4.前半は「こんな映画見たこと無い!」と大興奮だったけど後半はテンションが高いだけでかなり冗長で退屈だった。 オチも驚くほど淡白で、時間を返してくれ!と叫びたかった。 前半の面白さを最後まで持続させることが出来たら映画史に残る傑作だったでしょう。 とはいえ、開始30分も経過しないうちに眠気が襲ってくる邦画が多い中で、この映画は個人差はあれど少なくとも約2時間分はほぼ間違いなく楽しめるわけで、ある意味奇跡的な完成度とも言えますよ。 【理不尽みるく】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-12-30 23:18:35) |
3.アクロバット盗撮の馬鹿馬鹿しさなんか好みだったし、「罪作りな神」としてのカトリックとその家庭ってのも日本では珍しい題材で、そうねえ、タイトルが出るくらいまでは興味が湧いた。なんか去年の『実録・連合赤軍』みたいな、作品を洗練させようとしないことでエネルギーを溜め込んだ映画になるのかな、と思って観続けたんだけど、でも、ならなかった。中盤「さそり」のあたりで無駄に長く、そのスカスカ感が最後まで続き、私は気が抜けた。ゼロ教会ってのが自明の理として邪教集団になってるのが話を薄っぺらくしていて(そいつらなら殺しても倫理的にかまわないらしい)、まあこの薄さは作者の狙いのようだけど、そのかわりとなる手応えは用意してくれなかった。ただ、ゼロ教会の「小池さん」やった安藤サクラの、性格悪そうな腫れぼったい顔の気味悪さは強烈で、特別演技をしてない場面でとりわけよく、中盤からは彼女の出番を楽しみに観ていたようなもの。これって変態ですか。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-12-30 12:12:06) |
2.社会こそ個人が洗脳されていることさえ意識させない超強力な洗脳マシンであり、カルト教団との違いはその信者の多寡にすぎないのでは。 個人が洗脳に対抗する拠り所は、その好き嫌いにある。そして好き嫌いは十字架だ。個人が勝手に選ぶことができない生まれつきのものだ。 せっかく生まれた人生、好きなものを隠したまま、本気で求めないまま死んでしまうよりは、社会からヘンタイ呼ばわりされても、開き直るほうが人生としては成功だ。 社会から排斥されても自らのヘンタイを抑圧せず、自らの性癖と社会との共存の道を探求していく戦いこそ文化を作る。 愛とは社会からヘンタイ呼ばわりされる性癖も含めて、その個人を受容し、その個性をその個性のまま伸ばそうとするもののはず。存在さえ意識されない強固に染み付いた社会の洗脳を解く鍵は愛にある。 ■この映画で一番悲惨な愛を貫いたのは、ユウがヘンタイであること、ヨーコが好きであることも含めてユウを愛し抜き、男女の愛が叶わぬが故に、代用として信仰を共にする家族愛のような関係を築こうとし、結局それさえ叶わずに果てていく邪悪な悪役コイケである。 とにかく4時間を退屈せずに魅せるだけでもすごい。満島ひかりのツンデレが魅力的、入魂の演技。 【マンフロント】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-10-18 06:35:21) (良:2票) |
1.いやほんと「ものすごい映画を観てきてしまった」と私も思いましたよ。インターミッションがあるなんてリバイバルで観た『風と共に去りぬ』以来です。主要人物の各エピソードを分けて見せる語り口は傑作『紀子の食卓』をさらに壮大にした感じ。それぞれのドラマは各人が別の人生を生きてきたようにそれぞれ違った色合いを持っている。そしてそれぞれの独立したドラマが絡まってゆく妙!絡まりながらとんでもない方向に向かうストーリーテリングの妙!映画は前半と後半では全く違う作品のようだ。中身はタイトルどおりに「愛のむきだし」であったが、思えば『紀子の食卓』も初期作品『うつしみ』も「愛のむきだし」だったことを考えれば、これぞ園映画と言えるかもしれない。そして『エクステ』以上にエンターテインメント映画でもある。笑えて泣ける壮大な映画は他にもあるがそれを「勃起」でやってしまう映画はそうはない。前半のアホらしい展開に脱力せよ!アクロバティック盗撮に笑え!満島ひかりの純白パンティに萌えよ!勃起したイチモツを下着越しにこすりつけるなんてことをカメラの前で堂々とこなす安藤サクラを育てた奥田瑛二に感謝しろ!そして最後は泣け!オモシロイ!! 【R&A】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-06-19 16:53:56) |