10.原作未読。「バチスタ」が派手な宣伝のわりに原作も映画もイマイチだったので、あまり注目していなかったんだけど、これは面白かった。前作より断然良かったと思う。前作で作ったメインキャラの設定を財産として上手く活用している。反対に、前作を見ていない人には?が浮かぶ部分もあるのだろうが、たぶん許容範囲内。新キャラとして、優男役が多い堺雅人がチョイ悪で迫力があり新鮮。救急医療の問題、医療費と病院経営、病院内派閥などなど、たくさん詰め込んであるけれど、とっちらかった印象がない。法廷劇的な展開の中で明かされる謎解きもシンプルで分かりやすく、爽快感がある。その謎解きがダイレクトにテーマに収束して行くという意味で、ミステリーとして一級品だけど、コミカルな味わいが先行することがこの映画らしいオリジナリティ。謎が解けても、問題が全て解決した訳ではないという着地感も良い。竹内結子の大げさな芝居も、可愛いので手放しに赦す。あの愚痴外来、受診したい。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-02-17 23:17:37) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 それぞれの要素のバランスが見事。充分に面白いと感じさせる作品です。 ■まずさすが映画、という感じの原作の濃縮。委員会を一つに合成したり、田口と速水がほぼ他人同様の関係であったり。映画的な時間の制約、および演出効果を高めるための措置でしょうが、それに違和感がない。プラスに働いていると思います。 ■そして何といってもメインの役者の演技が素晴らしい。第一に速水、次点で沼田、さらに花房看護師長はピシャリときてます。田口と白鳥はバチスタと同様。白鳥のウザさがかなり軽減されて親しみやすいキャラとなっているのは映画的な上手さ、というべきか。ところどころ滑舌が悪いのが玉に瑕。 さて、個人的に堺雅人扮する速水が好きすぎる。それは主張内容ではなく演技的な意味で。あのナチュラルなニヤッとした表情がツボだし、動作の面では聴診器を耳にあてるところとかすごいカッコイイ。口紅シーンも最初はえ?と思いましたがその感覚を封殺するほどに妙に合っちゃってるんですね。特筆すべきは委員会のシーン。動きのないシーンにあれだけの時間を割き、しかも良シーンとなったのも速水の演技あってのこと。「ベッドは足りない。人も寄越さない!」以降の盛り上げ、引き込まれ方。白鳥が一発逆転かました後の沼田の表情の変化も見事です。 ■バチスタと比べテンポと緩急が重視されており、ギャグ、シリアス、そしてリアルのバランスが良い。特に医療の現状をさりげなく伝えてくる描写。大学病院内部の軋轢、経営的な観点からの病院そのものの存続と現場、患者の感覚と医療従事者の合理性の差異、などなど・・・。特にトリアージは考えさせられます。医者としての合理性は「2」救えるより「3」救えるほうを選択すべき。それはとてもよくわかります。しかし、実際自分の愛する人があの状況で「救命不可能」の判定をされたら・・・やはり納得できないでしょう。大きいのは、「死亡」だけでなく「まだ生きてるが救命不可能」が同様の判定となること。目の前にまだ生きている家族がいるのに助ける手立てがない。頼みの綱の医者も見向きもしてくれない。あの夫人の気持ち、痛いほどよくわかります。 【53羽の孔雀】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-09-27 01:07:21) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 話の本筋は意外としょぼいので、推理物と思って見たらがっかりする。 しょぼい本筋からミスリードする為だけに取って付けたような殺人事件を発生させるという構成も稚拙。 口封じの為に殺すという動機がアホ過ぎるし、どうしても殺さないといけなかったんだとしても殺し方がテキトー過ぎる。 このシリーズはミステリーというよりは、コミカルな登場人物によるコメディとして見た方が正解なのかも知れない。 とは言うものの、しょぼい本筋の真相が明らかになった後に待ち受けてるクライマックスの演出はそれなりに盛り上がったし、感動的ですらあった。 救急医療の裏側にある問題について少し考えさせられるような内容になってるのがいいと思います。 あと、チュッパチャプス程度のしょぼい利益供与ですら見逃さず、倫理委員会委員長として処罰するというオチも面白かったです。 【もとや】さん [地上波(邦画)] 7点(2013-12-24 09:58:16) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 チーム・バチスタの続編、というか同じ病院を舞台にした別エピソード。 このパターンはキャラクターや舞台の説明を割愛できるところがいいですね。 観る側としても割とすんなりストーリーに入れることは結構ウレシイですし。 なんせ映画の序盤って2時間近く楽しむうえで結末と同じぐらい大事ですからね。 ということで世界観はわかりきったうえで観たんですが、前作のような『犯人はだれだ?』的なミステリ要素は影を潜め、現状の救急医療体制に問題点が置かれています。 そしてそのセンター長として堺雅人さんが強烈な存在感でこの映画を支えています。 流れに身を委ね、現状の救急医療現場の問題点を教示されるのが、この映画の正しい楽しみ方なのでしょう。その点堺さんの演技はみなさんおっしゃるようにとてもよかったと思います。 癒着疑惑の結末もなかなかお見事でした!
それにしても前作に続き、殺人の多い病院ですね。。。 國村さんのクビがとばないのが不思議です。 【ろにまさ】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-10-25 11:09:42) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 前作未観、原作未読。 堺雅人が凄い。 何ヶ所か???と言うとこもあったけど、倫理審査委員会からスタットコールにかけての件はパターンではあるものの圧巻だった。 【かめきち】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-05-05 07:57:35) (良:1票) |
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5.《ネタバレ》 前作よりもずっと面白い。面白くしたのは、速水救急センター長を演じる堺雅人の影響だろうね。それとトレーラー事故シーンで盛り上がるからだろう。 ちなみに原作は結構好きだ。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-12-04 23:15:03) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 前作の方がミステリっぽい作りだったが、今回は、ドクターヘリや救急医療の現場など、時事問題に焦点を当てテーマを明確にした上、クライマックスに大規模な事故を設定することで作品全体のスケールをアップし、前作のこじんまりした雰囲気を一新、劇場用映画として鑑賞に耐えうる作品に仕上がっている。また、前作より続投の竹内&阿部の凸凹コンビも健在で、続編としての面白さも抜かりなく機能している。勿論、タイトルロールのジェネラル・ルージュこと堺雅人の好演により、映画の格がグッと上がったことは言うまでもない。 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-10-16 00:26:23) (良:1票) |
3.前作「チーム・バチスタの栄光」がドラマ版にさえ負けてしまうクオリティの低さだったので、全く期待しないで鑑賞。だが前作から一転、キャラクターを掴んでいるおかげか今回はすんなりと物語に没頭できた。最近話題のドクター・ヘリや病院の患者収容量のキャパシティの問題などの時事ネタを効果的に盛り込み、本格的なメディカル・サスペンスへと作りこんでいる。更にトレーラー事故による大規模な病院搬送のシークエンスを作ることでモブ・シーンを形成してスケール感を大幅に助長し(いわゆる物量作戦というやつか)、パニック映画の要素を盛り込むことによって、娯楽映画の要素をクリアしたのは歓迎すべき点である。確かに細かく考えると、最後の領収書ネタはあれはないだろうとか、多少誇張された人物描写があるのは事実だが、コミカルなノリと大幅に向上したテンポで最後まで強引に押し切っているので、鑑賞中はそれほど気にならなかった。この調子で次は「イノセント・ゲリラの祝祭」を映画化して欲しいが…興行成績は前作より下回っているらしい。何だか微妙な気分…。 【ドラりん】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-04-18 00:17:36) (良:1票) |
2.映画としては面白くないことはないのだけれど、全体的に前作から続いて釈然としないのは、抜群の洞察力とあくの強さで事件をてきぱき解決するヒーローが、できることならみんなで石をぶつけてやりたい、と全国民的に思われている厚生官僚(事件解決の動機も省益の確保といういかにもな設定)であることではないか。本来なら普通の人なら切り捨てるものも大切にする人、目的があって結果が得られることしかやらないという現代人の病、合理主義や成功主義の病に侵されていない対極の非エリートヒーローとしての竹内結子が風貌に合わない意外な活躍をして、ロジックで固まった厚生エリートを凹ませれば胸もすくのに、バチスタを上回ってどうしょうもないただの引き立て役の無能医師にしか表現されておらず、映画としての主役の基本設定に失敗していると思う。言いたいことも病院経営と両立しない現代の救急医療制度の矛盾の告発であり、志の高い映画だとも思うのだが、救急医療が機能しなくなっているのは利益追求する病院がすべて悪いと言いたげな展開になっていて告発ポイントがずれていると思う。医療従事者が過労死寸前の献身や経済的不利益を引き受けなければ成立しないとしたら、それは大もとの制度設計そのものがおかしいからのはず。救急医療従事者に崇高な自己犠牲の職業倫理を押し付けることで問題を解決しようとして、救急医療従事者でも普通の生活できる制度に工夫しようとしない厚生省の無為無策こそ大きな問題のはず。ところがその点は全く追求されない。堺雅人みたいなスーパーヒーローが存在して初めて成り立つような救急体制は、現実にはあり得ない。これでは厚生省の無策への論点ずらしのためのプロパガンダ映画ではないか?原作どおりなら医者(原作者)の厚生省へのゴマすり作品じゃないか?とも思えたりするのだが。 【マンフロント】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-03-12 00:52:22) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 東城大学医学部付属病院に勤務する不定愁訴担当の田口公子。倫理委員会の委員長でもある彼女のもとにある告発文が送られてきた。そこには、速水救命救急センター長が収賄しており、看護師長も共犯であると書かれている。速水は凄腕だが“ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”の異名を取る人物。そして出入りの医療業者担当が転落死する事件から、疑惑の真相を巡る調査に乗り出す・・という話。
「チーム・バチスタの栄光」で「このミステリーがすごい!」にて大賞を獲得した、実際の外科医も兼ねる海堂尊原作の映画化作品。他に「ナイチンゲールの沈黙」「イノセント・ゲリラの祝祭」「ジェネラル・ルージュの伝説」とかもあって、映画化は現在2作目。全て読んではないですが、この「ジェネラル・・」はテンポ良くスカッとしてるんじゃないでしょうか。
厚生労働省役人の白鳥は男。バディ的なキャラとなる田口は、小説では男ですが映画では女性となって、阿部寛と竹内結子が固定キャラで演じています。 今回のメインは堺雅人。やり手で多少傲慢ながら情熱的な医師を演じ、聴聞委員会でも大立ち廻りを演じるんですが、なんだか華奢で甘ったるいマスクのくせに、えらくカッコいい設定でほんとにカッコ良く見えましたよ^^ 最後の落としで出てくる○ュッ○○ャ○スが請求書に出てくるのはテンポアップの上では分かるんですが、実際はそんなの雑貨品とか別勘定でまとめるんじゃない?そんなあからさまに書かないでしょ!とか、医療費節減をお題目にした厚生省のお役人が骨折程度でドクターヘリはいかんでしょ?とか、ルージュの本当の意味がそれかい!などなど、やや突っ込みどころはあるんですけどねw
【尻軽娘♪】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-03-07 03:05:38) (良:1票) |