4.《ネタバレ》 ディカプリオ、ラッセル・クロウ、マーク・ストロング。三者ともまるきり個性の違う存在感を創出してて上手いけれど、いやこれ頭一つ飛びぬけてるのはラッセル・クロウでしょ。地味で小太りの。この男はね、片手でわが子をあやしながらもう片方の手で人を殺すんです。顔色ひとつ変えず。物を食べながら衛星ではるか上空から敵を捕捉し、撃つ。そして何も感じない。 ディカプリオは現場にいる。前時代的に生身で戦って傷を負い、同僚を目の前で殺される。無実の者を陥れる残酷なプランを立てはするけど、肉体的な痛みや良心の呵責が機能しているので完全に捨て駒にすることができない。 M・ストロングのレバノン人もしかり。現場の人間は殴られれば痛いということを身体でわかっている。 しかしラッセル・クロウ演じるCIAの上級職はずーっと死んだ魚のような目をしながら子供の写真を撮り、そのかたわら証人を見殺せと指示を滑らかに出すのだった。この非人間的なこと、心の死んでいること。自らを世界平和の掌握者と言い切る傲慢さは近代のアメリカそのものに感じる。嘘ばっかりの世界で一人勝ちしている(と思っている)アメリカ=CIA、その寒々しさを座った目つきと鈍重な所作で演ってのけたラッセル・クロウにすっかりびびった。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-24 22:59:31) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 なかなか重厚で見応えありました。つねに死と隣り合わせの危険な現場で活動しているCIA工作員、遠く離れた安全な場所で指示を出すだけの上司。まんまサラリーマンに当てはまりますね。現場を知らんくせに偉そうに能書き垂れられるとねぇ(しみじみと)。 現場で地道に活動しているのに肩越しに上司が作戦を展開、しかも仲間の助手すらそれを自分には教えない。上司にとっては駒に過ぎない自分の存在意義を疑問に感じてしまいますね。 地元の局長ハニに根回ししてたら直属の上司ホフマンが勝手に作戦を展開しハニの怒りと失望を買う。ハニには「嘘をつかない」と宣言しておきながら、今度こそとホフマンと練った作戦を教えず出し抜こうとし失敗。組織にバレてアイシャを連れ去られ、自らと交換のため連行され処刑されかけるところを、ハニが恩情をかけ事前に潜伏させていたスパイにより指導者逮捕のついでに助けられるという失態。実はハニがすべて裏で操作していたというオチは上の人間のさじ加減でどうとでもなるサラリーマンの悲哀を感じた。 誰に従い、誰を欺くか。アッチを立てればこちらが立たず的なモンですが、いやぁホント現場って大変ですねぇ。給料上げてください。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-12-21 22:52:14) (良:1票)(笑:1票) |
2.《ネタバレ》 CIAの工作員ともあろう者が、簡単に女に心を許すのは脇が甘いというご意見もあるだろうが、フェリスの身になってみれば、敵味方関わらず、騙し騙されの完全偽りの世界に身を置いて、それでいて自分のやっていることが本当に平和の為に、安全の役に立っているのかという、そもそもの大義名分さえ疑うようになる、そういう精神状態に置かれているわけで、全てにおいて信じられるものがない中で、あの女性はその「信じられるもの」を欲した彼なりのはけ口でもあるといえる。巨匠としての安定感のある佳作と言ってよい。個人的に好きな場面は、椅子に座ってるラッセル・クロウをディカプリオが倒してひっくり返らせるシーン。予想外で思わず笑ってしまった。 【あろえりーな】さん [DVD(吹替)] 7点(2009-05-17 21:38:37) (良:1票) |
1.最初物語の把握がちと難しかったです。あと中盤まで比較的トロトロ進むので あくびがでました。後半にかけての展開は痛いしハラハラだしおもしろかったのですがね 【とま】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-01-07 21:25:25) (良:1票) |