7.この映画はモノクロであることが非常に生きている。ただ「椿三十郎」から思っていたことなのだが、加山雄三は大根なのでは・・・! 【ロイ・ニアリー】さん 9点(2004-03-04 16:34:01) |
6.完成度と言う点においては黒澤作品でも屈指だと思います。エピソードがてんこ盛りでテーマが散乱してしまいそうな感じがしますが、構成のバランスがいいので気になりません。むしろ、それぞれのエピソードが一貫したヒューマニズムによってつなぎ止められ、お互いに共鳴し合っているところがとてもいいです。映画の中で語られる人と人とのふれあいそのままに、それぞれのエピソードが意識の中で絡み合っていく雰囲気が素晴らしい。原作も秀作ですが、本作はその原作に映画的な「躍動感」をうまく加えています。保本が狂女に襲われるシーンはもちろん、六助の臨終シーンという、人の死からさえも「躍動感」を受け取ることが出来るのは不思議。特筆すべきは、おとよが保本を看病するシーン。台詞もなく、テーマ曲と映像だけで詩的にあくまでも静かに表現しながらも、おとよの激しく揺れる心情が見事に盛り込まれています。まさに静の中に動を描いた黒澤映画の中でも選りすぐりの名シーンと言えるのではないでしょうか。三船の存在感も相変わらずで、ここまでくると凄まじいくらいです。結果的に本作は三船が出演した最後の黒澤作品となってしまいますが、黒澤監督が『赤ひげ』以前と以後に分けて評価されることが多いのは周知の事実。黒澤・三船の集大成とも言えるのが本作で、これ以後、黒澤監督は英雄を描き切れなかったという気がします。 【スロウボート】さん 9点(2004-02-11 16:57:26) (良:1票) |
5.人間万歳、俺も成長したいです。 【虎尾】さん 9点(2004-01-09 21:14:35) |
4.赤ひげ先生を通して青二才の医師の成長物語をメインに、左八とおなか、狂女と父親、おとよ、長次など江戸の庶民の生活や人情がオムニバスのように丁寧に描かれる。この人情はフランク・キャプラに通じるものがある。人間の善意に対する賛歌です。ただそれ一辺倒ではなく、多彩なエピソードは人間の持つ様々な面を描いてより現実的である。ちょい役でも豪華で達者な演技陣が配置され、それぞれが皆素晴らしい演技で見せてくれる。誰それといちいち言えないくらい皆素晴らしい。赤ひげ先生の人間像はもう理想の見本ですね。三船は見事なその人物像を十分に印象づけてくれた。やや説教臭く思うのは、山本周五郎がその傾向にあるので原作に忠実なのだと思います。 【キリコ】さん 9点(2003-10-13 21:02:29) |
3.おとよちゃんが救ってくれた。パッチ・アダムス先生、あんたは正しい。 【イマジン】さん 9点(2003-03-08 17:10:25) |
2. 黒澤明が国内で撮った作品としては最後の輝きとなった印象深い傑作時代劇。山本周五郎の原作「赤ひげ診療譚」も氏の庶民への優しい眼差しに満ちた傑作だったが、映画化された本作も優るとも劣らぬ優れた出来栄え。特に座敷牢に閉じ込められた香川京子演じる狂女への診断を巡るエピソードは深く印象に残る。長崎仕込みの阿蘭陀医学をハナにかける青二才、保本登(加山雄三)は町医者風情の”赤ひげ”こと新出去定(三船敏郎)の見立てを胡散臭く思い、安っぽい同情心と赤ひげへの当てつけから無断で狂女を診察して危うく生命を落としかける。可憐な乙女から豹変する香川京子の鬼気迫る演技は下手なホラー映画も真っ青のコワさ!机上の学問だけでは見通せぬモノを直感的に見抜いていた赤ひげの診断の的確さを保本に悟らせるこのシーンは実に上手い。あと、善良な車大工、佐八(山崎努)の余りに哀しいエピソードも安直な「泣かせまっせ」映画と違い、ジーンと胸を打つ。天才子役・二木てるみ演ずるおとよもイイ。185分を全く長尺に感じさせない黒澤の手腕は矢張り凄いとしか言い様が無い。ただ、完璧に拘り過ぎて製作スケジュールの遅れが響いたため、円谷英二氏や本多猪四郎氏に皺寄せが来て「三大怪獣 地球最大の決戦」を超短期間で製作させられたウラミは決して許されないので、キッチリ減点させて貰いましょう。よって9点。 【へちょちょ】さん 9点(2003-01-29 05:05:41) |
1.三船も加山雄三(え、これダレ!?というほどの男前)もよかったが、なによりも、診療所のまかないのおばちゃんたちがいい。クロサワはやっぱ、目のつけどころがちゃうね。 【ぶんばぐん】さん 9点(2001-03-25 08:20:35) |