5.《ネタバレ》 巧い!ラスト3分前まではたいした映画じゃねえな、とか思ってたのが終わってみたらすっかり評価が変わってしまいました。最初は「マンガ?ヒーロー?なんの繋がりがあるんだ?それになんか全体的にモノトーン調だな、眠くなるわ!これでただのマンガと現実世界の区別がつかなくなった精神倒錯者の話だったら怒るぞ!」とかなんとか思ってたけどラストで全てが繋がった気がしました。まず善VS悪という話の骨格となる部分を漫画を使って導入したのが新しいアイデアでした。構図的にはデヴィッドが善の役目を司り、世の中をはびこる悪を倒すというヒーローものと同じです。しかしそんな主人公も愛してやまなかったフットボールを恋人のために断念し、挙句今では妻との関係もうまくいっておらず、地元スタジアムの警備員という自分の目指すべきはずではない職業に就き、そんな自分に毎朝目が覚めると悲しみを感じてしまう。それがストーリーが進むにつれて、妻との関係は良好になり、仕事ではニューヨークから誘いを受け、子供に誇れるヒーローとなり、そして遂に朝目が覚めると悲しみが消えていた。これでハッピーエンドだ!!・・・つまんねぇ~、と思ってた自分が甘かったです。悲しみを感じていた自分をヒーローにしてくれたイライジャと友情の握手!そしてその恩人本人が悪の親玉張本人だったという驚愕のラストにはしてやられました。そして更に凄いのが、この映画はオチが全ての一発映画ではないという点です。この映画がヒーロー映画だというのは最後に分かる話なので、もう一度始めから見ればまた新たな発見が出来ます。具体的には冒頭の一見無意味に見えるナンパのシーン、あれは実はナンパではなくてかつて自分が愛したフットボールの話に反応した、というふうにもとれるようにもなります。久しぶりに巧いっ!と思えるような映画でした。 【8823】さん [地上波(吹替)] 7点(2005-11-12 20:11:55) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 自分の、シャマラン映画への愛情に気づいてしまった私は、公開当時酷評を受けていたこの映画を観ていなかったことに気が付いた。他の方々のレビューを敢えて読んでからの鑑賞。感想は、他の作品のどれより良かったんじゃないだろうか。必要以上に暗くて鬱々とした映画だし、あっと驚くどんでんを期待すれば肩すかしを食らう内容だ。けれどもS・L・ジャクソンの異常というよりゆがんだ精神の持ち主と、B・ウィリスの寡黙で悲しい人物像はなかなか良いキャラクターだと思う。ヒーローと悪役とが、二人して自身の存在の意味をもがきながら探しているとは。こんな人間の弱い部分を見せられると、弱虫な私はとたんにしんみりと見入ってしまう。細かい粗は言い出せばきりがないが、これがコケたが為に「君の映画はアッと驚けなくちゃ!」とどこかの外野が耳打ちした結果が“サイン”や“ヴィレッジ”なのかと思うと、隠れた才能の芽を摘まれたような思いがする、そんな作品…う~ん、褒めたいのにうまいこと書けない。自分のこと印象的に登場させなければ、もうちょっと点もいいのに。シャマランよ。 【のはら】さん 7点(2004-09-21 00:40:18) (良:2票) |
3.まいった。まったく↓の方、そして264【MAZE】さんと同意見。付け加えることがない。海外ではけっこう点数が高いのに、日本ではなぜ評価が分かれるのか不思議。おそらく、善と悪に対して哲学的な価値観を持っているか、持っていないかの違い、ということにしておきたい。自分にとっては「シックスセンス」より明らかに上。 【mhiro】さん [映画館(字幕)] 7点(2004-09-04 20:51:33) (良:2票) |
2.きっと、あの列車に乗らなければ、彼は息子と何の変哲もない平凡な人生を人並みに送っていただろう。そして、背中合わせの彼も、『ヒーロー』を見出す事が出来なかったら、自分の“空想”に溺れながらガラスの身体を引きずって生きていただろう。この相反する2人に起きた変化は面白い。自分の“力”を受け入れたが、結末の残酷さに打ちひしがれる。望みを叶え、尚かつ自分の過ちに終止符を打つことが出来た。 一本の線上に描かれた劇画の『善』と『悪』...それは、哀しい程型抜きされたハッピーエンドをもたらした。イライジャの真の望みは果たされたのだ。ヒーロー程、割に合わない役はないだろうな。 【MAZE】さん 7点(2004-05-22 17:49:56) (良:2票) |
1.皆さん大多数が酷評ですが、私は楽しめました。 私は何の予備知識も持ち合わせず見ましたが、逆にそれが良かったのかもしれません。 自分を見失い、自分の存在意義すらわからなくなっている主人公。逆に自分の存在意義を見つけようともがき苦しむイライジャ。まさに相反するがひとつ。 ~しかし、ほとんど267さんの意見と同じなので省略。 何かが起こる期待、ではなく、人間の深遠を期待する映画だと思います。 【sherlock】さん 7点(2004-09-03 10:53:32) (良:1票) |