14.「何ぃ?。アカデミー賞狙いのどこが悪い!オスカー欲しくない監督がいるんなら顔見てみたいね。だいたい、狙って取れるような賞じゃないぞ、あの賞は。」「まあまあ、そうムキにならずに落ち着いて下さい。別に、あなたの事を言っているわけではありませんよ、スコセッシさん。」 【パセリセージ】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2004-03-24 23:46:01) (良:3票)(笑:1票) |
13.スピルバーグの第2のデビュー作とでも呼びたくなる、渾身の力作。本当に撮りたい映画を、本当に撮りたいように撮る(あるいは「撮らなければならないように」撮る)。熟練の映画人が集まり、新人のごとき意気込みで撮る。そんな時に、こんな映画が生まれるのでしょう。主人公は、一見何ということもない商売人、オスカー・シンドラー。しかしこの映画には、真の主人公が別にいて、それは数多くのユダヤ人たち。いや、そのユダヤ人の“数”というものこそが、本当の主人公のように、我々を圧倒します。その2つの“主人公”の交差が、この映画のドラマであります。この映画には、山と積まれたナベ、略奪された品、散らばる鞄など、数を象徴するものが色々登場します。顔写真の山。そして、連行される生身の人間たち。死体。これに対し、後半、シンドラーが救おうとするユダヤ人もまた、1100人いう数字で表現される。そしてその上での「あと10人、いやあと1人が救えなかった」という重い事実が、シンドラーに、映画全体にのしかかります。この映画、モノクロ作品ですが、パートカラーの効果がまさに圧倒的。高みから町を見下ろすシンドラーの視線の、その遠い先に、赤い服の少女が映された瞬間、その生々しさに、鳥肌が立ち、涙が出ました。このパートカラーの意味は映画後半で明らかになるのですが、それを抜きにして、印象に強く残るシーンでした。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2008-08-23 14:42:46) (良:3票) |
12.ナチスによるホロコーストを描いたものとしては現在最上の作品ではないでしょうか。この作品の前では他の作品の描写のなんと生ぬるい事でしょう。あたかも記録フィルムをつなげたようなモノクロの映像から伝わるリアリティはカラーで撮影された他の同種テーマの作品の方が嘘っぽく見えてしまう程の実在感があります。この、リアリティを追求するために敢えてモノクロで撮影するという発想自体が常人離れしていますが、実際に映像にこれだけの説得力を持たせられたという事実は賞賛に値すると思います。後世同種のテーマを扱った「戦○のピ○ニスト」という作品も作られましたが本作の前ではどうしても見劣りがします。ポ○ン○キーの実体験でさえスピルバーグのイマジネーションの前にかすんでしまったという事でしょうか。後半の展開が偽善的過ぎるとか明らかな賞狙いだとか散々批判されましたが、例えフィクションを交えてるとはいえホロコーストの本質を正面からこれだけ描こうとした意気込みは評価されてよいと思います。実際下手な記録映画を見せるくらいならこの映画を見せた方がよっぽど戦争の残酷さが体感できる筈。監督への好き嫌いはこの際横に置いて、一人でも多くの人に見てもらいたい1本。 【MEL】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-05-07 03:20:45) (良:2票)(笑:1票) |
11.《ネタバレ》 今まで俺はスピルバーグ作品を本当にたくさん観てきた。時には「ジュラシック・パーク」や「インディ・ジョーンズ」などのシリーズでワクワクさせてくれて、「ジョーズ」や「プライベート・ライアン」では自然・戦争の恐怖を教えてくれた。この「シンドラーのリスト」は、これらでは後者のほうに当たるが、映画自体はそれまでのスピルバーグ作品の風習とは全く違っていた。ほぼ全編モノクロで当時の実写映像を見ているかのような感じでリアルさがより伝わってくる。この手法は大正解だったと思う。ユダヤ人虐殺を題材にした映画は、俺はこれまで「戦場のピアニスト」しか観た事は無かった。勿論あの映画も非常に良い仕上がりで衝撃も高かったんだがこの映画での衝撃はそれを超える。特に「赤いコートを着た少女」。モノクロの映像の中で1人カラーで逃げ回る彼女が後に死体焼却の場面で死体となって現れる姿を見て、普通の全編カラーで観る時よりも遥かにショックが高かった。あの所長のアーモン・ゲートだが、劇中で彼がやっている事は決して大袈裟な表現ではなく全て事実。暇つぶしとして気に障るユダヤ人を次々と撃ち殺すと言う信じられないような行為も平気で行う姿には、当時のユダヤ人の人権がどれだけ無視されてきたのかが痛烈に感じ取れた。俺も含めて誰もがシンドラーの行動は正義の行動と思われていたが、ラストで彼が「もっと多くの人を救えたはず」と叫び泣き崩れるシーンには、「自分のした事を決して偉いとは称えず、自分がもっと早く行動を起こしていれば更に多くの人が助かるはずだった」と自らを責める姿勢に心を揺さぶられ、俺自身も涙が出た。最後にシンドラーの墓を大勢の生存者が参拝するシーンを見て、このユダヤ人虐殺は何百年も前の事ではなく、本当に最近起きた出来事なんだと改めて感じた。この事件を風化させまいとノーギャラでこの映画を製作したスピルバーグの不屈の精神に敬意を表して10点を捧げます。 |
10.人類史上指折りの悪行を描くのにお涙頂戴のシーンを入れてエンタメとして描くとは何事か?という批判は無視できないと思う。不必要にハラハラさせて安っぽくて不謹慎というのもあながち間違いではないかもしれない。賞狙いの意図や技巧的な部分のあざとさを感じ取れないこともない。でも、私は学生の頃、本作を観て映画館で泣いた。シンドラーが列車に水をかける行為にすらジーンとした。そのことで今でも私は恥ずかしいとは思っていない。単純なバカと思われても結構だ。本作は監督の出自からして、己の信念とアイデンティティをかけて作った映画であるに違いない。感情的に作った映画だろう。そこに不誠実な所は感じられない。スピルバーグのカメラは登場人物目線で、まるでその場で見ているかのような、いわば現実以上の臨場感、リアリティを映し出す。本当に撮りたいものをエンタメ畑で鍛え上げられた腕で撮った彼によらなければこんな心のこもった映像作品は作れないだろう。思うに、本作を貶める一方で客観的であるかのようにみえる冷静で多角的なドキュメンタリーを過大評価すべきではない。「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問いに論理的に答えるのは不可能だが、この映画は個人の尊厳を踏みにじる行為が悪であるのは間違いないと理屈抜きに観客に確信させる。虐殺や人種差別の悪逆非道を憎む当然の感情を呼び起こし、その正当性を確認する。本作が偽善ならば偽善のどこが悪いのだろう?。この映画の力の前で偽善と言うのは空しいと思う。 その衝撃と強度によって芸術は倫理を支える力があると私は信じる。 【しったか偽善者】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-08-27 19:21:21) (良:2票) |
9.誰がなんと言おうとこれだけの作品を作ってしまうスピルバーグ監督は天才だ。この撮影当時は「ジュラシックパーク」の撮影と同時進行して撮っていたというから信じられない。あえてモノクロにして、この当時のナチの言葉にできぬほどの非道行為をドキュメンタリーのように描いて見せる。戦争地域以外で誰もこんな現場を知ることはできないが、映画を見ることで多くの人がこの狂気を目の当たりにして嫌悪し、おぞましく思い、二度と繰り返してはならないとの思いを強くするだろう。シンドラーという一人の人間を通して奇跡的に救われたユダヤ人、救われなかったその何千倍ものユダヤ人、監督自身がユダヤ人であることでこの時代を記憶にとどめるべく渾身の思いを込めた映像に心から感動した。あの印象的な赤いコートの女の子は実在の人物で実話、他にも登場する子供の話は実話で、当人が撮影風景を見てそのままだと言ったそうだからエピソードの数々は限りなく真実に近いものがあるのだろう。最後に生き残った人たちがシンドラーの墓に俳優と共に石を置いていくシーンに涙が止まらなかった。今頃レビューを書いたので「戦場のピアニスト」を見るまでは、戦後ではこれが最高のナチ・ユダヤものだった。ポランスキー監督の作品は一人のユダヤ人の視点から見たもので、これも本作以上に監督の執念が伝わって圧巻だった。 【キリコ】さん 10点(2003-12-21 17:14:00) (良:2票) |
8.《ネタバレ》 ナチスの残虐さについては非難されるべきはナチスであり、この映画に非ず。 モノクロームで仕上げられているから観ていられたが、カラーだったら最後まで観ることは難しかった。モノクロームは残虐な行為を直視できるようにかけられたフィルターだ。 最初は純粋な営利からかかわりだしたユダヤ人を最後は私財を投げ打って助けようとするシンドラーの心理の変化を巧妙に描いている良作。最後の「この車であと10人助けられた」のシーンは、シンドラーの本心からくる叫びであったに違いない。 映画をただの娯楽と捉える向きには到底受け入れられない作品であろうと思われるが、この映画をドキュメンタリーと捉えれば、ナチス統制下の狂乱の時代の中で一人でも多くを助け出そうとしたシンドラーの行いを装飾なく描いた本作品に非の打ちどころはなく、10点を献上するほかない。 【たるだ】さん [DVD(字幕)] 10点(2013-11-03 17:33:20) (良:1票) |
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7.《ネタバレ》 お涙頂戴映画で何が悪い?ホロコーストという現実をここまで正面切って描いた作品が他にあるだろうか?ユダヤ人大虐殺を知らない世代も多い現代(たった60年ちょっと前のことなのに)、この映画の価値は計り知れない。そして、そんな極限状況でも人間らしさを失わずに生きていた人々と、彼らを救おうと尽力する男がいたことを忘れてはならない。映画的な脚色は随所にされているが、600万人のユダヤ人が殺戮されたことと、「命のリスト」によって1100人のユダヤ人の命が救われたことは厳然たる事実なのだ。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-04-08 07:02:06) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 3度目の正直で見た映画。実を言うと2度ほど借りたのだが、忙しさ&長編映画という事で見れなかったのである。で、やっとこさ見たのですが、本当に良かった。感動しました。3時間という長さも全く感じなかったし、話のテンポもとても良かったです。ユダヤ人虐殺は歴史上有名な話なので、悲惨なシーンに対しては感覚が麻痺していたところもあったけど、それ以上にこれが実話に基づいた話だったことに感銘を受けました。シンドラーが千人の人を救っているのに10人の人を救えなかった事に対して悔やみ涙するシーンは胸が熱くなりました。シンドラーの民の子孫が現在6000人になっており、さらに今後数万人に膨れていく事を考えると・・・凄いですね。正味な話、マイ・ベスト3には入りそうです。おすすめ映画です☆ 【諸星わたる】さん 10点(2004-10-06 02:50:35) (良:1票) |
5.長い映画だが、シンドラーの心境の変化を自然な形でえがこうとするならこれくらい時間をかけるのはしょうがないことだと思う。これを2時間の作品で見せていたら、とてつもない駄作になっていたかもしれない。初めは戦争で一儲けするためのあくまでも道具に過ぎなかったユダヤ人を、血の通った人間として理解していく、これを見事に表現していたと思います。また、ユダヤ人役の俳優達。少ないセリフにもかかわらず、生身の人間を、そして人間と扱われない悲惨さを、表情で見事に演じきってくれました。頭を打ちぬかれる瞬間まで、魂のこもった演技だったと思います。死体の一つ一つにも。あの赤いコートの女の子、あのコートは母親が娘に似合うようにと買ったのかな?女の子もお気に入りの服で、家族で外出するときにはあれを着てあの娘なりのおしゃれを楽しんでいたのかもしれない、などと思ってしまいました。さて、日本。日本には杉浦千畝という人がいました。そして他国の人民も大量に虐殺し、自国の人民も大量に虐殺されました。生き残る1億2千万人の未来のために、文化の担い手である映画人達が、今後どのようなメッセージをたたきつけてくれるか。日本人の良心、愛が問われる番ですね。そして私達。この作品をプロパガンダ映画だという評価にしてしまうかそうでないかは、このような出来事は、加害者であれ被害者であれ、だれにでも起こることだという認識を持てるかどうかにかかっていると思います。 【神谷玄次郎】さん 10点(2004-01-25 17:10:45) (良:1票) |
4.ドキュメンタリーも一緒に見たが、私がシンドラーに共感したのはこの男は決して善意でユダヤ人を助けたのではないという事。彼はナチが嫌いだったのだそして工場労働者にするためとナチの民族浄化制作に反発する為にユダヤ人を助けた。戦後彼は言っている「私はただ人間として当然の事をしただけにすぎない」そう彼は憎しみの為にナチと戦った。結果資材を投げ打ってまで・・・それが多くの人を救う。お膳立ての正義や博愛のチャリティコンサートなど足元にも及ばない結果による救命行為。嫌いが故の闘争・・・。成る程、抗う事の大切さを学んだ一作。 【OAM】さん 10点(2002-12-12 00:15:51) (良:1票) |
3.指輪を渡すシーンで小泣き。続くこの車で・・・という絶叫シーンで大泣き。映画館で周囲を憚らず、素直に涙をこぼせた映画は、あまり経験がない。 【トリサカ】さん 10点(2001-06-14 02:00:25) (良:1票) |
2.初めて見たときはほんと衝撃的だった人間一人一人の命の尊さ、重さを感じたし、ユダヤ人が虫けらのように殺されていく様子なんかは見てて怒りが込み上げてそれでも人間かー!って叫びたくなる、だけどこうした行いはナチに限らず僕らも身近で動物を殺して食べたり数え切れないほど悪いことをしてる、そういうことをしている僕ら現代人をナチに置き換えて描いたのではと思いました、今まで見た中では問答無用の最高傑作です。 【トモヤ】さん 10点(2001-04-19 21:04:05) (良:1票) |
1.アカデミー狙い?いやいや原作を忠実に映画化した最高傑作です! 【イマジン】さん 10点(2001-01-26 22:28:48) (良:1票) |