28.《ネタバレ》 安易なドラマの映画化が多い中、こういう原作がしっかりしている映画こそ本来望ましい。ドラマの主人達は今回裏方に周り、主役は完全に堤真一と松雪泰子の「SABU映画」コンビが取って代わっている。実力派だけあって、終始演技に惹き込まれる。ドンデン返しも久々に騙された、何故態々死体を残すのか最初から不思議で仕方なかったが、アリバイづくりのために見ず知らずの者を殺害するという、無論許されないが実に人の心理の裏をかいたトリックである。ドラマも映画も満足出来たという稀な作品である、何よりジャニタレではなく福山雅治なのが良い。 【まさサイトー】さん [地上波(邦画)] 8点(2010-01-10 20:06:56) |
27.《ネタバレ》 原作未読。ドラマ版もある程度鑑賞済。月9でドラマの映画化というと、 ノリはそのままにストーリーを微妙にスケールアップさせ ギャグ要素等を増加させ、なんら面白みの無い・・いや、大多数の人間を ソコソコに楽しませようとする目論見を孕んだ エンターテイメント性に富んだ作品をイメージさせるが、それを裏切ってくれた。 愛は方程式では解けない。犯罪で得られる愛など存在しなかったのか。 しかし「献身」とは見返りを求めるものではない、単なる自己犠牲である。 エゴと表裏一体なのだ。そういう意味で石神は献身を体現している。 無関係な人物を巻き込むという点も含め そう突飛な動機でもなく、争点とも感じなかった。 非現実的な設定の中に、一人の不器用すぎる男の姿を垣間見た。 母娘の幸せを思えば、自身が刑務所へ行くことも絶望ではない。 その願い、完璧な計画は靖子の告白によって脆くも崩れた。 共に罪を背負う、償うという思いは石神に通じたのだろうか。 一方的な愛ではあるが、自らを犠牲とした男は愛されることを知らなかった。 石神は嘆き涙した、それは彼女が彼の思いに応えたとも言える瞬間でもある。 そこで話自体は完結するので、その後を切って観客を突き放してもよかった。 少々説明が足りないシーンも見られるが楽しめた。 【HIGEニズム】さん [地上波(邦画)] 8点(2010-01-07 00:19:19) |
26.《ネタバレ》 TVシリーズ→TV版X→小説版Xを経てのレビューです。 偽富樫を警察が富樫と誤断した背景・裏付けの描写が弱く、言いたいことは分かるけど、どうも釈然としない。 石神の緻密な計画には、いくつかの偶然があって、初めて成立したトリックという感が否めない。 偽富樫が扇屋に入ったときはフロントに「外出中」の張り紙がしてあり、顔を見ておらず富樫と偽富樫の区別がつかなかったとか・・・ とはいえ素直に見れば非常に良くできたストーリー。 堤真一、松雪泰子の演技が素晴らしかった。 ダンカンはちょっとイメージが違った。私の中では板尾創路に決定。 万が一に備え、ストーカーを演じ、自分だけ捕まる計画までしていた石神の気持ちがやりきれない。 石神がこの計画を成立させるためには、靖子に対してもストーカー的恐怖心を与えたまま、捕まれば良かった。 けど、石神は茶封筒の形で自分の気持・愛情と言う要素を組み込んでしまった、人生で最初で最後のラブレターのつもりだったのかもしれない、伝えられずにはいられなかったのだろう。 おそらくこの茶封筒が無ければ、たとえ湯川に真実を知らされようとも、靖子が自首することはなかったのではないだろうか。 結局、花岡親子の幸せな生活を想像しながら、刑務所で好きな数学と向き合って後世を過ごす、最悪だけど石神が望んでいた結末にはならなかった。 原作では、靖子の子供の自殺未遂まで描かれている。献身的愛の代償は、あまりにも悲しく切ない。 【Luckyo】さん [地上波(邦画)] 8点(2010-01-06 12:42:49) |
25.原作既読ですが、十分に楽しめました。ただ、柴崎コウと品川祐だけが余分です。 【クロ】さん [地上波(邦画)] 8点(2009-12-30 21:50:30) |
24.《ネタバレ》 とにかくおもしろい。人の心や愛という、式で表せないモノがテーマになっていました。非常によくできています。 【lalala】さん [地上波(邦画)] 8点(2009-12-29 23:43:41) |
23.《ネタバレ》 おもしろい。堤真一の演技力に動揺した。しかし、一点だけ湯川博士に言いたいことがある。「この事件の真相を僕が明らかにしてもだれも幸せにならない」と福山雅治は言う。「それでいいんですか」と柴崎コウがたずねる。そこで湯川博士に聞いてみたい。起きた事実を明らかにするということは、科学的精神に基づけば当然の営みであろう。しかし、「実際に殺人を犯した人を、法律にのっとって裁かなければならない」という考え方は科学的精神に基づく言明であろうか。そうではないであろう。なぜなら、法律は科学的な根拠のもとに成り立つものではないからである。したがって、福山雅治演じる湯川博士が「本当の科学者」であるならば、「この事件の真相を理解した」時点で自己満足していればいいのであって、わざわざ関係者に真実を告げる必要などない。湯川博士の言葉は、「真実を明らかにすることでだれも幸せにならない」ではなくて、「僕は真実を知っている。それだけでいい」であるべきだったのではないか。その意味で、僕は湯川博士が本当には科学者ではないと思うのである。 |
22.原作の良さを損なわずうまく映画化されている。シリアス。 【Yu】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-27 00:48:23) |
21.実に面白い。 久し振りに本格的なミステリー作品を見たような気がする。 トリック自体は意外と稚拙で、序盤で推測可能ではあったけど、論理的に構築された計画を紐解いていく過程を楽しむという意味では非常に楽しめた。 捜査側の登場人物の背景はドラマで紹介済みなので、この作品では容疑者側の背景が丁寧に描写されているのが良かった。 ドラマでお馴染みのコミカルな演出も封印されて、重厚でシリアスな構成にしているのも正解だったように思う。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-12-13 06:06:14) |
20.《ネタバレ》 堤真一、やりきりましたねえ!ベストセラーである原作を読んだ観客に、自分の「石神」をどう認めさせるか、思い切り悩んだはずですよ。泣き崩れるシーンで終わって欲しかったなあ。最後の2分は、いらなかったと思いますよ。なんか、無理にTVドラマの方によりそおうとしている感じです。この作品は、それとはあきらかに別物。監督は冒頭の実験シーンから、観客に主人公は「湯川」と見せかけておいて、本当は「石神」という「引っかけ問題」を仕組んでたんですから。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-09-15 23:32:26) |
19.《ネタバレ》 原作既読。石神はドランクドラゴン塚地のイメージで確定してたので堤真一ではいくらなんでも男前すぎるやろ、どうかなーと思ってましたが、意外にもそう気になりませんでした。ただ、ダンカンはどうかと。出番は少ないながら一目で安心感のある役者を使うべきだった。原作にほぼ忠実に過不足なく良い出来栄えだったと思います。湯川は完全に脇役であるのをどうするのかと不安でしたがうまく処理してました。 【SAS30】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-08-31 14:36:20) |
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18.原作完読後、余韻冷めやらぬまま翌日鑑賞。原作をほぼ踏襲しており、余韻をぶっ壊されずに見れました。ベストセラーの映画化で、これまでに失敗と言われる作品は多々あったと思いますが、本作は成功の部類に入るでしょう(あ々、「模倣犯」…)。石神が某所で天井を見つめながら「四色問題」を想像している表情が何とも幸せそうで印象的でした。 【tonao】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-27 11:42:04) |
17.《ネタバレ》 面白かったです。 やはり、堤さんはいい演技をしますね~。 最期の嗚咽シーンでは、色々と想像して、ウルルとなってしまいました。 原作では、石神や靖子の心理を細かく理解できるので、本作が気に入った方は、原作を読むのもお勧めです。
【かずまる】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-08-17 17:53:11) |
16.《ネタバレ》 最初に観はじめた時、これってパトリス・ルコントの「仕立て屋の恋」じゃないかとちょっと醒めてしまったのですが、さすがに東野圭吾原作だけあってもう一捻りありました。なんだかそっちの方にうなってしまいました。原作、読みたいです。堤真一は本当に力量のある俳優ですね。こんなに冴えないさびしい男を演じられるなんて想像できなかった。主要人物の登場シーンが少ないけれども、映画としては完成されていると思います。堤真一の演技に+1で。 【はちかつぎひめ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-08-11 17:56:48) |
15.《ネタバレ》 TVドラマでガリレオが始まった時に、容疑者Xの劇場版の伏線か、と勘ぐりましたがやっぱりそうでしたね。 原作を読んでいた僕としては、確かに原作は素晴らしが、あれをどうやっても地味~な話にしかならないんじゃ!?っと不安に思っていました。 必死に終盤とかで、山登りにいって置いてきぼりにしちゃうぞ(*´з`*)ってサスペンス要素を入れてましたが、それでもやっぱり地味ですよね(゚∀゚) 映画としては当然話はよくできているので良かったのですが、悲しい話で見終わった後の爽快感とはありませんでした。 【六爺】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-02 01:16:41) |
14.《ネタバレ》 ドラマが好きなのでちょっと贔屓目に見てしまったかもしれないけど、ストーリー、内容、非常に良かった。 久々に感動した邦画。
できれば、ドラマのように理屈っぽい男と、女の感情のぶつかりみたいなものを少し入れて欲しかった。 【チェブ大王】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-07-26 19:03:40) |
13.《ネタバレ》 TVシリーズも好きで見ていましたが、TVシリーズとはちょっと違う感じですが、 面白かったです。 トリックは、若干アンフェアな感じもしなくはないですが、よく出来ていると思います。 それよりも、いろいろな形の「愛」の人間ドラマが良かったですね。 見終わった後は、「切なさ」が残るのですが、それはけっして「救いようが無い」 ものでは無いので、嫌な感じは残らないです。 【MARTAN】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-07-20 14:47:34) |
12.案外、考えさせられる映画でよかったです。 【アフロ】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-06-17 03:07:39) |
11.この監督、上手いですね~ 演出、編集、なかなかすばらしい~ 「私は貝になりたい」を観た後だけに(同じテレビ出身の監督でも)、差は歴然.. ただ本作、ストーリー自体シブくて良いのですが、何せ最初っから最後までず~っと暗いので、エンターテインメントとしては不評を買うこと必至ではないでしょうか..次回作を期待してます... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-06-08 15:13:22) |
10.《ネタバレ》 原作既読です。正直、意外なくらいおもしろかった。全体をほぼ原作に忠実に再現しており、主役はしっかり堤さん(石神)だったと思う。原作を読んでいるため、いくつかあるポイントでどれぐらい惹きつけられるか、だまされるかが初見の人と同じようには見られなかったように思うが、原作を見た人でもがっかりすることなく見れるのではないだろうか。堤さんは特によかった。キャストだけ見た時は男前すぎると感じたが、劇中にそれを感じさせることはなく、最後は胸がしめつけられた。 不満を言うなら、もう少し石神の背景を詳しく描いてもいいようには感じた。 また、二人が驚くべき天才だと感じさせる力が少し弱いように思う。 エンディングにだらだらとその後の捜査を映す意味は感じなかった。 【コショリン】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-05-20 01:52:47) |
9.《ネタバレ》 素晴らしい良い出来の映画でした。ただラストが弱い印象。原作では花岡靖子に真相を伝えるシーンが一つの山場だと思うけど、それが全カットってのは残念でした。娘の自殺未遂もないし、花岡自首までの流れが空白になってしまった感があります。何しろ真相を聞くまでは石神にすべてを押しつける気でいたんですから。柴崎コウの出番が少なめだったのは、映画を落ち着かせる意味で良かったです。 【クレイバード】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-05-06 16:09:22) |