5.ダメな奴が人生を変える話かと思いきや、変化前の時点から主人公がそんなにダメな奴ではないんですよね。確かにひねくれてはいるものの、それについては離婚やら職場での冷遇やらで陰に入った時期にあるだけで、本来の彼は普通に楽しい奴だという前提が存在しているわけです。その証拠として、彼にはちゃんと友達がいるし、ご近所付合いもあり、飲みの席にしつこく誘われたりもします。本当に性根の部分からダメな奴なら友達なんていないし、周囲からも期待されていないから何かに誘われたりもしません。 上記の結果、振れ幅の小さな内容となってしまったためにドラマとしてもコメディとしても劇的な部分がほとんどなく、ハリウッドが得意とする「笑い込みのちょっといい話」というジャンルの中で埋没する仕上がりとなっています。豪華なメンバーが顔を揃えながらもこの程度の出来かと、少なからずガッカリさせられました。 とはいえ、良い部分もあります。物事に善悪をつけないニュートラルな作風が時に心地良いのです。ハリウッドではネガティブに扱われる傾向の強い自己啓発セミナーについて(『ゲーム』『マグノリア』『リトル・ミス・サンシャイン』etc…)、その功罪両面を描いているという点には特に興味を引かれました。妄信的にその方法論に頼ると失敗するものの、人生のある一局面を打開する劇薬にはなりうるという描写になっているのです。 また、恋人役のズーイー・デシャネルがこの役に完璧にハマっている点も評価できます。観客の誰もが美人と認識できる顔や雰囲気でなければラブコメとして成立しないが、かといって突出した美人だと作品に馴染まない。この点において、ズーイー・デシャネルは街で偶然出会ってもおかしくないレベルの美人さんであり(褒めてます)、かつ、このサイトのレビューにおいても顕著な通り、ほぼ満場一致で「かわいい」と認識されています。観客の側における顔の好みには結構なバラつきがある中で、ここまで全員からの支持を得ることって、実は大変なことだと思います。 そういえば、ジム・キャリーの才能のひとつとして、共演女優を魅力的に見せるという点が挙げられます。『マスク』のキャメロン・ディアスから『エターナル・サンシャイン』のケイト・ウィンスレットまで、それぞれからのキャリア史上最高の魅力を引き出している点は、もっと評価されていいと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [インターネット(吹替)] 6点(2017-08-05 02:06:26) (良:1票) |
4.「自分の人生に最も影響を与えた映画って何だろう?」そういうことをふと考えていると、実はこの映画なんじゃないかという結論に辿りついた。高校生のときにこの映画を観て以降、僕は“Yes”と答えることが明らかに増えたのだ。
“Yes”と答えたその先に何があるのか。それを確かめに行くのはとてもスリリングでエキサイティング。それが結果的にあまり楽しくなかった場合でも、新しい経験をしたということが一つの価値になる。普段やらないことをやれば、今まで知らなかった自分に出会える。
人は皆、“幸せ”を手にしたくて日々を生きている。そして、大抵の人は、その“幸せ”に繋がるような道を選んで生きているのではないかと思う。僕自身も、“幸せ”とは例えるなら高い階段の一番上にあって、一段一段上っていくと到達できるものだという認識を持っていた。 しかし、この映画を観ると、“幸せ”は実はそこら辺に転がっているものなんじゃないかと思えてくる。「あれもYes、これもYes」というように、様々な機会を拾いあげていって、たまたまそこに“幸せ”が混じっている。“幸せ”とはそういうものなのかもしれない。そういうことをサラッと考えさせてくれた映画。そのサラッとした感じが良かった。 【Y-300】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-25 13:29:08) (良:1票) |
3.私の友人にもすぐネガティブな事を言うのがいますが、そいつに見せてやりたいなーと思いました。気の持ちようで良くも悪くも人生は変わるというのを分かりやすく表現しているので、観終わった後に実に清々しい気分になれます。
昔ながらの濃いジム・キャリーのコメディもいいですが、年と共にこうしたヒューマンコメディの出演でも味が出てきたなーと思います。私は「ライアーライアー」が大好きで、この作品も(○○しかできない、言えない)という縛り系の展開だったのでああいうコテコテな道を進むのかと思いきや、意外にもあくまで自分の言葉からバカ素直にYESを連発する彼でしたが、それはそれで応援したくなったり。YESを連発してても、そんなに苦悩してない(してるように見えない)所もまた息苦しくなくていいですね。
時折(あ、ここはジムにお任せだな)という壊れたアドリブ演技も観れるのでいいです。下ネタが少ないのもいいですね、まぁ入れ歯ババァにフェ●されるシーンもご愛嬌の顔芸でしょうか(苦笑)
あと色々な意味でのバランスが絶妙でした。「YES」を連発するカールを必要以上に利用したがるキャラがいなかったし、全体的に悪者が少なく(世の中、いい人が多い)という前提に立った映画で、個人的には暖かい気持ちになれました。これだけ結果オーライの内容でもとこか微笑ましく感じるのは、ジム・キャリーという存在のおかげかもしれません。
またアリソンが本当に可愛いですね!気が強い女性大好きなんで余計ツボりましたし映画の評価を上げました(笑)ジム・キャリーの唄の上手さも嬉しい驚き。しかし「NOと言える日本」が売れたこの国で「YES啓発セミナー」を行ってもあまり広まらない感じでしょうねー。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-27 10:19:09) (良:1票) |
2.何でもやってみることって大事だと思う。誰かに、「あの映画超つまんなかったよ。」って言われたら、「へー、じゃあ観るのやめよう。」よりも、自分も観てみて「ね!あれはつまんなかった!」の方が、人生は楽しいのかなと、ぼくは思ってます。物は経験してから言うものだと思う。合理的な生き方ではないかもしれないけど。とは思いながらも、やっぱり殻に閉じこもってしまう自分が、かっこ悪い。なので、この映画の趣旨は好きです。セミナーだとか、金銭面のこととかは別にいいから。けど、アリソンのかわいさは別にいくない。 【bokugatobu】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-10-06 01:26:29) (良:1票) |
1.確かに気心の知れた友達ならいいんだけど、そうでもない微妙な相手から誘われるつきあいは出来ればうまく断りたい、と私も思ってしまいます。でもそれだと自分の好きな事だけを選ぶ毎日となり、自分の好きな事って意外と守備範囲の狭いものかもな、なんてこの映画を見て思いました。この映画のように何でも手を出すことは出来ないですし、こんなにいろんな成果がすぐに返ってくることもないとは思います。でもたまには敢えて人に流されて新しいことをするのもいいかもなと、この映画を見て前向きに感じられました。ただ一方でストーリーに対してこんなに都合よくいくかよ、とどこか引いた目で見てしまったのも確かで、ちょっと映画としてはパンチ不足の印象も否めません。 【54dayo】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-09-22 00:06:53) (良:1票) |