6.《ネタバレ》 コメディのように思えて、実際に前半は結構クスクス笑えたりするんですが、実はかなりマジメな映画だったりして、見ている間、深く考えさせられました。ラースにとってのビアンカは、母でありオモチャであり友であり恋人であり、それは大人になる過程の中に本来は存在しているハズのもの。ラースは育ちが特殊であったために、それらを一体のリアルドールに全て込めてしまう事になるのですが、実のところ、全ての人間はラースと同じ体験を、子供時代に経て大人になってきているのですね。それは、大人になりきれていない会社の同僚達のフィギュアやクマのぬいぐるみにも象徴されています(最初のシーンでラースが顔を半分覆っている母の手編みのショールも、ライナスの毛布と同じ存在なのでしょう)。自分の中の子供に訣別するためのつらさ、痛さを描いた物語。彼を支える大人達の優しさが印象に残る映画でした。もちろん、その優しさは現実的ではないけれど、せめてそうありたいと思わせてくれました。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-12-29 22:01:02) (良:3票) |
《改行表示》 5.ライアン・ゴズリングってやっぱりいい役者なんだね、みんなもちゃんとお仕事してて。ビアンカも特典映像に登場してきて、おもしろかったです。シザーハンズくらいにほめられてほしいくらいのデキだと思うのですがねー。小さい田舎町から一歩も外に出たことのない若者たちの素朴さがうまく表現されていて、とてもよかったです。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-04-21 11:01:34) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 主人公と人形との恋愛沙汰という表層的な部分にとどまらずに、その背景の部分から必然性をもって物語を組み立てているところに好感が持てる。一見して突飛に見える主人公の行動の数々についても、答えそのものは出さずに、しかしヒントや手がかりはきちんと埋め込んでいる脚本の精緻性と真摯性が素晴らしい。そして、役者陣では、キー・ポイントとなる3人の女優の、立ち位置を踏まえた堅実な演技の貢献が大きい。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-09-11 23:37:08) (良:1票) |
3.この映画、好き嫌いはあるかもしれないけれど、一度見て感じてみることをお勧めしたい。ほとんどの人が兄と義姉の立場で考え、リンクしながら、彼自身さえもどう温めたら良いのか解らないラースの心に少しずつ近づいていけると思う。まさかァ…でもありそう、ちょっと滑稽…でも決して笑えない、そんな気持でラースを見続け、自ら決着を付ける彼の姿と牧師さんの言葉に出会うことになる。私は大いに泣いた。少ないセリフと薄暗い景色の中で、人の表情を上手に表現しているのも良かった。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-18 00:22:28) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 ラースが女性への恐怖心を乗り越えて、愛するビアンカを精神的に殺すまでのシークエンスには感動しました。またラースがリアルドールであるビアンカを通じて嫉妬や喧嘩を体験するのもユーモラスで楽しかったです。ラースを演じたライアン・ゴズリングとバーマン医師を演じたパトリシア・クラークソンが出演陣では特に秀でていたと思いました。ゴズリングは町中の人間に愛されるけど内気という難しい役柄を見事に演じきっていたし、クラークソンは冷静な中にも何処か暖かみのある心理学者としての一面を上手く演じていたと思います。他にはマーゴを演じていた女優さんが個人的に好きでした。ラースにストレートにアプローチするシーンやテディ・ベアのくだりで喜ぶシーンなんかが一々可愛らしい。 見た後にほっこり出来る映画です。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-02-16 01:46:59) (良:1票) |
1.これほど純粋で嫌味のない映画は、滅多にお目にかかれないと思います。シチュエーションが突飛なのに、これほど温かみのある眼差しを主人公に向けた物語に仕上げるとは、演出、脚本、演技、どれもが素晴らしい出来だからだと思います。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-01-16 22:56:38) (良:1票) |