《改行表示》 6.《ネタバレ》 評価をするのは難しい映画だが、素直に感動することもできるので、それほど悪くはない映画に仕上がっている。 映画としてはかなり物足りない作りにはなっているが、ラッセ・ハルストレム監督がベテランらしく温かくて優しい映画を作った。 パーカーとHACHIとの関係ばかりではなく、夫と妻との関係、父と娘との関係をもきちんと盛り込まれている。 特別なイベントは存在しないが、彼らの関係性やお互いに対する気持ちは伝わってくる。 本作のストーリーははっきり言って存在しないといってもよいが、ゴチャゴチャと話を膨らませるよりも、HACHIだけをメインに撮ろうと余計なストーリーを省いた点は逆に潔いともいえる。 本作において必要不可欠な「パーカーとHACHIとの交流」「パーカーを待ち続けるHACHIの姿」だけあれば十分と判断したシンプルさが最近の映画には見られないものであり、評価できる点にもなっている。 秋田犬は、表情が豊かなため、色々と問いかけているようにも感じられるので余計な説明も要らないだろう。 ストーリーは最後の最後まで極めてシンプルとなっている。 新聞に載ったからといって変なミラクルも起きず、登場人物と絡んで余計な感動を強いることもなく、駅で待つHACHIにあり得ないようなハプニングも襲わない。 ただただ、周囲の人々はHACHIを見守るだけだ(時折食事を与えるだけ)。 観客も彼ら同様に、主人を待つ続けるHACHIを見守るしかない。 それだけでよいのではないか。 パーカーの孫のやり取りは、本作を見る子ども達向きには良いまとめをしてくれたと思う。 HACHIの姿を通して、“愛する人を忘れない気持ち”を大事にするという大きな話でまとめてくれれば、これが特別な話ではなくて、自分にとっても身近な話だと分かるだろう。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-08-16 22:44:17) (良:2票) |
《改行表示》 5.全編に渡ってキャラクターを全く掘り下げないで話が進むので、二十倍に薄めたカルピスを飲んでいるような感覚だった。つまり話が薄っぺらい。 演出は感動的だが、余りにも定番中の定番を何度も繰り返すので、映画というよりはテレビドラマに近いと思う。キャラクターも一人一人に魅力がなく、消化不良のままエンディングを迎えた気がした。もう少しキャラクターを描き切れていたら、ハチを取り巻く日常の群像劇にでも出来たと思う。折角名優をたくさん使っているのだから、人物描写をしっかりしないのは単純に勿体ないと思いましたね。例外がハチで、犬とは思えない様な色々な表情を見せてくれる。ハチのみに関しては大満足でした。 【民朗】さん [映画館(吹替)] 4点(2009-08-15 23:59:25) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 レビューの少なさと点数の低さに驚き! 秋田犬の演技?が素晴らしかったです。シンプルの極みのような映画。周りの人たちが、ハチの待つ場所に屋根を作ってあげたらもう+1点かな。ハチに悪戯する者が現れないかとても不安に観ていた。新聞に載せることによりその不安は倍増。人がたくさん降りてくるたびに自分がドキドキした。リチャード・ギアの『オォォォ ハチィ オオォォォ』はとても心に響きますね。 【まいるどへぶん】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-04-23 04:57:13) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 ハチの表情が本当に可愛くて、犬好きの人はハチの表情だけで心奪われちゃうと思います。晩年のハチを演じていたワンちゃんのよぼよぼ演技が素晴らしい!名俳優でした。 【Sea】さん [試写会(字幕)] 5点(2009-10-03 18:30:06) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 映画の冒頭、秋田県? らしき日本の風景が映し出され、子犬のハチが今まさにアメリカへと送り届けられようとしている。つまりここで、ハチが純然たる“日本の犬”であることが強調されているわけだ。当初は「?」なこの場面だけれど、見ていくうちにナルホドと納得させられるだろう。そうか、これはハチを通して「日本」を見つめようとする映画でもあったんだ、と。 投げたボールを取りにいかなかったり(あのスヌーピーですら条件反射的に追いかけるというのに!)、このリメイク版では、オリジナルの『ハチ公物語』にはない秋田犬ならではの性格が強調されている。こうした、“西洋人の眼から見た日本の犬”のストイックさと、しかし主人を全身全霊で慕うさまを、映画は、リチャード・ギア演じる大学教授と同じ驚きと愛情に満ちた眼差しで追い続けるのだ。そして、教授が文字通り「帰らぬ人」になった後、ハチがそれでも毎日駅に教授を迎えに行く。その忠誠心や忠義の徹底ぶりとは、まさに「無償の愛」そのものだ。そんなハチは、映画の作り手たちにとってたぶん、「サムライ」そのものだった・・・。 武士の心得を説いた書『葉隠』は、主君に仕える者(=侍)の関係を「黙って死ぬまでつき従う」ことの「究極の愛」としている。この定義ほどハチにふさわしいものはない(だからこそ戦前の日本で「忠君愛国」のイデオロギーにハチも取り込まれ、プロパガンダに利用されたのだった・・・)。それはしかし、主人が死んだからそれに殉じるというのでは断じてない。主人の死後もずっと慕い待ち続けるその「無私の愛」によって、洋の東西を問わず普遍的な感動を呼ぶのだと思う。本作の作り手はそこに、死の美学化ではない「武士道」の真髄を重ねているのだ。 それを、西洋人の単なる「日本幻想(オリエンタリズム)」というのはたやすい。でもこれは、アメリカから「日本(犬)」に贈り届けられた、慎ましくも美しい一編の“ラブレター”に他ならない。そして、そういった彼らの視点からこの忠犬物語を見直す時、ぼくたちはあらためて「ハチ」の生きざまを、純粋に愛おしむことが可能になるのだ。 HACHIィ~! 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-08-21 14:33:12) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 吹き替えで見たせいか、セリフと画面があまりマッチしている感じがせず 違和感を感じまくってしまいました。 主人公や家族や駅周辺の住民とハチとの関わりなど、もっとドラマ的に掘り下げてくれれば、もっと感情移入できたかもしれませんが、 物語は、終始淡々と進んだ感じで、盛り上がりもあまり感じませんでした。 駅長(?)さんや、ホットドック屋のおっちゃんが、新聞に載っただの何だのと俗なことを言うのも、なんかなぁという感じで・・・ それより何より、最初、主人公が飼い主が見つかるまでハチを家で預かることにしたのが、 保健所に預けると2週間が期限(それ以上になると薬殺されると言うことでしょうね)といわれてかわいそうに思ったことだったわけですが、 ハチが駅に死んだ主人を迎えに行くのを、「もう止めないわ」と家から出してしまった娘さん・・・あれはどうなんでしょうかね・・・著しく現実味を損なってしまって、正直しらけてしまったのは、私だけだったのでしょうか?その上、その後9年間もほっとくなんて・・・・(新聞記事になったほど話題になっているわけだから、知らなかったというのも変な話ですよね。ちなみにほんとのハチは、死んだ主人の知人宅で飼われていたようで、本作のように野良にはなってないみたいですが・・・) 結局、終始、ハチと人間との関わりは希薄なままで、その状態で孫が 「ハチは僕のヒーローです」なんて言っても、「そうかぁ?」という状態でした。 まぁ、そもそも、大正末~昭和初期にかけての日本の話をアメリカの現代の話に移植することに無理があったのでしょうか。 満員の映画館のあちこちから鼻をすする音が聞こえましたので、 単に私の心がすさんでただけかもしれませんが・・・(^_^;) 【りけい】さん [映画館(吹替)] 4点(2009-08-09 21:10:10) (良:1票) |