《改行表示》 11.《ネタバレ》 所謂「いい話」であり、感動的に仕上げられた品だと思います。 ただ、映画として「面白かった」「楽しかった」とは言い難い内容でしたね。 理由としては、冒頭で「主人公は自殺する」と分かってしまう事。 そして、かなり早い段階(映画が始まって十五分ほど)で「いずれ死ぬ主人公は、自分が贈り物をする相手は誰にすべきかを審査している」という真相まで種明かししている事が挙げられそう。 「贈り物」=「臓器移植」である事も、審査対象となる人物の顔触れで分かるようになっているし、根本的に「謎解き」要素が据えられていないのですよね。 だから観客としては「この先どうなるんだ?」「彼は一体何が目的なんだ?」という興味を抱き続ける事が出来ない。 である以上、この映画のメインは「主人公による審査」となる訳ですが、それがどうにも単調で、正直退屈なんです。 なんせ悪人は序盤の医者くらいで、後は悉く「善人」「合格」なのだから、余りにも予定調和な展開。 死期が迫っているヒロインと恋仲になり「余命僅かな難病物」のテンプレをなぞる形になる辺りも、更に既視感を強めていた気がします。 唯一、それを崩すアクセントとして「臓器移植ではない、住居提供」のシークエンスがあるのですが、それも「家庭内暴力を受けている女性と、その子供達を救う」というお約束展開なせいか、まるで目新しさを感じないから困り物。 勿論、王道だからこその魅力は盛り込まれていましたし、自分としても、この中盤の「家を譲る」件が一番感動したのですけどね。 ただ、その結果「感動のピークは過ぎたのに、主人公とヒロインとのやり取りを一時間近くも見せられる」という事になってしまい、折角の感動も冷めてしまった形。 盲目の青年とウェイトレスの微笑ましい会話や(このままでは、彼女に愛情を抱かれてしまう)と察した主人公が、あえてヒロインを冷たく突き放す件など、好きな場面も幾つかあるのですけどね。 もう少し全体のバランスが違っていたら「いい話」ではなく「良い映画」と表現出来ていた気がします。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 5点(2017-09-13 19:22:47) (良:1票) |
《改行表示》 10.オチは衝撃的だし、オチに至る過程も丁寧に整理されており、全体的によく作り込まれた作品だと思います。ただし、ドラマとミステリーの両立には失敗しています。ラストまで目的が不明であることから主人公への感情移入が難しく、中盤のロマンスなどは計画として仕組まれたものなのか、自然発生的に湧き起った感情によるものなのかが初見では判別できないために、この展開をどう受け取ればいいのかに戸惑いました。 これならば主人公をエミリーにしてしまい、自分に親切にしてくれる胡散臭い男がいて、その正体や目的を観客とともに探るという切り口にした方が分かりやすかったのではないかと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [インターネット(字幕)] 4点(2017-01-07 04:11:33) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 映画としての完成度は高いと思うのですが、どうしても納得いかないことが・・・。奥さんも含めて、自分の不注意で亡くなった7人の方への贖罪の気持ちで、自分の命と財産をすべて使って7人の善人を助けていく。そして、亡くした奥さんへの愛情はとても深い。だとしたら、その自己犠牲を伴う善行の最中に、他の人を好きになり、恋愛に発展させていくということがあるのでしょうか。と、いうところだけがやや納得いきませんでした。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-07-05 16:15:38) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 正直、暗く 何が進んでいるのか分からない展開には睡魔が襲う。しかし、最終的にはこう思う もしかしたら完全にネタバレした上で観たほうが良い作品に思えたんじゃないのかと・・ ただし、二度目を観たいとは思えない。重い、重すぎですじゃぁ 全体の雰囲気が‥ 。償いをしたいという思いがあるんだったら亡くなった遺族の方及び周辺の方に思う存分使うべきですやろ 金銭的な奉仕なり、何かといろいろ その辺どうなっているのやら ちゃんと他に償いようがあったハズ。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-10-17 19:19:16) (良:1票) |
《改行表示》 7.《ネタバレ》 全般的に暗い話で退屈で眠くなる・・・。死なせてしまった7人の代わりに自分が自殺をして、別の7人に臓器提供などをして罪を償うという選択肢が正解か不正解なのか、見る人によって答えが違うと思う。私は不正解だと思った。でも、ただ現実逃避で自殺する人間よりかは、自殺するならせめて人の役に立って死のうという考えがあったのだからまだマシなのでは。 それにしても心臓移植の適合がうまい具合にいくなんて・・・。3~5%の可能性に賭けて自殺したのか主人公は?? 【ひまわり】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-09-07 21:36:35) (良:1票) |
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6.《ネタバレ》 七つの描きの入れ込みにムラあり過ぎ。べつに七つの必要ないじゃん。それとも「自殺するなら、1人でこれだけの善行できますよ」って言いたいのか? 誰に見せて、どう感じて欲しい映画なんだ? 主人公の立場に近い人に提示したいのだとしたら、最低最悪の悪意に満ちた映画だ。生きる希望や力を与えるのがこういう映画の仕事じゃないの?? 死刑になりたがって関係ない人巻き込んで殺す人がいる世の中だけど、死刑囚の体は誰かに提供されないのかな? 自殺志願者を美談にいじる映画作るより、そっちの話し作ってくれ。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 0点(2009-12-21 17:55:31) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 悲しすぎる。自分の犯した罪の重さに耐えきれず、自己破壊していく姿は痛ましすぎる。人間としてやり直すことも出来たのではないか。死んだ奥さんもそれを望んでいたのでは?この映画には一片の救いもない。救いがないところには感動もない。そこが問題だと思う。 【リニア】さん [映画館(字幕)] 3点(2009-07-19 01:46:43) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 主人公がなぜそうしようとするのか、ということは終盤まで明らかではないが、何をしようとしているのかについてはかなり序盤の段階でわかってしまう。そのため、衝撃のエンディングといわれても、すっきりするものは何も残らない。このサイトを含め見た人たちの感想を見ても、何を贈られたかに関しての記憶はかなりばらばらである。つまり、あまり印象に残らないエピソードがばらばらに並ぶため、最後まで見てもつながらないのである。どうして骨髄採取の時には局所麻酔だったのか(自分を罰するため?)、どうしてピアニストと心臓をもらった女性が最後に会うように手配したのか、などよくわからないところが数多く残る。これらの確認のためにDVDが出たら借りてみてもいいかなとは思うが、何度も繰り返し見たいと思うような映画ではない。 【HK】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-03-03 16:46:39) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 終始愁いに満ちたムードに包まれている映画。主人公ベンはある計画を立てている。友人や弟を巻き込みながらそれを進めていくのだが、観客にはそれが何の計画なのかラストの場面になるまでわからない。これが観客に一貫した緊張感をもたらし、飽きさせない。導入部でラストの一部を見せるのもうまい演出だ。美しいハブクラゲを使った自殺方法も印象的だ。 一方ネタ割れしてから振り返ってみるとどうだろうか。ベンは不注意から自動車事故を起こし、最愛の妻を含めた7人を死亡に至らしめた。(本来なら交通刑務所のようなところに収監されているのだろうが、そこのところは無視しよう) 罪悪の観念から自殺願望に取り付かれてしまったが、お詫びのしるしに、自分の臓器を7人に提供しようと考える。弟に片肺、福祉児童課の女に肝臓、白血病らしき子供とアイスホッケーのコーチに骨盤移植をする。そして家を暴力夫におびえる母子にあげる。残るは検体。盲人に網膜を、心臓病患者に心臓をと考える。しかし誰に贈るかを決めるにはルールがあって、第一に性格のよい人、第二に困っていても自分から他人に助けを求めない人ということ。養護施設のオーナーはこのふるいに落とされ、殴られる始末。 心臓病患者のエミリー・ポーサとは打ち解け、恋仲になってゆく。だが、それで自殺の決意がゆるぐわけではなく、ポーサの延命時間が短いとわかると自殺を決行する。 迷惑をこうむったのは、後始末を頼まれた親友と、国税局のIDカードを無断使用された弟と、モーテルのオーナーだ。 一般に自殺志願者は他人のことなど考えない。ましてやストーカーまがいのことをしてまで、他人の身元調査などするエネルギーはない。そういう意味では特異のケースだ。 結論として自殺はよくない。検体のために自殺するなど愚の骨頂だろう。まねする人が出てきたら、誰が責任をとるのか。それに死んで奥さんに合わせる顔がないのでは? 【よしのぶ】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-02-27 19:46:17) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 結論を抜きにすれば、全体的にはそれほど悪くはない映画とは思う。(賞を取りたいという)関係者の熱意やマジメさは十分に伝わってくるレベルの高い仕上がりにはなっている。 問題は、ベンの選択に対して賛同や共感ができるかどうかだろうか。批判を承知で映画を作っているとは思うが、「他人の人生を不幸にした者には、ああいう形でしか救いがない」というオチでよいのかどうかは疑問に思う。もし、そういう人が本作を観たとすると、どういう気持ちになるだろうかと考えてしまう。 映画というものは、観た者に対して、希望や夢を与えてくれるものではないか。 確かに、ベンのような気持ちになり、誰かを救いたいという気持ちは分かる。 彼のプランも十分に理解はできるが、エミリーとの出会いにより、ベンの心に何らかの変化が生まれて欲しかったところだ。 自分を犠牲にして誰かを生かすよりも、“償い”の方法には別のものもあるはずだと。 エミリーと接することで、人を救う方法には様々な形があるということを。 病気に苦しむ誰かの人生を助けようとして、助けようとしている誰かに逆に助けられていると気付く。そういうものが人生ではないのだろうか。 ベンの閉ざされた心を、死に迎えつつある病人のエミリーならば開くことはできたはずだ。仮に、エミリーが死ぬことになっても、エミリーはベンを助けることができれば、人生の意義を見出せたのではないか。ベンは愛する人を含めて多くの人を救い、助かる見込みのない愛する者を救いたいという想いを成就させたものの、彼の人生はある意味では絶望のままで終わってしまうこととなる。 どんなに酷いことをした者であっても、人生は続いていくものではないか・・・。 親友がいて、弟がいて、愛する者がいながら、一人で背負った苦しみから、誰も彼を救うことができなかったことが、何か寂しさを感じる。 気になったのは、交通事故を起こした者が考えることは「自分を犠牲にして誰かを助ける」ということよりも「もう二度とクルマには乗らない」ということではないか。 暴れたら事故が起きそうな大型犬をクルマに乗せることが、果たして事故を起こした者のやることだろうか。 映画自体はマジメには作られているが、こういったことも含めて根本的な部分で本作には相容れないところがあるので、やや評価を下げたい。 それにしても、序盤のアップの多さはなんとかならないものか。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-02-21 23:08:28) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 主人公のベンは、見ず知らずの他人7人に対し、“ある計画”の上で各人の運命を変える“贈り物”を与えていく。 主人公を演じるウィル・スミスの瞳の中に在る決して消えることのない“愁い”が、とても印象的な映画だった。 主人公の「行為」が本質的な意味で正しいかどうか、それを判断することはとても難しい。 別の方法を選択すべきだったとも思うし、本人にとってはそれ以外無かったという決断も理解できる。 自らの中で膨張する思いに耐えきれず、断固たる意志のもとに下した"決意”は、その正当性を度外視して、心が揺さぶられる。 そして、その一連の行動の中で、残酷にも恋に落ち、愛の元で最後のプロセスを実行する様に、涙が溢れた。 この映画は、観客それぞれの価値観において、大いに是非が分かれると思う。 ただ僕は、一人の男がひたすらに苦悩し、不器用で愚かな決断をする姿に、人間の人間らしい部分を感じずにはいられなかった。 物語の美徳的な部分ではなく、そういう人間の不完全さを目の前にし、感動した。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-02-21 20:19:02) (良:1票) |