6.《ネタバレ》 この映画はただ単純に「まわりにいる全ての人間から視力を奪ったらどうなるか」だけを見せる。その原因を追究もしないしそこに至る恐怖も描かない。あまりに非人道的な収容所(病気の研究も何もなされないし、防護服の介護者もいない)が現実離れしていてついていけない所もあるんだけど、これも「人間から視力を奪ったらどうなるか」を分りやすく見せるための道具立てにすぎない。この徹底振りがいい。「見えない」というより「見られない」世界の凄まじきこと。そんな中でメッセージめいたものが散見される。収容所内のキングを名乗る男の食糧配給のルールはまさしく資本主義を劣悪にしたものだ。奪取する者とされる者という構図をもって資本主義批判をしている。またこの男をイメージだけで黒人呼ばわりしながら黒人を白人と勘違いしている男の描写は、目で見て判断することがいかにいいかげんなものかを語っているようでもある。たまたま聴いたラジオでのこの映画の案内で「登場人物に名前が無い」とあったが(たしかに無かった)、名前には人種やら出生のなんやかやが込められている場合があるので、「見えない」=「本質を見る」という構図を作り上げるには名前は邪魔だったのだろう。まあ、このメッセージのためのドラマを限られた尺の中で見せるには強引に感じるところもあるんだけど。一人を除いて皆聴力を頼りにしているせいかやたら音がガチャガチャと目立っていた。ついつい私も劇中、目を閉じてみようとしてしまったが、映画で目をつぶるのはおかしいということに辛うじて気付いてやめた。それほど音が印象付けられていた。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-11-25 12:12:27) (良:3票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 もう!ジュリアン・ムーアさっさと戦えよ!!何やってんだ!? と、まぁこんな感じでイライラしながら観ていました。 いくら大勢の男性がいても、唯一視力がある人間なら、それはもうスーパーマンですよね。 それが、何故か相手の要求を呑みまくりで…しかも結局はハサミでグサリ。 なら、最初から戦えよ!!と本当にフラストレーションが溜まりました。 でも、物語としては、なかなか面白かったです。 最終的にも視力回復・ハッピーエンドで、めでたしめでたし。 【かずまる】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2009-07-23 12:52:06) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 シャマラン監督の「ハプニング」と同じような作品かと思ったら、中盤から「es -エス-」のような展開に・・・。(笑) あのまま終わってたら、絶対つまらない映画になったと思う。でも、脱出してからの後半が面白かった。荒れた街の様子がゾンビ映画を彷彿とさせます。最後の結末もよかった! すごく面白い映画なんだけど、女性の登場人物達が悲惨な目に合うシーンが脳裏に焼きついてしまい、ちょっと不快でした。^^; 【たけたん】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-06-27 01:37:42) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 盲目となった事で人間の本性が見えやすく…ってな事を描きたいのだろう。 そうなると「女を出せ~」も「通常視力妻が居るのに、なぜか浮気」も省けないらしい。 「列から離れただけで銃声・射殺・パニック」も無理が有り過ぎ。 そういう場面を撮りたかったんだろうけど、拡声器使って「戻れ!こら!」で用が足りる。 「辻褄合わないけど“極限状態の集団・人間心理”って事で、ま、いっか」な甘さが見え隠れ。 盲目集団の中で可視の彼女は、いわば「超人」。点字が読める程度の話じゃない。 あれじゃ、なぜか戦わないスーパーマン。「何やってんの?じれってー」というストレスが拭えない。 事前に「虫も殺せない気弱女」だと描写しておけば、なんとかなったか?。 しかし、そもそも演じてるのが「強い女ジュリアン」だから、それも無理。 他のコメントにあったが、3階にも「見える男」が必要だったかも?。 不満点を並べても、つまらない。「自分だったら、どう行動しただろう」と考える良い題材になった。 どんな映画にも言える事だが、ストーリーに助けられて、自分の思考が「見え」て来るのが面白い。 最後に、木村佳乃。頑張ってたけど、あそこでカメラに目が合っちゃなー。 【じょるる】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-05-15 18:52:01) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 最初に想像していたのは世界規模で起こる病魔の原因と治療法を究明するパニック映画でした。 実際には大半が隔離された病棟での人間ドラマで、しかもその内容が重かったです。 この映画は目が見えない感染病が発生したら社会はあるいは世界はどうなるのか、 という事象を追っていくシミュレーション的な作品ではなく、 その特異な事態に遭遇したとき人は何を選択し、どう行動するのだろう、 ということを考えるバーチャル的な作品のような気がします。 目が見えないというのは相手の顔がわからないということであり、 この映画では名前ではなく職業(特徴)で人物があらわされていたりと、 インターネットの匿名性のようなものを感じさせます。 理性があれば、普通はレイプしようと考えません。 しかしお互いの顔が見えないとしたら、罪悪感が減少するかもしれません。 また銃などの力を手にしたら、欲望が暴走するかもしれません。 強制された場合に、自分の正義や尊厳をつらぬけるのか? もしかしたら簡単に崩壊してしまうのではないか、などと考えたりします。 面と向かっては言えない(言わない)ことも、ネットの書き込みでは書いてしまうように、 匿名性により人間の醜悪な部分が垣間見えることもあります。 映画ではそのリアルとバーチャルの中間的な状況を描こうとしたのかと想像します。 冒頭の病人を隔離して丸投げというのはありえないかなと思ってましたが、 世界で流行したインフルエンザのニュースの中で、 評判(自己利益か?)を優先し診療拒否をしていた病院があったのを思い出し、 あながちフィクションですまないのかもと思わされました。 【映かったー】さん [DVD(吹替)] 6点(2009-05-14 20:11:54) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 収容所のシーンなど、リアルティに欠けるというか、製作者が、意図的にその様に仕向けてて、観てて嫌気がさした。だけど我が家に着いたあたりから、この作品の本当の意味を感じれて、救われた。 【Yoshi】さん [映画館(字幕)] 6点(2008-11-27 21:14:06) (良:1票) |