17.ネタバレ 宇宙オペラものとしては十分合格でしょう。とにかくデザインが美しいですね。敵役ロミシュラン人の宇宙船の造形がよかった。ただ船内はゴミ捨て場みたいだったが。ブラックホール爆弾で星が消滅するというスケールの大きさにびっくり。CGには魅せられました。未来人からの攻撃というタイムトラベルものでもある。それでいて物語の中心はカークとスポックの成長物語プラス友情物語。恋愛もあり。詰め込むだけ詰め込んで、うまくまとめたと思います。気になったところ。少年カークはぶっとびすぎ。お母さんはどうなったの?試験問題はズルしたの?未来のスポックはどうしてあそこにいたのかな?偶然すぎる。ミシュラン人はスキンヘッドにタトゥーつけただけなのが悲しかった。彼たちは星を消滅させられて、復讐に25年間も待っていたんだよな。考えさせられます。 【よしのぶ】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-06-06 01:22:06) |
16.ネタバレ シリーズもののマンネリ化を払拭するために、過去のシリーズとは一線を画したものにすること、それは「バットマン」シリーズ、更には「007」シリーズにおいて成功を収めた。過去のシリーズやファンに対する敬意を忘れず、新たな展開を用意し客層を拡大する。 このとき、一番の手っ取り早いことは、バットマンの、ジェームス・ボンドの、誕生を描くことだった。往年のファンは興味を抱かずにはいられず、はじめてシリーズに触れることとなる観客たちにとっては入り易い。 それらを踏まえた上でこの「スター・トレック」は新たなシリーズを華々しく迎えた。
J・J・エイブラムスという人は兎に角端折る、無駄をすべて削ぎ取る。この展開の速さは少し尋常ではない。カークの母親など、産んだときにしか出て来ない。こういった映画にあるであろう定番の訓練シーンなども一切ない。宇宙船がワープするように、話もワープする。 しかしこれくらいの展開の速度が実は丁度いいのだ。いつまでもだらだらとやって3時間くらいのかったるい映画を作るハリウッドなど誰も望んではいないのだ。 言葉と暴力と接吻という最小限の感情表現手段を用いて、強引で調子がよい展開という映画における特権を最大限までに活かして、それでこの映画が大スペクタルとして成立するならばそれで良いではないか。 素早いモンタージュを繰り返すせいか、もはや実写とVFX、CGの違和感など問題ではない。むしろこの映画のそれらは圧倒的なまでに素晴らしく良く出来ている。
カークという男はどんな時でも崖っぷちでぶら下がって生きている男だ。 この映画では彼は三度も何かの端に必死に両腕二本でぶら下がっている。しかし彼は決して落ちない。 彼にスポックが「死に対する恐怖を理解しろ」というようなことを言うのだが、そもそも彼は死んでもおかしくない状況で産まれてきているし(母親の胎内から産み落されるのと同時に、父親の船からも産み落されるという構造が良いではないか!)、常に両腕二本でぶら下がって生きている男なのだから、そんな奴に死の恐怖もへったくれもないわけだ。だからこそあっけなく彼はキャプテンの席に着くこととなる。 この映画のそのあっけなさは、決して落胆するようなものではなく、むしろ痛快ささえも感じるあっけなさだった。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-06-03 21:54:18) (良:2票) |
15.ネタバレ トレッキーではない私にもかなりおもしろかったが、原作に詳しければより楽しめただろうと思われる部分が多数あり、それがちと口惜しい。そんなふうに思えるほど楽しい映画。 カークが不正に乗船した際のエピソードには爆笑したし、ドリル沿いに宇宙から垂直落下するシーンはなかなかの迫力だ。フェンシングだのスポック掴みだのでにんまりしたし、すべてのエピソードがそつがなく続く。だいたいどいつもこいつも「一見似ているようで微妙に似ていない」はどういうわけか。パラレルワールドなのでそうしたのだとしたら、何ちう芸の細かさか。 ラスボスは弱すぎ。しかしワールドだけでなく時間にもずれがあると判明した段階で、物語は添え物となり、ツッコミを入れるのは野暮となった。あっさり終わらすのもありだろう。 ラストは無鉄砲さという白人の生来の資質を肯定してカークが無事キャプテンの座に着く。ユダヤ的なものを代表するスポックや、黄色人やロシアや黒人はその部下である。ちと穿てばこの映画は、あきらかに都合のよい新生・再出発の物語だ。でも楽しいからそんなことは気にしないんだ。 ところでドクター・マッコイの眉のひそめかたは悪ノリのネタとしか思えないのだが、もし続編が作られるとして、ずっとあのままいくのかね。 【アンギラス】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-06-03 07:55:08) |
14.ネタバレ トレッキーとは言えないけれど「宇宙大作戦」のファンです。なるほど、と思いました。これまでのことに矛盾せずに、これからの展開に最大限の自由度を残した作り方でした。ファンなら若かりし頃のカークやスポック、マッコイ、その他の主要クルーの物語は是非観たいと思うもの。そこは期待に応えている。彼らの出会いのストーリーが、それぞれのキャラを大事にしながら描かれています。さらにカークが生まれると同時に父親が死んだり、バルカンの母星が消滅したりで「宇宙大作戦」とは違う時空のお話になっている。つまり、今後の展開は「宇宙大作戦」をなぞる必要がない。まぁ、このシリーズらしいご都合主義とも思いますが、自分は歓迎です。若返った彼らの物語が観たいので…。本編に戻ると、カークのやんちゃぶりにびっくり。もうガキ大将ですな。主人公はこれくらいでなくっちゃ。そのカークとスポックのファースト・コンタクトがコバヤシマルのシミュレーションだったというストーリーが泣かせる。主要クルーは、オリジナルの面影を感じる苦心のキャスティングだと思いましたが、決定打はスポックでしょう。似てる。そして、まさかと思いましたがスポック@レナード・ニモイまで登場させて、しっかりとバトンタッチを済ませました。難を云うならカメラワーク。動かしすぎです。若い人はああいう絵が好きなのかもしれないけど、もう少し落ち着いて見させてくれ、と言いたくなった。ともあれ舞台はできた。新しい「人類に残された最期のフロンティア」を巡る冒険譚に期待します。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-06-03 07:03:10) |
13.ネタバレ 前半は面白い。宇宙艦隊の設立の説明とかから始めるのかと思ったら、いきなり宇宙艦の戦闘シーン。テンポが早い上、手持ちカメラとクローズアップの多用のせいもあって、この映画はとにかく切羽詰った印象を与える。 そして速度を重視しているせいか、物語は段々といい加減で雑になっていく。「宇宙大作戦」というより、「行き当たりばったり大作戦」だ。
今回の最新作に感傷的なものはない(あっても、速度が凄まじいので、それを気にさせない)。やはり大胆にリメイクされたテレビシリーズ「バトルスター・ギャラクティカ」のようなシリアスでシビアなものも。 主人公たちが乗り込む宇宙艦エンタープライズのブリッジは光で満ちあふれている。かなりの電力使用量だ。エコだ省エネだと騒ぐ21世紀のことなどなかったかのように。23世紀にはそんな問題など解決済みなのだろう。これはオリジナルシリーズの精神を受け継いだ、楽観的な未来を描いた物語である。
映画は中盤以降も凄まじい速度で突っ走っていくが、見ているほうは徐々に冷めていく。若きカークがキャプテンになるまでを描いた物語だが、その道のりはダイナミックというより、強引で調子がよすぎる。私が思い出したのは、日本のコメディ「無責任シリーズ」だ。あれよあれよと出世していく植木等のように、カークもスルスルとキャプテンの地位に近づいていく。宇宙の星々を駆けめぐり、冒険と戦闘を続けながら(むろんたくさんの死傷者も出ている)、バイタリティあふれるカークの「人生一発大逆転」ストーリーが気忙しく繰り広げられる。 それでも見せ場は多く、退屈はしない。惑星への豪快なダイブにしてもワクワクさせられた(それだけにimaxで見たかった)。リニューアルされたエンタープライズの初登場や、老けたが、それでもきりっとしたあの俳優の立ち姿には感激した。 基本的にはカークとスポックの話だが、ほかのクルーたちにもそれぞれ見せ場が与えられている。出演者たちもみんないい。 【スポタ】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-06-02 12:12:05) (良:1票) |
12.ネタバレ 自分はトレッキーなので素直に感動した。3シーンくらいで泣きそうになったし(笑) でも、スタトレ映画でよく言われる「オリジナルを知らない人でも楽しめる」は嘘だと思う。 知ってる者との感情移入度はの差は、1光年くらいあるんじゃないかな? ヒーローズのサイラーが、スポックをやると聞いた時は「ありえない」と思ったが、しっかり役に嵌ってたしさすがだと思った。でも、スポックがカークの首を絞めているシーンは、その時だけ彼の顔がサイラーに見えたw
ストーリーは映画にしては、ベタだし、あっさりしているけど、それが逆にスタトレらしくて良いと思う。 だから、映画としての満点は付けないし、自分の中では大満足の6点です。 【♯34】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-06-02 03:39:43) |
11.スター・トレックのテレビシリーズはほとんど見たことがないし、馴染みのある顔はあまりいませんでしたが、意味わからん的なところはなかったので、それはそれほど関係なく、楽しめる人には楽しめるようになっているんじゃないでしょうか。 それにしても、ノンストップムービーは決して嫌いじゃないんですが、カメラまでノンストップのなのは困る。一瞬のうちに引いたり寄ったり回りこんだり右から撮ってたと思ったら次の瞬間には左から撮ってたりするので構図も何もあったもんじゃない。そのせいでアクションシーンはわけわかんないし、人がしゃべってるだけのシーンでもそういうことをやられるので集中できない。しかも、ほとんどのシーンでチカチカしてるもんだからとにかく眼が疲れる。(ここら辺に言及してる人がいないってことは、最近の大作って結構こういうの多いんでしょうか? 俺が大作慣れしてないだけ?) ともかく、ド派手の一辺倒でメリハリがなく、ストーリーもシリーズに思い入れがないせいか心に残るようなものでもありませんでした。観る前はB級だと思ってたんですが、スケール感のある大迫力のA級映画でした。あんだけすごい映像なんだからジックリ見せる部分ももっとあってほしかった。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-06-02 01:07:44) |
10.個人的にはチェコフが最高。“ミスターカトウ”だけがなんかアジア人というだけで似てもないし個性がなく残念であった。 あと、映画の構成としてはこれでいいのかもしれないが、映画冒頭にテーマ曲はちょっとほしかった。 【とと】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-06-01 23:57:03) |
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9.いいねえ!今まで見たどの”スター物”より面白かった。カッチョヨカッタ!よくできたいた。特に、転送装置とワープはいいねえ!かっちょいいー!!おもしれー! あとブラックホール製造ドリル!??が、かっちょいいぜ!! 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-06-01 23:48:36) |
8.ネタバレ エリック・バナ、メイクし過ぎ。言われなきゃわかんないくらい何処にでもいるありきたりの悪人顔になってんじゃん。アタシにゃカークにやられたロミュランの部下と奴の見分けがつかなかったぞ。あーあ、せっかくのいい男なのに勿体無い…… 【ぞふぃ】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-06-01 18:21:13) |
7.ネタバレ おもしろかったです。カークとスポックの人物描写も丁寧に描かれていたし映像も素晴らしかったですね。それとアメパイシリーズでアホな役柄を演じていたジョン・チョーが大活躍していて嬉しかったです。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-05-31 20:16:27) |
6.ネタバレ 私は宇宙大作戦以来のファンでありSF映画好きですが、 この映画にはビックリ。 「タイムトラベラーは過去を変えてはいけない」のSFルールがサクっと破られます。 そんなことはないと思っていたので、バルカンが滅びていくシーンでは混乱しました。 (正当なTOSファンなら、そもそも冒頭から「アレ?」と思うべきなのでしょうが)
で、そんな宇宙大作戦以来のファンでSF映画好きの私にとって、 この映画はとても楽しいものでした。 ほかの方も書いていますが、TOSファンをニヤっとさせるシーンは無論満載。 SF映画としてもいい絵を撮ってますね。 土星の雲間から浮かび上がるシーンはゾクゾクしました。
各キャラクターについては、オリジナルと比べると違和感のあるとこもありますが、 まあ、もう40年以上たってるのですから、それもいいのかなと思っています。 レナード・ニモイだって78歳なんですねえ。 それでも、今回元気に出演してくれて嬉しい限りです。 (カメオでほんの少し出るだけかと思っていたのでなおさらでしたね)
一緒に見たトレッキーじゃない連れも面白いという評価でした。 よい映画に仕上がったと思いますよ。 【シグ】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-05-31 19:27:05) |
5.スタートレックオリジナル未観、あまり期待もせずに観に行ったが大当たり。戦闘の大迫力とタイムパラレル、そして出演者の人間味あふれる演技、一話完結型としても問題なし、爽快なストーリーに流れるようなテンポ、見終わった後の満足さ、これはいける! 【珈琲時間】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-05-31 15:55:03) |
4.ネタバレ 期待に違わぬ秀作だった。かつて人気のあったシリーズをリメイクするのは、ときにリスキーな仕事だが、本作はじつにうまく、古くてまったく新しいスタートレックの世界を生み出していた。 映像の美しさや特殊撮影の質の高さなどは、おそらくほかの方が言及されると思うので、ほかの部分に着目すると、カークとスポックという双璧を為す二人の人物像の再プロファイリングが大変興味深い効果を発揮していた。若きカークは「宇宙大作戦」のカークより、一層際立ったキャラとなっており、喧嘩っぱやく直情的でよりダイナミックな個性の持ち主。しかし、ただ激しい性格というだけではなく、事象を冷静に見つめる鋭利さもそなえている。他方、スポックのほうは相変わらず“論理的”で冷静ではあるが、こちらも内面には豊かな感情を秘めていることがオリジナルよりはずっとあからさまにされており(ウフーラとの超豊かな感情交流には驚き!)、ひと味違うスポックとなっている。 そうしたキャラの再設定のおかげで、カークとスポックはまるで表と裏を引っくり返したような存在となっていることに気づかされる。外面は激しく内面は冷静なカークと、外面は冷静で内面は激しいスポック。両者はあたかも鏡に映った一つの個性のようで、プラスとマイナス、凸と凹を思わせる。他の追随を許さない特別な関係となることが、そんな人物像の組み合わせで示唆したのは見事。 オリジナルに対するリスペクトを十分に示しながらも、パラレルワールドのようなまったく新しいスタートレックの世界が誕生した思いがする。今後、本作では登場しなかったクリンゴンなどがどんな味付けをしてくれるか、とても楽しみだ。 あえて一つ突っ込んでおくと、本作は生まれ変わったシリーズのお披露目的色合いが濃かったゆえとは思うが、スタートレックを味わい深いものにしている哲学的テーマが見出せなかったのが若干物足りない。2作目以降では、ぜひ表面的なストーリーに加え、底流を支える深遠なるテーマの設定を求めたい。それがスタートレックをして、単なるスペースアドベンチャーものとは一線を画しているポイントなのだから。 【delft-Q】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-05-31 00:30:49) (良:1票) |
3.ネタバレ ラストに「宇宙・・そこは最後のフロンティア・・・」のところから涙が出てきた自分にビックリした。と同時に「スタートレックシリーズを見ていなくても面白かった」という友人には申し訳ないが、そんなうわべの面白さでなくこの映画のコアな部分も楽しめた自分に幸せいっぱいだ! ここからまた「始まる」気がしてワクワクです。 【かのっさ】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-30 19:00:32) (笑:3票) |
2.ネタバレ これほどとは思わなかった。超大傑作。 ひとことでいうと21世紀の「宇宙大作戦」である。 宇宙大作戦をリアルタイムで見てきた私としては・・もう感涙。 なにからなにまで宇宙大作戦テイスト。古くさいというのではない。 どっからどうみてもカークそのもの、スポックそのものなのだ。 人間が描けてる。カークの女好きでけんかっ早く情熱的な本性。 絶対不利な状況を交渉術で有利に持っていく話術。 外面は冷静、理論的だが、内には情熱や激しい感情ももちあわせるスポック。 これはもうスタッフにトレッキーがいるに違いない。 他のおなじみのメンバーも素敵だ。なんて魅力的に描かれていることか。 監督はそれほどファンでもなかったらしいが、 いうなればトレッキーのスタッフとそうじゃない監督が織りなす 絶妙のバランスの上に成立した驚異の傑作である。 脚本も素晴らしく、文句のつけようがない。 あのコバヤシ丸のエピソードがでてくるとは!笑った。 他にも宇宙大作戦ファンならニヤリとするシーンやセリフが満載。 笑いも随所にちりばめ、テレビ版との細かい設定の違いにも、答えを用意し、 突っ込みどころさえ一蹴してしまう。 まさか冒頭のつかみのエピソードだけで、うるっとくるとは思わなかった。 凄まじくスピード感に溢れた演出で、 最初から最後までハラハラドキドキ、血が燃えてくる。 ラストは壮快。 特撮CGもすごすぎる。 エンドロールの最後に「ロッデンベリーに捧ぐ」とあった。 天国で彼はこう思ってるに違いない。 21世紀のトレッキーもやるなと。 俺の作った本当のスタートレックはこれなんだよと。 スタートレック映画版では最高傑作!というか次元が違う。2も3も期待。 続編をはやく見たい! 【うさぎ】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-30 13:45:39) |
1.ネタバレ スタートレックの神髄は戦いの中には無いと思うのはロートルの勘違いなのだろうか。この作品を支配しているのは未来や異世界のヴィジョンではなく通俗的な破壊と暴力だ。悪役のロミュランはもとより、若き日のカークもそしてなんとスポックも!直接的な暴力を振るってしまう。エンタープライズやその僚艦までもがガトリング砲のような武器を多数装備していてダダダと弾を発射しまくるといった有様で必要以上に好戦的な演出が息苦しい。音楽が似ているせいもあって、その雰囲気はスタトレというよりまるで「スターシップトゥルーパーズ」だ(もちろんバーホーベンの脳天気な明るさは無い)。都合3度も繰り返される“絶壁にしがみつくカーク”というあまりにもありきたりのサスペンスも痛い。更に未来の人類や宇宙人のメンタリティがいちいち現代の我々と変わらないというのもいかがなものか。敵のロミュラン人の顔には今風悪ガキのタトゥーだしバルカン人の子供の間にもいじめがあるなんて、陳腐に過ぎてがっかりしてしまう。分かり易いのは結構だがちょっと観客の知性を低く見積もりすぎているのではないか。要は風俗から登場人物の葛藤まで現代のよくあるアクションものと変わりが無く、発想の飛躍が全く感じられないのだ。そのせいかワープで行ったり来たりしている割には宇宙的な広がりもなく、何かテーマらしきものが見えてくるわけでもなく、そこらのチンピラのいざこざを見せられているような殺伐とした印象しか残らない。やはりスタートレックには「想像を絶する新しい文明、新しい生命」を見せてくれることを期待してしまう。はたして進取の精神に富んだ、あのロッデンベリーがこれにOKを出したろうか大いに疑問だ。 【皮マン】さん [試写会(字幕)] 3点(2009-05-20 01:14:36) (良:4票) |