8.制作陣の異様なまでの気合は伝わるもののチ~っとも面白くなかった「ハルク」を反省してか、スピーディな展開、明確なライバルの存在と、マンガ映画に徹した本作は十分に面白い出来となっています。アメリカ人なら誰もが知っている物語の発端を数分のタイトルバックで済ませてしまうという、前代未聞の荒業からして光っています。普通、コミックの実写化は「みんなが知っているおなじみの展開をどう実写で表現するか」に全力を挙げて挑むものですが、本作は「どうせみんな知ってるんだからあらためて説明する必要もないだろ」と、コロンブスの卵的発想で切り捨ててしまったこの潔さ。一方で、いくら巨大化しても破れないパンツや、ハルクに変身した後、裸で放り出されたバナー博士は一体何をやっているのかといった、原作がうやむやにしていた部分をキチっと実写化。物乞いをしてとりあえずのお金を入手し、真っ先にパンツを買っていたんですね。変身すると裸になってしまうので、貴重品は事前に飲み込んで胃袋にしまっておくという生活の知恵も面白かったです。以上、刈り込むべき部分は大胆にカットし、説明が必要な部分にはきちんと答えを準備しておくという、よく出来た構成だと評価できます。一方アクションシーンになると、こちらは良い意味でマンガチックな大味さがあります。事情を知らずバナー博士をいじめる街のチンピラ&特殊部隊登場で「ヤバイ、ヤバイ、変身しちゃうよ」というイヤな汗をかかせ、いざ変身すると、それまで横柄に振舞っていた連中をひねり潰すという爽快感。これぞハルクです。ブロンスキーの存在も良く、体力の限界を感じていた軍人が力への羨望に取り憑かれて肉体改造を重ねるという設定なのですが、大袈裟な背景やひねった動機付けをするよりも、こういうシンプルな動機の方がかえって説得力があります。いざ怪物が暴れはじめると、次々と兵器が登場し、物を壊しまくるという腕白ぶり。ラストの怪物バトルは、元がエドワード・ノートンとティム・ロスとは思えないような大プロレスが展開されて目を飽きさせません。怪物がベラベラと話し始め、最後の「ハルクスマッシュ!」にはさすがに驚いてしまいましたが。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2009-09-06 20:48:30) (良:3票)(笑:1票) |
7.《ネタバレ》 例えば工場で男にしつこく絡まれる女性に助け船を出すシーンのノートンの佇まいが、危険な香りがあってハルクを連想させます。そしてハルクの顔が映るファースト・ショット、大学内での戦闘で檻を彷彿させる渡り廊下で変身してしまうシーンで煙の中から出てくる手、あるいはヘリから落下した後、地面から突き出てくる手などのハルクの登場のさせ方、等々の瞬間瞬間は印象的です。また、人物設定がはっきりしていて、ノートンは科学者としての責任を果たすためヘリから飛び降り、ティム・ロスは戦士として最強の対戦相手との勝負を求め無線機を外し命令を無視し、リヴは愛する者としてノートンに尽くし肉体関係がもてなくともさめざめと泣いたりしません。誰もが(リヴの新しい彼氏までもが)見返り無しに自らの進むべき方向へ迷いなく前進し、行動基準がぶれないので見ていてスッキリします。・・・しかし、全体的に平坦で盛り上がりがなく、最後の街中での戦闘シーンもいまいち芸がなくて面白味に欠けていますし、わざわざノートンやティムを起用しているのだから変身後も少しは原型を感じさせて欲しかったです。それからノートンとリヴが久方ぶりに再会し、雨の中で抱き合うシーンにキスがないのは物足りません。もちろん、そこには二人の誠実さや時間の隔たりがあるのでしょうが、物語に大きく影響を及ぼしているわけではないので、あれはキスがあった方がずっと感動的だったと思うのです。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-08-07 18:37:48) (良:3票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 実にストレートで、余計なドラマは一切排除した潔い作品でした。秀才エドワード・ノートンが全て脚本を書き直したという本作は、最近ヒーロー物にありがちな主人公がヒーローになるまでの苦悩、それを冒頭2、3分で終わらせちゃうところがすっきりしていて良いですね。ヒクソン・グレイシー(本人)から呼吸法を学んだり貧民街をピョンピョン跳んだりで、ハルクが出なくとも、なかなか面白く見せていました。中盤からのハルク大暴れも、カメラをガチャガチャ動かしたりせず、殴る!投げる!吠える!でしっかり楽しませて頂きました。他の映画では絶対言わなそうな必殺技?も思いっきり叫ばれると清々しい! ティム・ロス演じるブロンスキーも男らしく、いい味を出しておりました。 【Sgt.Angel】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-08-01 18:27:08) (良:3票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 ま、わっしょい映画ですからね。 でも加齢のせいか、動体視力がついていきませぬw それにしてもティムロスの ガラスのような眼と語り口はたまりません。 人形みたいです、悪口じゃなくて。 いろんな映画でも、なんか人間離れした作り物のような無機質感と 饒舌な雰囲気の語り口が好きなんです。 常人ならざるものみたいで怖魅力なのです。 【こっちゃん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-04-19 22:30:18) (良:1票) |
4.心拍数が上がってもやり続けてよ! 【たこちゅう】さん [地上波(吹替)] 7点(2012-01-05 22:55:23) (笑:1票) |
3.印象的な長廻しによって始まる、クライマックスのパニックシーンが、いいんだなあ。そうそう、こういうのが観たかったのよ、ワカッてるねえ、とうれしくなっちゃう。街のど真ん中でモンスターが暴れまわる、もうこれだけでワクワクしちゃうんだけど、ひょいと自動車をはねのけて見せる怪力ぶり(そしてその何気なさ)が、また楽しい。この手の映画、CGなのか実写なのか、もはや区別がつきかねるんだけど、少なくともこういった場面では、実写(だよね?多分)による破壊シーンで、しっかりと質感を感じさせてくれる。また、コケオドシのドアップばかりではなく、時にはモンスターをロングで遠方に小さく捉えて見せることで、これはこれでちょっとリアルなスケール感も生まれる。いやはやなかなかカッチョよいバトルシーンでありました(うれしくなったので、子供を呼んで、このシーンだけ見せてみた。反応は・・・聞かないで下さい、とほほ)。全体的には、雑な場面とか、独り合点のワケワカラン場面とかもあるんだけど、その辺は多少目をつぶるということで。 【鱗歌】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-01-04 16:37:03) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 エドワード・ノートンがアメコミ~!? よりにもよってハルク~!? ……て心配してましたが面白かったです! 悩むアメコミヒーローの姿がこれほど自然に思えたのは初めてかも。 変身したら持物は一切合切失くしてしまうし、カッコよくもスマートでもないし、 服はビリビリ、靴はズタズタ、ズボンは伸び伸び(笑) 恋人といいムードになっても心拍数上がってストップかかるし これは困るよねぇ……。 ノートン自身が華奢だから余計に気の毒。 でもズボンが伸びちゃって困る姿は妙にリアルで笑える。 というかけっこう笑いどころがありますねこの映画。 でもとにかくノートンのファンにとっては非常に嬉しい映画でした。 捨てられた子犬みたいな目をしたヒーローなんてご馳走様って感じですハイ。 だんだん緑色の怪物もラブリィに見えてくるから不思議(笑) だって比べてみて下さいな! ブロンスキー(ロス)のハルクなんて! 緑色じゃなくてゴラム(指輪物語)みたいな在り来たりな色だし! ハゲハゲ(緑ハルクはフサフサでサラサラ)だし! 背中にトゲみたいなのあってゴツゴツだし! ズボンも履かないなんて恥じらいなくて可愛くないわ! それにしても、自分で 「ハルク・スラ~ッシュ!!」 とか言うのってどうなんだろうか。 必殺技音読ってあんまり見ないよね。 ヘリコプターから落っこちながら色々考案したのだろうか。 あ、あと最後に日本版dvdでひとつだけ不満なところ。吹き替え見たけど吹き替え酷過ぎ。下手過ぎ。声優にはプロ希望! 【kiryu】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-27 22:20:16) (笑:1票) |
1.細かい説明を省いたシンプルなストーリー展開が、こういう映画には合っていると思います。細かい心理描写をした映画もいいですが、単純に見ているだけでびっくりしたり、意外な展開にワクワクする映画も必要です。この映画はまさに後者だと思います。驚いたのは、俳優達の演技の良さです。特にしばらくぶりに見たL・タイラーは良かったと思います。意外な驚きでした。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-08-29 20:30:18) (良:1票) |