《改行表示》 6.《ネタバレ》 タオとウォルトの関係は赤の他人だからこそ、もっというと人種が違うからこそなりえた関係なのかとも思えた。そういう意味では父と息子は最も近い存在だが、一番遠い存在のような気がした。 暴力の連鎖に無抵抗の死という形で見せた結末は、これまで様々な映画で様々な死と生の形を見せ続けたイーストウッドだからこそ深みを持たせる事のできる結末。今まで綺麗事を撮らなかった人だからこそ出来る、究極の綺麗事だと思った。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-12-08 00:27:04) (良:2票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 イーストウッドの映画は「観やすい」。人種差別、異民族文化、貧困、世代の断絶、暴力ととにかく重いテーマを真正面から扱いながら、観やすい、というのは凄い。イーストウッドという人はやはり大した映画人だ。 過酷な体験を持ち身の回りのことはきちんとこなし妻を愛し続け、しかし世間的にはその能力を評価されることはないウォルトにはみんな共感するでしょう。人格者の若い神父、何も言わずお礼の食べ物を届け続けるベトナム婦人たち、もちろんタオやスーにも共感するでしょう。でも偏屈なウォルト爺さんにうんざりする息子たちや間を取り持とうとする嫁、我関せずの孫たちにも共感しない?もっと言うとスーにちょっかいかけてウォルトに撃退される黒人ギャングたち、何もできない白人彼氏、コミュニティ内に生き場所を見つけようとしてあがく最低最悪なゲス野郎ベトナム人ギャング共にもちょっと共感しないかな? 自立したアメリカ人であろうとするスーは結局自分のコミュニティ内の暴力に打ちのめされる。そしてコミュニティは守ってくれず外側にある社会システムに訴えようとしない。ウォルトはそのアメリカ社会を信じて身を投じる決断をするわけだが、この決着の付け方に僕は違和感を感じる。要はこれが保守思想家であるイーストウッドが信じる核の部分なんだろう。 イーストウッドは人間とその集合である社会とそれが「信じるもの」を信じていて、かつ現実を見据えている。まことに立派な態度だとは思う。この映画は傑作には違いないが、果たしてこれが普遍的なメッセージとなりうるのかという疑問も感じる。そしてフォード社のグラン・トリノという車が理想の象徴になっていることにこの思想の限界を感じるのだ。 【tubird】さん [インターネット(字幕)] 6点(2018-10-10 23:30:09) (良:1票) |
4.事件と言うか出来事と言うか、展開が唐突過ぎて最後までのめりこめなかった。冒頭から中盤から最後まで「こう展開させたいのでこういう事件を起こそう」という意図が見えてしまって実に残念だった。例えるならば、私もブックのあるプロレスの試合をそれと知りながら楽しむファンではあるが、今まで最強のコンビを組んでた同士が互いの誤解から憎悪を募らせ、イザ血で血を洗う抗争に発展するか!という瞬間に、美女がリングに上がって「あなたたちは、本当は兄弟なのよ!」と言っていきなり「兄さん!」「弟!」と泣いて抱き合うような、そんな感じ。最後の和解が予想できるようなブックだとしても、もっとやりようはあるだろう!と突っ込みたくなる。とりあえず少年とお姉さんは素晴らしい演技だった。せつなさが伝わってきて感情移入できる。が、一度見たらあとは忘れてしまう類の映画ではあった。 【DeVante】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-11-23 11:48:31) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 自分が年をとったらあんな頑固じじいになるんだろうな、と思いながら見てました。死とは何なのか、人生の最期をいかに迎えるか、をしみじみと考えてしまいました。しかし最後、イーストウッドが大立ち回りをしたらな~とか思ったり。 【ほかろん】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2010-05-30 14:04:37) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 抑えられた表現の中で、少女に向けられた暴力と主人公へ放たれた銃弾の描写が際だち、非常に衝撃的だった。重厚でドラマティックな展開であるが、主人公が戦時中に何人殺していようと、ギャングの襲撃を鎮めるための人身御供となる行為は、衝撃が大きすぎて私は手放しで賞賛できず、むしろ迷惑な自己満足のように見える。しかしラストシーン、グラントリノを遺品として受け取った少年の表情を見るに、主人公の行為を、肯定しているかはわからないが、少なくとも意味のあるものとして受け止め、自身のこれからの人生に大きな力を与えられたと感じているかに見える。残念なことに私には理解できない。少女が受けた暴力や銃撃シーンに心が大きく揺さぶられたのは事実。 【サイレン】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-08-13 14:10:49) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 レビュー見て期待しすぎたんでしょうか?いい作品でしたがイーストウッドにしては無難というか置きに行った感じがしました。死にかけのジジイは肝が据わってるね。勇敢?向こう見ず?そりゃあんな安易な行動してたら復讐されますって。それでも死に際は流石にカッコよかったです。 白人頑固爺とモン族の青年やその他の人たちとのやり取りはよかった。特に散髪屋のシーンは好きです。 【雪駄】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-04-29 00:59:08) (良:1票) |