4.《ネタバレ》 原作未読、パート1は鑑賞済み。続編の成功は難しいのが定石ですが、本作においてはまずまずの出来具合。喧嘩のシーンは、相変わらず迫力満点です。 今回は、パート1で敵同士だった者が己の拳で相手を庇い、護り合う…という「男の友情」と「固い絆」の演出が施されていて、更に惚れ惚れとしました。
ただ、終盤に行くまで盛り上がりに欠けている気もする。肝腎の小栗旬に、またまた魅力が感じられなかったのが極めて残念。前回のような刺々しさの中に潜むお茶目な部分が少ないので、彼のエゴが目立ち、統率力やリーダーとしての資質にも疑問符が残ってしまう。それが演出的な意味での狙いなのかもしれないけれど、彼が父との一件を契機に改心して皆に助けを請う時も、どうも彼の姿勢や台詞からは「周囲への配慮」より「自分の目的」が先立っているように感じられたのだ。そう言った点で、前回よりも彼を応援したいと思えなかった事が、私にとっては致命的だったのかもしれない。
しかし、相変わらず山田孝之は存在感とカリスマ性には脱帽。それ以外の脇役陣も、皆キャラが立っていて自然と愛着が湧く魅力に溢れている。前作に引き続き実感したことは、クローズは三池監督だから成し得た作品である、ということと、本作は脇役に助けられている映画だ、ということだ。
<追記> 昨夜、久々に再鑑賞。病院でのケンさんの台詞に、とても心を打たれました。「人生は勝ち負けだけじゃない。立派な人間でなくても、生きる意味や価値は必ずある」ひたすら頂点を目指す源治たちには、今はまだこの言葉の本質は理解出来ないのかもしれませんね。それを理解できた時、果たして彼らは、どのような人生を歩んでいるのでしょう。若いからこそのひたむきさが眩しいです。 【港のリョーコ横浜横須賀】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-10-22 00:19:41) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 前作に引き続き楽しめました。 前作は高校の頂点を目指す物語。 今回は他校との争い。 個人的には、前作より今回の方が好きです。
元?チンピラ役、やべきょうすけの「生きる」ことについて熱く語るシーンに 不覚にも心打たれてしまいました。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-09 11:55:33) (良:1票) |
2.個人的には前作よりよかった。喧嘩のシーンはやはり男なら血が騒ぎます。日傘買おうかと迷いました。 【なこちん】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-12-17 22:14:22) (良:1票) |
1.原作「クローズ」の最大の魅力は、バラエティー豊かな“キャラクター性”だと思う。 決して主人公の描写に注力するわけではなく、むしろ周囲の様々なキャラクターに確固たる人間性を持たせ、様々な視点から極限の不良世界を構築したことが、この漫画の最大の成功理由だと思う。
そしてこの「映画化」が成功した理由も、まさに同じポイントを確実に抑えたからだと思う。 山田孝之が演じる芹沢多摩雄をはじめとする鈴蘭の面々、そしてトップ鳴海大我をはじめとする宝仙の面々。 映画独自のオリジナルストーリーでありながら、原作漫画に登場してもおかしくない(むしろ登場してほしい)と思わせるほど、魅力的なキャラクター造形が出来たことこそ、最大の勝因だろう。
特に、山田孝之のパフォーマンスは素晴らしい。 個人的にはそもそも好きな俳優ではなかったので、「クローズ」に出演という報を聞いた時は、彼があの漫画の世界観にどう息づけるというのかと、全く期待していなかった。 が、見事に主人公の最大のライバルというオリジナルキャラクターを演じ切り、強烈な印象を残した。時に二カッと笑いながら殴り合いをする様は、最も”クローズ的”だと感じさせる存在感だった。
この「クローズZERO」二部作は、監督三池崇史のバイオレンス性と多様性が、伝説的な不良漫画とこれ以上ない絶妙な具合で融合した作品である。 その完成度の高さは、ひとつのサプライズであったが、それは決して偶然などではなく、揺るぎない必然性の元で生まれた結果だ。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-10-23 14:03:45) (良:1票) |