4.生きるということの素晴らしさをかみ締めました。これほどまで素晴らしい映画に出会えたことは本当に幸せです。人間一人一人がそれぞれ不幸を背負い、それでも必死に生きていこうとする。そして、そんな人々を赤ひげ先生はそっと見守っている。この映画をみていくにつれ、主人公の保本同様、赤ひげに心底ほれ込んでいきました。黒澤監督はダイナミックな映画を撮る監督だと思っていたら、こんなに人情味に溢れた温かい作品も作るんですね。僕はこの赤ひげが黒澤作品の中では一番好きです。 【デューク】さん 10点(2004-06-27 16:20:54) (良:1票) |
3.私が10点をつける(たい)と思う映画は、完成度や芸術度などの専門的なスキルなどではなく、私にどのような影響を与えたかで判断しています。この映画、観る人によっては説教くさい、理想的すぎて現実味のない話に思えるでしょう。しかし、私はこのような人の生きる道の理想を掲げる事の簡単そうで難しいテーマを扱った物としては、心を揺り動かされる感じがしました。多くのエピソードを絡めて若い医者の成長していく姿を自分に重ね合わせていました。黒澤作品の中では一番好きです。 【クルイベル】さん 10点(2004-04-30 11:46:52) (良:1票) |
2.高校の頃ってさ、一番スカしてる時期って言うか・・・私学特有の教育の一環みたいな感じで公会堂に観に来れば出席点やるよって言われてみんな無理矢理見せられた記憶のある映画。誰も見ないでしょう?クロサワの「赤ひげ」っつったって。音楽、ファッション、セックス(女性というよりもネ)にしか興味の無い輩集めて・・・だよ。もうホントに無理矢理見せられて・・・ところがさ、面白いんだコレ!最後なんて80人近い生徒がみんなひとつになってんの。爆笑のタイミングも一緒。あれはミョーな一体感があったなぁ・・・。映画が本当の意味でプロパガンダなどに効果があるという事を教えてくれた作品。 【シュールなサンタ】さん 10点(2002-11-03 11:38:41) (良:1票) |
1.黒澤流ヒューマニズム、ここに極まれり、だね。中でも、佐八の恋物語のストーリーが僕は特に衝撃的でした。雪の降る中での、出会いのシーンの美しさや、祭の日の再会での、風鈴の音の使い方。何とも言えず、ああ日本映画とは、こんなに美しい描き方をしていたのか、と思ってしまう。そして、何よりも「佐八」の心根のやさしさ、現代人には、ちょっと理解し難い部分もあるかも知れないけれど、昔の日本人は、こういう考え方をしたんだろうね。司馬遼太郎氏の傑作、「竜馬がゆく」のなかでも、竜馬が、さなこに(もし、同時に二人の男から想いを寄せられたら、あなたならどうします)と聞かれて、彼女は、(さなこなら、川に身を投げて死にます)と答える。今だったら、「馬鹿じゃない?」と言われそうな、この発想。でも、昔の日本人ってそうだったんだね。いずれにしても、「赤ひげ」一度は見ておいて損のない作品ですね。可憐で、いじらしくて、せつなくて、そして力強い日本映画が、ここにあります。 |