《改行表示》 6.辛いことばかりのような世界だけれど、ふと気付くだけで、世界はこんなにも楽しいことに溢れているんだよ。 ということを、相変わらずの三木聡節で笑わしながら教えてくれる傑作だと思う。 しょうもない人間の滑稽さを並べ立てて、クスクス笑う映画だけれど、その中心にはしっかりと「芯」が通っている。 それは、滑稽だからこそ見えてくる人間の本質的な「価値」だと思う。 悩むことも、喜ぶことも、怒ることも、笑うことも、泣くことも、すべてひっくるめて人間というもので、そのすべてに対して「価値」があるということ。 そういうことを信じられるかどうかで、人生なんてものはいかようにも転じると思う。 何と言っても、麻生久美子が良い。 「時効警察」ですでに実証済みの三木聡監督の世界観の中でのコメディエンヌぶりは、麻生久美子という女優の幅を大いに広げている。 笑い、泣き、怒り、踊り……コロコロと変わっていく彼女の表情こそが、この映画が描く人間の本質だと思う。 「河童がいる」ということを基本的には信じていなくていいけど、「ちょっと今日は信じてみようかな」という日があった方が、きっと楽しい。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-12-28 00:16:58) (良:4票) |
5.ぶっ飛んだ、までは行かない映画。麻生久美子の魅力爆発ですな。あと、キャストがみんな素敵でした。お父さんとお母さん特によかった。 【kaneko】さん [インターネット(字幕)] 6点(2011-11-15 18:19:48) (良:1票) |
4.監督の劇場作品の中では最も毒気が薄く、笑いも分かりやすいと感じました。起承転結もちゃんとしている方。映画として、こなれて来たというか。ただ、小ネタの乱発ぶりはいつも通りで、良くも悪くも三木映画という感じがします。多分映画通の方からしてみれば、相変わらず「何だこりゃ」なつくりだと思うのですが、これが監督の味。自分も含めて、この味を楽しみにしているファンにとっては、十分合格の出来かなと。三木映画入門編としてもオススメ出来ます。常連のふせ、岩松、松重の3人に直接の絡みが無かった点がやや物足りないものの、前作『転々』の三浦同様、風間杜夫や松坂慶子といった大御所の転がし方は滅法上手い。三木作品の“正ヒロイン”麻生久美子嬢もノリノリで、加瀬とのマッチングも抜群でした。三木のキャラクターはみんな心根の素敵な奴らばかり。今回も気持ちよく作品世界に入り込めました。点数的には7点ですが、これは満点で7点の映画。ちょっと心を軽くしたい時に、うってつけだと思います。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-12-31 17:24:39) (良:1票) |
3.なんかわからんけど楽しい映画です。世界は捉え方次第だって。麻生久美子の魅力は満載です。 【Yu】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-05-11 08:02:43) (良:1票) |
2.この監督のいつものノリの映画です。悪くはないんですけど最後の「青年の主張」みたいのはちょっといやだ 【紫電】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-12-22 21:35:53) (良:1票) |
1.この映画のテーマは、ずばり「楽しむことの自由」である。僕ら人間は、出来合いの作られた「楽しさ」をお金を出して買うことが多い。でもその「楽しさ」は「消費」の一種でしかないし、みんなが楽しいといっていることをやってみたら、たぶん楽しいだろうという、ある意味確実性の高い、でも別の意味で凝り固まった世界観でしか成り立たない。この世界観では、「みえないものは存在せず、みえるものだけが存在する。」三木監督はどの作品でも、この「出来合い」の「楽しさ」に対して、別の形の「楽しさ」がちゃんとあるんだよと言っているように僕には思える。その「楽しさ」とは、「みえないものだって、存在する」というハチャメチャな世界観の延長線上に現れる。世界は、そのままで楽しくて、可能性に満ちているはずだ。世界を固めるか、柔らかくするかは、人間次第なのだ。すでに見えているものから何かを選ぶ自由は、まだ本当の自由ではない。本当の自由とは、世界をじーっと見つめることで、世界の新しい見え方に気付く事なのではないか。ゆえに、この映画をみて、「あーおもしろかった」、「つまんなかった」という感想を抱いているだけでは、この映画を本当に理解したことにはならないのだ。その意味で、この映画は、映画を超えたなの傑作である。 【wunderlich】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-08-10 15:37:10) (良:1票) |