6.見る前の予想よりは面白かったし、ストーリー自体はそんなに悪くないと思うのだが、「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」と比べるとどうしても落ちる感じがする。前の2本では予告編では一見、CGなど見た目の派手さが売りの映画に見えて、実際はドラマとしてのみごたえがそれ以上にある映画になっていたが、本作はCGを多用した中島哲也監督の絵作りのうまさは相変わらずだが、ドラマとしての作り込みが弱いので本当にCGだけが見どころの映画に見えてしまい、失敗作のように思えてしまう。前の2本が良かったのはちゃんと登場人物(主人公)に感情移入できるような脚本になっていたからだと思うのだが、この映画ではときおりグッと来るような場面はあるが、登場人物にイマイチ感情移入できず、見ている側(自分)はひたすら傍観者状態。(「嫌われ松子の一生」で序盤から川尻松子に感情移入してたのとは正反対。)演じている俳優陣は楽しそうに演じていて演技も安心して見ていられるが、メイクが凄すぎるせいか、竜ヶ崎桃子は深田恭子でなければ、川尻松子は中谷美紀でなければというような絶対この役はこの人でなければというのが無く、その上、俳優の個性というものが死んでる(全員とは言わないが。)気がして、なんか勿体無く、それが登場人物への感情移入を妨げる要因になっているのではないか。「下妻物語」なんかは出演者全員がはまり役で、それぞれの個性をよく活かしていただけにこのあたりは残念。ラストもなにか強引に感じる。中島監督はこの映画を息抜きのつもりで作ったのかもしれないが、この監督にはもっと中身で勝負する映画を作ってもらいたい。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-08-26 14:00:27) (良:4票) |
5.中島監督の前作『嫌われ松子の一生』のテイストを色濃く継承している本作。CGを多用したエフェクトも、色彩豊かな背景も、一見してパワーアップしています。見た目は華やか。でも作品としての力強さは前作に遠く及ばないと感じました。何故か。それは“人を描くこと”が不十分だからです。奇抜な衣装を纏い、どキツイメイクを施した“誰かさん”が、なにやら喋っている。そんな印象。パコ以外の人たちが、どんな表情をしていたのか思い出せません。顔は心を映し出す鏡。役者の表情をきちんとカメラが捉えなければ、どんな熱演をしても報われない。特にヒドかったのが小池栄子。牙と眼鏡で表情を殺しておいて、一体彼女にどんな演技をしろというのでしょう。本作の人物造形は舞台仕様だと思います。後列の客席まで役者の感情を届けるためには、衣装やメイクで情報を単純化するのは有効な手段です。でも映画はお客全員が特等席。舞台と同じ遣り方では大雑把過ぎます。繊細な感情を伝えられる映画の強みを活かさなければ、映画である意味がありません。しかも本作はピント外れな方向に力を注いでしまった。前作が素晴らしかったのは、中谷美紀演ずる松子の想いが、観客の胸に届いたからです。CGの装飾に観客は涙した訳ではありません。監督は其処を見誤ったのではないかと。ケーキの価値は、デコレーションの豪華さにあらず。スポンジ部分の旨さで決まる。監督には役者の技量を信じて欲しかった。幸いな事に、本作の演者はみな芸達者でした。手足を縛られた状態でもいい仕事をしてくれています。それなりの感動が味わえるのは、彼らの頑張りのお陰だと思います。正直、本作は失敗作だったと思う。監督にとって痛恨の一作ではないか。ただし、実写とCGキャラクターの融合を図った試みは評価したいです。次作での軌道修正を期待します。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-03-08 19:47:52) (良:3票) |
4.全編にわたり本当~に無駄~に騒がしい。ちょっと落ち着けと言いたくなった。中島監督の個性ではあるが、今回は許容範囲を超えている。CGは多用しすぎ・場面転換せっかち過ぎだし、登場人物も地顔が分からないほどのメイクのうえ、台詞が多いわりに意味のあることを大して話さない。ストーリーはといえば薄っぺらの一言。下妻物語も嫌われ松子も大好きだが、これは二度と観る気にならない。疲れた。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 3点(2010-10-26 21:27:24) (良:2票) |
3.前作前々作では、テクニックと物語とがお互いを引き立て合って成功していたが、今回はテクニックが物語を圧倒し、監督独自の世界ではあるものの、私にはつらかった。テクニックに走っても成功している映画はある、洗練の問題だろう。誰が演じてるんだか分からないメイクってことでは『ディック・トレイシー』なんて映画もあって、あれもテクニックが物語を凌駕した作品だったけど、コミックの原色を生かした世界はとても魅力的だった。こっちは、コミックでなくCGアニメ的な原色の世界を実写(プラスCG)で作り上げてみせたかったのだろうが、やたらウツロなはしゃぎがうるさく、疲れた。もちろん作者の側には「意図的にそのウツロを狙ったのだよ」という決めのセリフがあるわけで、それを言われちゃもう好みの問題でどうしようもない。でもせっかく役者を揃えながらCGで塗りつぶしてしまうのは、なんとももったいない。土屋アンナが「『かわいく』って書いてあるんだよ」と台本振りかざして照れ隠しに怒鳴るところ、などいくつか、俳優が輝く場があることはある。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-07-16 09:10:43) (良:2票) |
2.日本にもこういう世界観をまとめ上げる人がいるんだ、というのが最初に来る感想。ストーリーに対する感想が最初に来ないことが残念です。お話を疎かにしているとは思わないけど、絵作りのセンスが突出し過ぎていて、自分はそちらに関心が行ってしまった。達筆の書家が書いた手紙みたいなものでしょうか。でも、いい映画ですよ。「ゲロゲーロ」が耳に残ります。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-08-19 23:30:30) (良:1票) |
1.泣けたー。お笑いはドワハハハと笑う感じじゃないけど、この映画ではこれくらいの感じで十分よかった。心を和ませる程度がいい。そしてそれが逆に泣ける。泣いた後にジンワリくる晴々しさで、いい絵本に出会えたな~って気分で満足しました。親子で観る映画としても、いー感じです。アホっぽい舞台だけど、テーマがちゃんとしてるので、気にならないし。話や構成も良く出来ていて、特に後半の盛り上がり方は、かなりいい。人は人によって変わるのだ。ゲロゲーロ。 【なにわ君】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-06-07 18:58:47) (良:1票) |