6.シビれた!圧倒されました。警察署長である父、やはり警察官である兄、彼らとは正反対に、チンピラ同然の弟。警察とマフィアとの抗争の中に、彼ら家族の確執、絆、そして運命が描かれる、という、物語自体も確かに劇的で魅力的なんですけれども、何と言っても、映像の力強さが目を引き、映画に強くひきこまれずにはいられません。この映像には、温度が、時間が、深さが、確かに感じられます。この映像の持つ生々しさがあってこそ、物語が生きたものとなり、物語が生きているからこそ、映像もまた生きたものとなるわけで。アクションシーンをとっても、これほど「泣ける」カーチェイスが、かつてあったでしょうか(ごめん、あったかもしれない)。抑え気味のセリフが、かえって感情を雄弁に物語っているんだけれど、しかし、この映画の中で最も雄弁であったのは、弟役を演じるホアキン・フェニックスの後ろ姿、印象的な彼の大きな「背中」ではなかったでしょうか。出会えてよかった、と思える映画でした。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-12-06 22:45:43) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 ジェームズ・グレイの7年前の前作『裏切り者』(これまた傑作!)と同じ主演コンビをそのまま迎え、ソニー・コルレオーネことジェームズ・カーンをトム・ヘイゲンことロバート・デュバルに『ゴッドファーザー』リレーをしてみせたキャスティングからもうサイコーである。前作よりもずっとずっと怖い世界を舞台としているが、哀愁の赴きや作品全体の重厚感は前作の方がある。今回はむしろドラマをテンポよく見せてゆく軽快さがいい。少々強引であろうが早急であろうが関係なく進めてゆく。描かれるのは『リトル・オデッサ』を含めてグレイの全作品に共通する「家族」の絆。ここはしっかり描く。グレイじゃなかったらエヴァ・メンデスという美女を危険にさらしてドラマを盛り上げただろう。あるいは冷酷無比を見せただろう。しかしそれをしちゃうと軽快感が損なわれ、家族のような仲間よりも家族を選んだ主人公のドラマの濃さが損なわれてしまう。ロシアン・マフィアの冷酷さもクラブのオーナー家族との和気あいあいも全て「家族」の絆を描く道具立てにすぎないのだ。それでいて全てのシーンがかっこよくて怖い。とりわけ雨のカーチェイスシーン。というより雨に光る銃身。いやはや、この監督、もうちょっと映画を作る間隔を狭めてもらえないだろうか。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-02-02 14:21:18) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 派手なドンパチがあるわけではない。目をひくアクションがあるわけではない。それでも面白い映画はできるという代表作。クライムサスペンスとして、小粒ながらもその完成度は高い。本当は7.5点くらいなんですが、ラストが個人的好みからはずれているということで、7点とします。 個人的にはボビーにはクラブの経営にもどってほしかったし、アマダと仲直りしてほしかったという凡人の私。もちろんそうしなかったことで、より一層硬派な作品になっているわけですが。硬派すぎるってのは味気ないものです。 警察署長の父。警部の兄。繁華街で怪しげなクラブの経営を任される弟。そこでは違法な取引や素性のわからない人間が出入りする以上、警察関係者が身内にいるとは口が裂けても言えない弟。この設定だけで、終始息を呑む緊張感が作り出されています。 当初の予想では、弟ボビーと、父や兄の対立が深まっていくものとばかり思っていました。まさかの弟が警察に協力していくストーリーとは。女好きでヤクザ風。それでいて反目しながらも、父や兄を大事に思っているという繊細な人物を、ホアキン・フェニックスが見事に演じきっています。 裏社会の親友ジャンボ。長くお世話になっているクラブのオーナーマラット。ボビーを高く評価し接触を試みる麻薬組織の大物ニジンスキー。裏社会と警察との狭間に立たされるボビー。何が起るかわからないスリリングなストーリー展開に最後まで目が離せません。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-07-04 14:03:15) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 名門の警察一家の出来そこないの弟が己の無力さを感じ、正義と家族愛に葛藤し成長していく姿は退屈しない。 また警察一家VSロシアンマフィアって構図はいい。 ただクライムとして終盤の盛り上がりに欠けてしまった。 ここは思い切って兄の死でもよかったのではないだろうか。 普通の評価に留まってしまうところは勿体ない。 |
2.おもしろかった!
いい映画だった!
派手なドンパチや、アクションシーンが多くなくても、これほどまでに緊張感が最後まで持続する秀作が作れるんですね。
個人的に、ホアキン・フェニックスの演技には、いつも感心してしまいます。
ときどき、ザキヤマを連想してしまうのは仕方がありません。かね? 【プラネット】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-02-27 23:53:38) (良:1票) |
1.マーク・ウォールバーグの出る映画は外れが少ないので期待してみましたが、やはり面白かったです。主演はホアンキンですが。 はじめはホアンキンが潜入のために馬鹿な弟を演じているのかと思ったら、本当にそうで、途中から家族愛に目覚めてちゃんとしていくというストーリー。 ハードボイルドな雰囲気はどこかのギャング映画を彷彿とさせ、そこに愛と裏切りとアクションをちりばめた秀作。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 7点(2016-02-02 15:29:36) (良:1票) |