11.《ネタバレ》 疲れてしまう映画なので体調のいいときにみないと辛いと思う。「全世界失明」となるのは(というよりそれがわかるのは)物語の終盤で、メインは初期に発症した人々が入れられた施設での話であった。リアリティがないという人がいるが、原因もわからず、どうやってかはわからないが接触者がどんどん感染していくあの状況では社会も医療も対応が追いつかずとりあえず隔離しておくというのはありえる話ではないだろうか。警備員たちも失明を恐れて内部に干渉せず、中が無秩序になるというのも実際に起こりそうだと思った。目が見えるからといって、それだけで武器を持った多数の目の見えない人に勝てるとは思えないだろう。数週間で人の生活と心がすさんでいくさまが僕個人にはリアルに感じた。真っ暗なシーン、真っ白なシーンも印象的だった。決して楽しい映画ではなく、当分また見たいとは思わないが、見ておいてよかった。 【HK】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-04 07:47:09) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 「全世界失明」という宣伝が監督のアイデアなのか知りませんが、人間の本質を描くのに、何故「失明」という課題を使ったのかイマイチ腑に落ちません。 設定は勿論、隔離された場所に持ち込まれた銃、盲人の悪者はどうやって敵と味方を判断しようというのか。部屋によって、善人と悪人が完全に分離されているなど、全て都合よく出来過ぎているんです。 食料の奪い合いも「女の体と引き換えに食料を貰い、互いの戦争を避ける」考え方をあっさり受け入れるなんて非現実的です。だって、少なくとも銃を持っている奴は盲人で、主人公は女性であれ、眼は見えているんですから何とかなるでしょうに。主人公が、映画のメッセージを伝えるために、ご都合よく動いているようにしか見えないんですよね。そこんとこは誰もがイラつくはず。仮に悪人のボスも目が見えていたら辻褄は合ったかもしれません。……よくわかりませんが。 でも、レイプしながら女性を殴り殺す男だけは現実的に見えました。沖縄や横須賀で日本人女性を笑いながらレイプする米軍兵士を思い出して下さい。私は日頃から、欧米人の二人に一人は、こういう奴だと思っています。 作り手は、人間の本性を「食」と「性」で描きたいのでしょうが、特に戦後の歴史を振り返ってみても、本作のような展開にはならないだろうと私は考えます。 実にリアリティのない人間ドラマです。かと言って「皆で力を合わせて頑張ろう!」みたいな話も私は大嫌いですが……。 その中で、老人と愛を誓い合った女性は、眼が見えるようになっても愛し合っていけるのか、皮肉を込めて「気になるところ」だと付け加えておきます。 主演のジュリアン・ムーアは肌が汚くても魅力的な女優です……けど「もうちょっと仕事選べよ!」って言ってやりたいです。 【クロエ】さん [DVD(吹替)] 4点(2009-05-02 04:41:33) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 人が人を殺すことって、そう簡単にできない。そのような訓練を受けているものなら別だろう。自分が屈辱的なことを受けても、仲間が死んでも、まだ鋏を持たなかった。しかし次の犠牲者達の声を聞き、同じようなことが起きたら・・・と思ったとき激しい殺意が起きる。火をつけた彼女も同じ思いだったのだろう。「目が見えなくなって(1人だけ見えて)どうなるんだ?」というストーリーよりも人間の原点を面白く見せてくれる映画だと思うと、受け取り方が違うのではなかろうか。冒頭の自動車を盗みそうでやっぱり盗んでいったとか、花瓶のことで日本人の夫婦が案外ドライな関係だとか、自動車泥棒が足が腐ってしまうとか、日本人の夫の思い出話を鬱陶しく思う妻とか・・・死体を食らう犬と人になつく犬とか・・・あげれば切りのない伏線がしっかりとまとまって、自分たち人間について考えてしまう良作品。ただ、ちょっと長いのが退屈か。(そうそう、人種(国籍)もめちゃくちゃいっぱい使ってるところもいいのかなって思う。人種も職業も年齢も思想も職業も貧富の差も関係なくブラインド・・・) 【蝉丸】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-04-26 23:24:13) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 隔離施設が不衛生だったり食料以外のサポートが全くなかったりして、こんな隔離ひどいなと思った。 挙句研究を破棄するとかありえなさすぎ。などいろいろと突っ込みどころが多い。
無法地帯で繰り広げられるシーンは無残で酷い。特に集団レイプのシーンはトラウマもの(見方によってはエロいだけだが)。正直その手前かもっと前かいっそ最初の部分で”戦争”起こしてしまえばいいのに。いくら女とはいえ目が見えるんだから楽勝だろ~って。このシーンで-2点ぐらいになった。 それにこの無法な状態のシーンが長すぎてイライラした(目が見える女の判断にも)し終盤が詰めこまれた感があった。
あと、おっぱいがかなり出てくる。佳乃さんのおっぱいはなかったけど、それ以外の女性陣は見せてた。男性器もはっきりではないが映った?ように見えた。
病気の症状に合わせて画面が白くなる演出とかみんな盲目になってしまうという設定はよかったのに、展開や絵がまずかった。 【ラスウェル】さん [DVD(字幕)] 3点(2009-04-21 00:44:27) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 なんだか案外チマチマした話。密室での長ったるい醜い人間たちの社会は、一人だけ目が見える時点で圧倒的有利なのに途中まで悪党のいいなりになりっぱなしってのが納得いかない。敵側に一人目が見えるヤツがいるって方が、スムーズに絶望的で面白かったのではないか。ともかく、そこらへんを差し引いても途中まで「es」にそっくりだが、「es」のがずっと怖いし面白い。 このまま密室劇で終わるのかと寝そうになっていると、後半やっと外に出られた解放感は大きく、スケールの大きいゾンビ映画みたいな絵面はちょっとワクワクさせられたのですが、そこから大きな展開もなくあっけなく終結。 白のごり押しの映像や、細かい演出は不安感を煽っていて独特なものがありましたが、設定を支えられる脚本になってなかったような気がしました。せめて、ラストぐらいもうちょっとちゃんと考えてくれ・・・。 監督の手腕には今後も期待してます。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-04-15 10:52:40) (良:1票) |
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6.《ネタバレ》 失明の原因が意味不明だから稚拙だろうか。設定のスケールが大きい割りに描かれるスケールが小さいから駄作だろうか。そんなことは問題ではないと思う。注がれるコーヒーの音と、突如現れるドアップのコーヒーカップ。それだけで視力が戻ったことを伝える技に脱帽した。それまで我々が見ていた映像は果たして本当に見えていたのか、見えていなかったのか。視力と共に、人は何を失うのか、何を保てるのか。徹底的に描こうとした姿勢を高く評価したい。満点とまではいかないが、斬新という意味で見事に成功した作品といえる一本。 【えいざっく】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-12-14 01:44:31) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 カンヌ映画祭で苦戦を強いられたという本作。たしかに、登場人物を突き放した視線で眺める演出は不愉快。しかし、僕はこの映画を大いに楽しむことができました。それはジュリアン・ムーアが非常に感情移入しやすい女優だったからです。この点は『フォーガットン』の監督、ジョセフ・ルーベンも同様の意見です。そのため、登場人物を突き放した演出手法なのにもかかわらず、僕はジュリアン・ムーアに感情移入することができ、上映中常にはらはらどきどきしていました。 僕がもっとも恐れていたのは「ジュリアンが失明する」ということです。この白の病の原因は不明で、ジュリアンが病気にかからないという保障はどこにもありません。だから、スーパーの暗闇で、スクリーンが真っ暗になった時、僕は尋常じゃない恐怖を覚えました。あぁ、ついにジュリアンも失明したのだ、と。 感情移入の対象が失明するのは、それが死ぬことよりも恐ろしいことです。別に感情移入の対象が死んでも、観客が死ぬわけではないのですが、感情移入の対象が失明したら、観客も失明します。少なくとも、映画はそれをする力がある。スクリーンに何も映さず真っ暗にするという演出方法など、映画は観客の視覚を操作できるのです。 だから、映画のラスト、伊勢谷友介が視力を回復した時の安心感といったらなかったです。本当に「重荷から解放された」といった感覚です。 しかし、このような「感情移入の対象が失明するかもしれない」という不安を与えるには、メイレスの突き放した演出は不適切だといます。〈追記〉やっぱり、これは傑作です。劇中ジュリアン・ムーアが失明することはありません。しかし、「ジュリアン・ムーアがいつ失明するか否か」という点が、やはりこの映画を引っ張るサスペンス要素になっています。スーパーの地下室及び、収容所で時計が止まった場面、加えてラストシーンの演出において、あたかもジュリアンが、視力を失ってしまったかのような演出がなされます。その度に、僕は「あぁ、ついにジュリアンも失明したのだ」と思いました。それは勿論、監督によるトリックであったわけです。その視力を奪われてしまうかもしれないという不安感が、「ブラインドネス」の醍醐味であり、最高スリリングな点です。だから、10点!映画観に来た観客を失明させようとする映画なんて、前代未聞! 【アイランド・ジョー】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-12-11 15:19:28) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 収容所のシーンなど、リアルティに欠けるというか、製作者が、意図的にその様に仕向けてて、観てて嫌気がさした。だけど我が家に着いたあたりから、この作品の本当の意味を感じれて、救われた。 【Yoshi】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-11-27 21:14:06) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 「アウトブレイク」のようなパニック映画を期待して行ったのに、むしろ「es」のような、ずいぶんこじんまりした心理映画だった。 映画の大部分が、閉ざされた空間の中で、秩序を守らない人が出てきて云々かんぬんという、お決まりのパターンだし。なんか外人ってこのテーマ好きだよねー。 ただ、このテーマは、基本的には秩序を守ろうとする日本人の気質に合わない気がする。登場人物の行動に共感がもてないから、見ててすごくイライラする。 宣伝にだまされた感が強くて、3点つけたいトコですが、2時間があまりにも退屈すぎたせいで、最後のオチがそれなりに際立って涙ぐんでしまったので、プラス1点。 【キッド】さん [映画館(字幕)] 4点(2008-11-25 09:16:21) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 全世界の人が突然失明したら、、隔離から始まって荒廃した街になるまでかなりのリアリティを感じる映画であると思いましたが、原因不明の感染による失明になったらこのような事が起こるだろうという考えられる予想を映像化しただけ。正直抑揚のないフラットな展開で鬱な気分が続く120分です。これなら主人公が見えなくてもほぼ同じ映画を撮れる、彼女だけが唯一見える事が映画であってエンターテイメントの部分であるハズなのに、そこを期待したが為に肩透かしであった。ただ「どうせ日本人もちょこっと出て日本での観客動員を稼ぐためだろう」と思っていたが最初から最後まで出ていてくれるとはやはり日本人としては嬉しいね。 【かのっさ】さん [映画館(字幕)] 5点(2008-11-24 18:28:14) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 原因不明の奇病に感染し続々と失明していく中、主人公はただ一人なぜか目が見える。失明した旦那の身を案じ収容所に隔離されるが、収容所はカオス状態で、力を持つものがすべてを牛耳り、食料を管理し代わりに金品を要求。金品が無くなれば女を欲する。女たちは意を決しなすがままにされるが、興奮した男に殴り殺される仲間も出てしまう。 全ての者が「見えない」中で拳銃一丁くらいでなにをビビるんだろうか?なぜ拳銃があるのかはおいておいて「物が見えない」人間の中で、主人公だけが持つ普通に「見える」という能力は神になれる強力すぎる力でしょ。見えていないフリをして身の回りの世話をして回るだけの主人公は犠牲者が出るまで抗う事もせずボケてんじゃないかと思いました。結局、失明の原因も主人公だけが失明しなかった理由もなく、人間の根源的な物を描きたいんだろうが、普段は善良そうな市民ヅラした人間が理性のタガが外れれば獣になり力がすべてだ、ってのは昔からあるありふれたネタだな。外界から遮断された空間や限られた世界では簡単に起こりうる話でオチが捻ってあるワケでも無くベタすぎだった。 全世界が失明したと分かるのは物語の半分以上過ぎた後半の方で、感染者が隔離された収容所での描写が大半をしめる。CMや予告で思わせぶりな事を言いますが、全く何もないので期待した人は肩透かしでしょうから注意。 【余談】なぜか伊勢谷友介と木村佳乃が日本語喋りまくりな結構大きな役で出てましたが、日本人の役者はドンドン世界に出て行って欲しいモンですね。野球はメジャーリーグに行く選手が多く、国内リーグのファンは寂しくなるだろうけど、役者なら映画やドラマで観る事が出来るしね。他のアジアの国の人が日本人として大っぴらに演じてるのを観る機会を減らして欲しいです。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 3点(2008-11-22 18:16:16) (良:1票) |