6.《ネタバレ》 これねえ、きっと若い人にはわからない映画だと思う。 例えばベンジャミンが、子どもと妻の元を離れたのにもう一回帰ってくる場面。 なぜだかわからないひとがいっぱいじゃないでしょうか。気まぐれ?みたいな。 でも違うんですよねえ・・・うわ~!今思い出しても悲しすぎる。 私は、強烈にわかりすぎて、残酷だなあ・・・と思ってしまいました。 自分の老いとか寿命とかね、頭じゃなくて、今・・徐々に「体感」しつつある人。 そのような人がみるとものすごい映画だと思うでしょう。私も含めてなんだけど。 今この年で見られて幸せというかなんというか。。。今より10年、いや5年若くてもこの映画の良さは わからなかっただろうなとしみじみ。でもわかってよかったのか?微妙。 それはやはり自分が老いを感じてるからなんです。頭じゃなく、身体で。 私はあと何年生きて、なにができるだろう。もう恋をすることも誰からも恋 されることもないかな・・・。 ふとこんなことを思ったことがあるひとは見てください。万人には勧めません。
10点つけたいとこなんだけど、あえていうと音楽が弱い。 これだけが不満。 【うさぎ】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-02-09 00:31:54) (良:3票) |
5.《ネタバレ》 一人の人間の人生をまるごと見守るような作品。 設定の奇妙さとは裏腹にベンジャミンの人生は波乱万丈であれ、一般人となんら変わらないのがおもしろい。奇妙な設定が飽きがこないスパイスになっていて、長さは全く感じさせなかった。もっともっとベンジャミンの人生を見てみたいと思った。号泣ではないが見た後にじんわりと胸に温かさが残る映画でした。 【大きな魚】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-05-03 04:49:44) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 彼らは永遠を求めた。 そして、それを見つけた、、、のだろうか? 海と解け合う太陽を胸に刻んだのだろうか?
この物語はファンタジーであり、寓話である。2人の男女が同じように年を経るのではなく、男は80歳から老いを逆行し、若年化する過程で女の時間に自らの年齢を重ねていく。2人は共に40歳代という人生の中間地点で、ようやくお互いを真っ当に愛し合えるようになる。それは短いが故に密度の濃い時間の流れであった。その後、ベンジャミンとデイジーは別離という運命を受け入れる。
ベンジャミンの物語をひとつの人生として考えれば普通と変わらないのではないか、という見方があるが、デイジーという常に身近に感じる他人の人生と重ねあわせると、やはり若返りという逆向きの人生というのは特異であると言わざるを得ないだろう。それは、ベンジャミンとデイジーの年輪の重なりにこそ、恋愛によって輝いている時間が短いというある種の人生訓的な観念を想起させる。 しかし、ベンジャミンとデイジーにとって、それは現実以外の何ものでもなかった。だから彼らは40代前半で意図的に出会い、愛し合い、別れる。そして、そこに永遠を確信する。 ベンジャミンとデイジーは「終わり」を現実として認識していた。長い人生があり、お互いが愛し合える短い時間がそこにしかないということを。。。恋愛について意図的であるということは、自らの人生に対して鳥瞰的であり、「私」を超えて、第三者的であることを意味する。この映画がファンタジーでありながら、本格小説の如き重みを備えるのはその視点故だと思う。 普段、僕らは人生が限定的であることを知ってはいても、そのことを意識から遠ざけて生きている。時の流れがあり、それに身を任せることにより、永遠という時間は常に遠ざかっている。
ベンジャミンとデイジーは永遠を確信する。 永遠はその瞬間にあり、瞬間は永遠に引き延ばされるから。 【onomichi】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-03-18 20:16:51) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 この映画の本当の主役は、あの雷に7回打たれたおじいちゃんですね。ハリケーンが近付く病院の一室から始まるこの映画は、人生を空模様によって表現しています。ほら、全編、空が印象的に描かれてるでしょ? 一定ではなくって絶えず変化していて、同じようでも実は全く同じ天気なんて一度だってない、人の一生もまた空と同様、激しく変化もするし、一人として同じ人生なんてない。ベンジャミンの特異に思える人生もまた、その一つのバリエーションでしかなくって、一人で生まれて一人で死んでゆく人間って孤独な存在が、他の孤独な存在と交わってゆくことで、この世界が織り成されてゆくんだよって、そんな映画。人生なんて空模様と同じ。だから、7回雷に打たれて、それでもずーっと生きてるあのおじいちゃんこそがこの映画のシンボル。ホントは映画の中では6回しか打たれてなかったりしますが、きっとあと1回はワザと残してあるんでしょう。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-02-19 17:16:34) (良:1票) |
2.なぜか映画をみているあいだ何回も涙が流れてきた。特別に山がある映画でもなく淡々と話は進むけど、3時間弱の長さの映画をまったく退屈することなく描くデビットフィンチャーの力量に改めて感心した。 しかし特別泣かせるような演出もないのにラストは涙が止まらなかったのはなぜだろう。それを再確認するために再見したいがこの映画は数年後にもう一回みたほうがまた別の感動を得られるような気がする。 【まつけん】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-02-16 23:51:36) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 一人の男性の人生が淡々と語られるだけ。それだけなのに、こんなにも豊かな感情を与えてくれる映画とは。人生が交差していくさまが切なくも面白い。ブラピとケイトの若返りは見事。そして、このシーンを見せるための3時間なのかと思うくらい、ベンジャミンの最期が劇中で一番強烈。人間に老いや死があるからこそ、人生における価値を見出せる。「どう死ぬのか」は「どう生きるか」であることをベンジャミンが教えてくれます。 【餅】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-02-09 02:01:28) (良:1票) |