中でモンスターが暴れまわる、もうこれだけでワクワクしちゃうんだけど、ひょいと自動車をはねのけて見せる怪力ぶり(そしてその何気なさ)が、また楽しい。この手の映画、CGなのか実写なのか、もはや区別がつきかねるんだけど、少なくともこういった場面では、実写(だよね?多分)による破壊シーンで、しっかりと質感を感じさせてくれる。また、コケオドシのドアップばかりではなく、時にはモンスターをロングで遠方に小さく捉えて見せることで、これはこれでちょっとリアルなスケール感も生まれる。いやはやなかなかカッチョよいバトルシーンでありました(うれしくなったので、子供を呼んで、このシーンだけ見せてみた。反応は・・・聞かないで下さい、とほほ)。全体的には、雑な場面とか、独り合点のワケワカラン場面とかもあるんだけど、その辺は多少目をつぶるということで。 【鱗歌】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-01-04 16:37:03) (良:1票) |
3.子供の為に借りたからいいけれど「こんなストーリーじゃ脚本段階で面白くならないのが分かりそうなのに、演技派そろえて撮っちゃいましたか」という感想。登場人物たちの愛憎や葛藤の描写は薄っぺらく、ハルクの強敵となるティム・ロスのキャラも危ない感が足りない。CG感もろ出しのCGはげんなりするし、クライマックスの怪物対怪物の戦いも、街の一角でのこじんまりした範囲内の格闘技に終わった。それも一匹は軍人で「戦いてぇ~!」と飢えているキャラだいうのに、格闘技ファンを唸らせるようなシーンもない。巨大オス2匹が死闘を繰り広げて街一つダメにしないなら、スティーブン・キングの少女キャリーの方がよほど怪物。エドワード・ノートンはその気になれば「アメリカン・ヒストリーX」の時のようにマッチョになれるのに、そういう体型にしなかったのは必要ないと判断したからかもしれないけれど、ハルクに変身後とは顔立ちから何もかも違いすぎて全くの別人過ぎます。「アイアンマン」につなげたラストだけが印象に残った。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 3点(2009-06-28 02:47:15) (良:1票) |
2.細かい説明を省いたシンプルなストーリー展開が、こういう映画には合っていると思います。細かい心理描写をした映画もいいですが、単純に見ているだけでびっくりしたり、意外な展開にワクワクする映画も必要です。この映画はまさに後者だと思います。驚いたのは、俳優達の演技の良さです。特にしばらくぶりに見たL・タイラーは良かったと思います。意外な驚きでした。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-08-29 20:30:18) (良:1票) |
1.興味がないジャンルですがエドワード・ノートンが主演なので見に行ってみました。ハラハラドキドキ普通に面白かったです。ただ、ド派手なCG映像よりも、ノートンの切ない演技よりも、ブラジルで撮影したと思われる丘陵地帯に連なる貧民街の建物群を空撮した映像が力強くて圧倒的で一番印象に残ってしまいました・・・。 【Carrot Rope】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-08-05 17:18:44) (良:1票) |