49.《ネタバレ》 評判は聞いていたが、ここまで凄いとは思わなかった。ハリー・キャラハンを髣髴とさせるシーンには思わずにやり。因果応報というべきか、彼の映画らしい終わり方であり、俳優としての幕引きがこれなら最高にかっこいい。 【TOSHI】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-05-10 21:38:33) |
48.私、男の友情系映画に弱く、ショーシャンクも号泣したのですが、この映画も途中から鼻がつまり、最後20分は涙がとまりませんでした。泣いた理由の何割かは「クリント・イーストウッドをスクリーンでみるのはこれが最後なんだぁ」という思いが含まれていたと思いますが。ジャック・レモンの晩秋をちょっと思い出しました。さて、何を書いてもネタバレになるので詳細は何も書きません、部屋で一人でしみじみみてもよし、映画館でもよし(私のみた館では皆シーンとしたまま最後まで真剣に鑑賞していました。あまりない経験)、ぜひご覧を。注目ポイントは:イーストウッドのしびれる声、アメリカの現実、エンドロールのジャズ、床屋トーク。 【はにーさっくる】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-05-10 14:19:18) (良:1票) |
47.《ネタバレ》 イーストウッドがかっこよすぎる。死に様も俳優としての幕のひき方もすばらしかった。 |
46.《ネタバレ》 鑑賞前にある批評を読んだ。「老い先短い頑固ジジイが、家族や周囲と溶け込めづにいるが、近所のマイノリティとの心の触れ合いが進んでいく。しかし、テーマは重い。甘い感動など期待しないように」。確かに甘い感動はなかったが、何とさわやかな余韻が待っていた。悲劇的は主人公の死にかかわらずこの甘い感動は何なんだ。いや、さわやかな甘い感動、じゃなくて、甘い生活と、柑橘類・・。話を本論にもどそう。主人公の隣人や黄色人種に対する言動には人種差別が垣間見える。しかし、床屋や工事現場監督との会話を聞くと決して白人至上主義の堅物ではないことに気づく。彼の人に対する感覚は、自分と他人の2種類。他人は、気に入らないと家族でも付き合わない。気に入ったら人種や性別がどうあれ付き合う。しかし、感じたままに言いたいことは言う。偏見などない。自分の気持ちにあくまでも正直なのだ。病魔に蝕まれた体はもう長くはない。危機的な状況と友人を救うためには自分は何をすべきか。正に西部劇のヒーローそのものだ。自分を貫き、友人を助け、名を残す。カッコいい。自分で主役を演じるわけだ。音楽もいい。 【パセリセージ】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-09 22:23:07) (良:2票) |
45.《ネタバレ》 歯をむき出しにして犬のように「うー」と唸るクリント・イーストウッドが、可愛い。……この人を愛らしいと感じる日が来ようとは思わなかった。ユーモラスで、いつになく明るいトーン。最近のイーストウッド作品から重厚なドラマを予想していたら、きれいに裏切られた。いい意味で単純な、芸術ぶったところのないヒューマンドラマで、普通に友達に勧められるような作品だった。
中核にあるのは西部劇のガンマンのようなヒロイズムではあるけれど、理想通りには行かない酷薄な現実と向き合ってもいる。スタローンの『ロッキー・ザ・ファイナル』同様に、原点回帰の若々しい意志と、現実的にならざるを得ない成熟の両方があった。頑固な老兵は時代遅れであることをわかっていてなお、自分なりの流儀で戦うのだ。銃の代わりに、強い意志としかめっ面と、ちょっとばかりの茶目っ気を武器にして。
普段ならもっと癖のある作風の方が好みなのだが、これを否定するのは難しい。ストレートど真ん中の球だからこそ、そこにイーストウッドの信念、人間性が込められている。別にイーストウッドファンではなかったけれど、今でははっきりと好きだといえる。この映画も、彼その人も。 【no one】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-05-09 18:04:06) (良:1票) |
44.《ネタバレ》 おっさん達の小気味良い毒舌にニタニタ。風景そのままのエンドロールも好き。 後半で話の展開がイーストウッド的浪花節に突入して少し残念。 【mimi】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-05-09 03:16:34) |
43.「自分と作中のクソ孫とのシンクロ率97%!!限りなく赤に近い黄色信号絶賛点滅中!!」
あぁ・・・祖父母含め家族、また他人をいたわる思考、行動力のなさ、改めて考えさせられます。『家族の崩壊や近隣関係の希薄化を憂うことなど無い、それより現代の新しい人間関係を模索することが先決だ。』そんな言葉が建築の世界などでも散々叫ばれてはいるものの、どーも僕にはしっくり来ない。モン族の子に自分の命を剛速球で投げつけたウォルト。そしてそれを傷付きつつもがっしり受け止めたタオとスー。古い人間だと言われても、彼らの生き方に心動かさずにはいられません。 【njld】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-09 00:27:53) |
42.《ネタバレ》 タオの家族や牧師との交流を経て、人を毛嫌いする男の心が溶けていく過程は見ていて癒されるし、楽しいが、何か腑に落ちない復讐の結末が少し残念。でもイーストウッドの眼光の鋭さ、迫力は何歳になってもいやはや圧倒的である。 【puta-pp】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-05-08 23:42:02) |
41.悪党たちが罪なき人々を苦しめる。立ち向かう一人の男、クリント・イーストウッド。なんて単純な話なんだろう。しかもこのパターンって西部劇ではないか。もっと言うなら『荒野のストレンジャー』の『ペイルライダー』に次ぐリメイク、、とは言いすぎか。二つの西部劇の主人公は人間とは言い難い。神の化身と解釈して初めて合点のいく物語となっている。イーストウッドの中にある神、あるいはキリスト教への不信が自らを神へと変えた。『グラン・トリノ』の主人公は二つの西部劇とは違い、コワルスキーという人間の名前を持っている。しかし彼が最後にとった行動はキリストそのものではないか。これまでの作品で散々キリスト教をコケにしてきたイーストウッドは、神にすがることなく、神にしかできないと誰もが思っている行動を人間としてやり遂げさせてしまう。これはこれまで描き続けてきたことの一つの答えなのかもしれない。集大成で言えば私は『チェンジリング』のレビューで『ミスティック・リバー』以降は全てイーストウッドの集大成と書いたが、『グラン・トリノ』はたしかにこれまでのイーストウッド作品を彷彿させるシーンがたっぷりとあるが『ミスティック~』以降の流れにある重さがない。話の単純さもそうなのだが、話の流れもかなり強引だ。例えばあんなに嫌がっていた隣家のパーティに行く理由が弱い。例えば若者たちが集う地下室へ導かれる展開がムリヤリ。これって『ブラッド・ワーク』以前のイーストウッド作品にある所謂予定調和ってやつ。でも『グラン・トリノ』ではそこにつっこむ気を起こさせない。だってこれは映画だもん。そう言われそうだし、そう思ってしまうのだ。そのことを観客に承知させる境地に辿り着いたということか。イーストウッドは映画を崇高なものだととらえていない。もっと身近なもの。もっと手軽なもの。芸術や娯楽という前に映画は映画でしかなく、そして当たり前のように作り物なのだ。マカロニウエスタンってその世界自体が嘘の世界。そこから生まれたイーストウッドの当たり前の世界。グラン・トリノという車の顔形よりもイタリア語を冠した名前がさりげなくイーストウッドの起源を語ってくれているように思った。 彼の映画の本来の武器は映画はしょせん映画と割り切ってもいいという安心感なのかもしれない。そしてその安心感が映画を身近にする。『グラン・トリノ』は愛すべき手軽な映画だ。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-05-08 17:52:03) (良:2票) |
40.《ネタバレ》 イーストウッドは50年以上の長きにわたり、俳優イーストウッドという長編映画に出ていたのかもしれない。 そして、全ての物語は終わりがあって初めて物語として完結するように俳優イーストウッドは彼の半生をかけた長編映画の幕引きをこの映画で成そうとしたのか。 俳優イーストウッドは無法者、牧師、刑事、サーカス団長、鬼軍曹、トレーナetcと様々な生を演じてきた。その一つ一つの役を監督イーストウッドとして、「消化(昇華)」させてきた様に思っていた。そしてこの映画で俳優イーストウッドをも昇華(昇華)させた様に感じるのだ。 そのフィナーレは最近の傾向に違うことなく、晴れのち曇りときどき雨展開であり暴力を伴う正義の自己否定的な個人の無力感を伴うものであった。 しかし、私は映画館で泣き続けた。それは感動の涙でもなく、悲しさの涙でもない。まるで92歳で大往生を遂げた祖母の葬儀の際に流れた涙を思い出すものであった。そう、語弊を恐れず語るなら、俳優イーストウッドへの全肯定を伴う祝福の涙であったように思えてならない。 私は映画館を出た後、人生で初めてイーストウッドのサインを持っている事を心の底からうれしく思った。決してこれからも手放さないでいようと思った。そして監督イーストウッドの映画の後味が悪くても見続けるだろうと思った。願わくは健勝で長く映画を作り続けてもらいたい。 【クルイベル】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-07 12:46:09) (良:1票) |
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39.《ネタバレ》 いや~泣いた。まず主人公が自分の親父にそっくり。頑固で口が悪くて付き合い方が不器用で、子供達から疎まれてて。笑 特にぐっと来たのは3点で、まず余命幾ばくもないと告知を受けた(らしい)後の息子への電話のシーン。あ~こういうぎこちない感じ、わかるな~。このすれ違いが結局身体を張っての事件解決に繋がっていくわけですよね。 それから若造牧師が、ベトナム戦争で上官に命令されて人を殺した記憶に今もさいなまれているのはさぞつらいだろうと理解を示した時に、「ひとつ間違っている。命令されたんじゃなくて、自分から殺したんだ。それが恐ろしいんだ。」みたいな台詞のシーン。このリアリティに戦慄を覚えました。 そして最後に教会で息子達との接し方がわからなかったと懺悔するシーン。わかる、わかるよ~!今思い出しても泣けてくる~
とにかく、頑固親父が描く古き良きアメリカっていうものが、距離も時間も遠く離れたこの自分に、これほど深い感動を味わせてくれたことに非常に驚いています。イーストウッドと同年代の典型的アメリカ人がこれ観たら、それはもうさぞかし心揺さぶられるんだろうなと思うと、同年代の日本人監督にこのようなすばらしい作品を撮って欲しいと思わずにいられませんね。 【HAMEO】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-05-06 17:27:02) (良:1票) |
38.この監督の作品って、毎回衝撃のラストに泣かされるし愕然とさせられます、、、、。 前半は、くすっと笑えるようなところが多少ちりばめられており、特にイタリア人の床屋さんが出てくる場面はとても好きでした。 それが、後半になるにつれて、暗雲がたちこめるように、悪者とのいさかいがどんどん大きくなってきて、ココロの中で「ああ、もうこれ以上やめて。つらい方向へ話がいかないで」って願ってしまう。 その願いもむなしくそのままラストへ-。って感じなんですけどね。 エンドロールの景色で、少し救われた気持ちになるのですが、しばらくつらい余韻は引きずります、、、。 自分的には、あまり好きな映画ではないけど高得点を出さざるを得ない作品でした。 【カルーア】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-05-06 17:26:42) (良:1票) |
37.《ネタバレ》 アメリカン・ビール、ビーフ・ジャーキー、「グラン・トリノ」というアメ車。主人公はそんなアメリカを強く愛してる反面、現代のアメリカを象徴するようなドライな子供や孫たちを受け入れられない。そんな中で、暖かい移民の家族と徐々に心を通わせていくストーリーが一転、絶望の結末をむかえる。自分の命と引き換えにしても守りたかった移民家族。それに比べて血のつながった肉親との関係がなぜあんなに冷えきっていたのかが謎だ。エンドロールの音楽と映像が素晴らしく、しばらく席を立てなかった。ただ少女へのレイプ事件はあまりにも辛すぎた。
【kaaaz】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-06 13:34:42) |
36.正直あまり響かなかった。これはクリント・イーストウッドの映画もあまり見たことないし、西部劇もあまり見たことないし、というのが理由でしょうか。よい映画だとは思う。爺さんがかっこよかったのもわかる。アメリカは病んでいること、その中で生きることとそれよりも死ぬことについて考え続ける爺さんがいる。でもストレートすぎるというか、それとなく匂わせてほしいことを台詞でいいすぎな気がするし、映画として、終わりが読めてしまった。でも、映画でいいたいこと、それは、もう少し年をとったら、思い出すかもしれない。イタリア人の床屋のシーンは好きです。 【しゃっくり】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-05-06 01:41:35) (良:3票) |
35.「ジー・ティー・アール」だったら10点だったのに・・・ 【マー君】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-05-05 16:40:07) |
34.《ネタバレ》 何とも云えない後味の作品。途中まではイーストウッドにしては珍しく穏やかな作品だなぁと思っていたのですが・・・。 よい映画であることは間違いありませんが、最後、わざわざ殺されに行かなくても、その前の銃乱射と暴行で充分警察は動かせるのではないだろうか。彼らを長期間拘留するためなのだろうが、ウォルトには最後まで生きていて欲しかった。もっとタオやスーを導いていて欲しかった。主人公にどっぷりと感情移入してしまった私にとっては、やはりこれは悲しいラストです。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-05-05 16:29:42) |
33.初めて映画館で泣きました。いままでヒューマンドラマなどの感動作で泣いたことなどは一度もなかったのですが、なぜかこの映画だけはしらずしらずのうちに泣いていました。 今までのイースウッド映画なら「ダーティハリー」みたいに最後は法を犯してでも悪党を裁く、みたいな感じですがこの映画は違ってました。 ウォルトはあの悪党の今後の人生まで計算してあの行動をしたのでしょう。誰一人死なないように・・・ あと、この映画で面白いと思ったのはこの映画が現在のアメリカを象徴しているところです。ウォルトがむかしフォードで働いていたが、息子はトヨタで働いているなど・・・ 何回見ても面白い映画です。 【のび太】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-05 13:01:54) (良:1票) |
32.ネタバレなしで。ここでの評価がむちゃくちゃ高いのも頷ける佳作だった。見た後こんなにも温かな気分になれる映画はそうそうない。しかもいわゆる「いい映画」然とした映画ではなく、笑いどころも思った以上に多い。友達誘って気軽に観にいける作品。 グラントリノってのは全盛期(前世紀)のアメリカを生き抜いたアメリカ男児の誇りそのものみたいなもんなんだろう。アメリカのじーさんってのはカッコいいね。いやむしろイーストウッド「が」カッコいいのか。老いた自分をネタにギャグを撮れる御歳78歳、恐るべし。 |
31.《ネタバレ》 暴力には更なる暴力を生むという、まるで現代社会の構図を投影させたかの様な図式だったが、結果的に人間としての生き方,価値,存在意義をものすごく考えさせれ最後は涙を流してしまった。異文化交流が実におもしろく描写されていて、そこには最終的に自分の命を犠牲にすることができる程の価値を見出していくことになる。誰もがイエス・キリストになれる訳ではないが、納得の行く人生を送りたいものだ。あと、イタ公の友人は最高だ。あのように常に罵りあえる友人を持ちたいと心から思う。 【ビンセント】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-04 21:05:29) (良:1票) |
30.《ネタバレ》 39人の平均が8.6点は高すぎにしても、評価の高い映画だとは思う。 けど、好みじゃないんだよね。 ミリオンダラーほどの辛さはないけど、やっぱイーストウッドは暴力的なことを描くのが好きなんだなぁ、って思う。 この映画の訴えどころ、感動のあたえどころ、にあれほどの暴力は必要ないと思う。 そういう思いでみてみると、つっこみどころはいろいろある。 ・タオが同民族のギャングに仲間入りのテストと、そそのかされグラントリノを盗もうとして失敗するのだが、それで、ギャング達からあれほどの仕打ちを受ける必然性がない。 ・ギャングによってスーが犯され、家を襲撃されるが、誰が犯人か、警察に言わない。のが「クチの固い民族」でかたづけられているが、いかにも変。 ・最後に、ウォルトが一人丸腰でギャングに向かっていくが、ライターを出しただけであれほどメッタ撃ちにあうことが不自然。確率的にはギャング側から撃ってこないことが十分に考えられたハズ、もしそうなった時、ウォルトはどうしたのだろう。丸腰だから、そのままスゴスゴと帰ってくるしかなかったのでは? この映画のテーマは理不尽な暴力が存在する、ことを訴える ものでないと思いたい。 【カシス103】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-05-04 19:13:44) |