《改行表示》 6.《ネタバレ》 決して救いのない映画。これが実話というのは重すぎる。特にやっと逃げ出して駆け込んだお店でのあの展開は本当に救いようがない。まさに理由なき殺人であり、その「理由のなさ」と「わからなさ」のゆえに警察がきちんとした説明が出来ず勾留できないというのは恐怖そのもの。(そういえば以前老婆を強姦した事件で「通常の心理では理解できない」から精神異常で無罪、みたいなありえない展開が日本であった気がする。。。)だが彼の釈放の直接の要因が「拷問したこと」というあたりは身から出たさびでもある。ここら辺、運命の皮肉というかなんというか。 とりあえず、平凡な住宅街であんなことが起きて、しかもやっと逃げ出したのに・・・という展開が壮絶な恐怖だった。しかも数少ない雨でも夜でもない晴れた日中のシーンで、数少ない殺人シーンが描かれているのがかえって怖い。 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-27 23:47:21) (良:3票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 韓流ブームをあまり好んでない私ですが、こういう良作が生まれるから韓国映画は侮れません。 韓国版セブンとでもいうんでしょうか? とにかく、終始、画面から目を離せません。 そしてあの犯人の淡々とした表情。 何を考えているのか全く読めず、それが余計に怖かった。 意外にもあっさりと犯人は捕まり、自供も始める。にも関わらず、一向に事件の真相に辿り着けないこのもどかしさや苛立ちは、他の作品ではなかなか味わえません。 内容が内容なだけに、気軽に薦められる作品ではないですが、映画としては良く出来た作品。 【抹茶御膳】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-08-13 18:45:15) (良:2票) |
《改行表示》 4.全ての映画に爽快感やハッピーエンドを求めてはいけないが、本作の不快指数は相当なモノ。 「面白い」という言葉一言では表現出来ないし、人に軽く薦めることも出来ない。 ただ、強烈なインパクトを残すのは確かだし、終始緊張感が漂い目が離せない。 ここまで振り切ってくれるからこそエンタメなのかな、と韓国映画のパワーに打ちのめされる。 【tonao】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-05-17 06:36:03) (良:1票) |
《改行表示》 3.あまりに救いの無い映画だが、実話を基にしたというのだから仕方ないところか。 猟奇殺人をテーマにした映画は数多くあるが、本作の見せ方は斬新で、目が離せない緊迫感があった。 一番最初のシーンからもう観る側に犯人の顔、やること一部始終を見せてしまう。犯人が捕まるのもかなり序盤であり、今までのサスペンスのような、犯人をやっと突き止めて全てが暴かれるといったものとは一線を画する。 この映画の緊迫感を持続させる要因は、やはり何と言っても殺人鬼ヨンミンの描き方だろう。 一見普通過ぎるぐらいの青年ヨンミンから、所々で垣間見られる凄まじい狂気。 ハ・ジョンウの演技力は本当に凄い。 感情が欠落しているかのように唐突で支離滅裂な会話や、表情、行動全てにおいて見られる異常性を、役が憑依しているかのごとく演じ切っている。 動機が結局深く掘り下げられず、犯人に全く感情移入出来ないので、モヤモヤが残るし、後味は最高に悪い。 だが、本来ヨンミンのような異常者の心理などは本人以外分かるはずがなく(本人ですら自分をコントロール出来ていないようにも見える)、本来猟奇殺人犯に一般人が感情移入し、理解しようとすること自体、無理があることなのではないだろうか。 本作の監督も、「犯人に幼児期の虐待などのバックボーンを背負わすことで、殺人の動機が限定され、観る側が犯人を理解したような気分になることを避けたかった」と言っている。 痛々しいシーンが多いし、後味は最低の本作。 だが物凄いエネルギーで満ちている。 物語が進むにつれて変化していく主人公、役に立たない警察、被害者・・見所が沢山あるし展開のさせ方も絶妙。 決して万人に勧められるものではないが、見応えは充分。 韓国のバイオレンス映画では「オールド・ボーイ」に次ぐ作品だと思う。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-07-13 10:52:29) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 映るもののほとんどが暗くじめっとしていて雰囲気がある。映画の舞台が車が行き違うこともできないような狭く入り組んだ坂道に隣接するところで、これだけで奇妙なゾクゾク感に襲われてしまった。殺人の追憶では徹しきれていなかったが、この映画は痛烈な公権力批判を行っている。杜撰な犯人のさらに上をいくお粗末な警察と検察が主人公の行動を阻んでいく。終盤で、主人公が犯人を殺そうとする瞬間に警察が踏み込んでくるというのは陳腐かもしれないが良かった。私刑さえも許されなかった主人公と被害者達のやりきれなさだけが残る。ただし、その後のシーンにそれ以上踏み込んだものがなかったのが残念。社会的メッセージよりもエンタメを選んでしまったという印象。主人公の心理に迫る深みや、観賞後に残るものも余りない。事件から5年ほどしか経っていない重い事件をモチーフにしているわりに軽すぎる気がした。エンタメとしては良作、社会派としては凡作といったところか。実際の事件はカニバリズムなども絡んできてもっと凄惨で、犯人と警察に対する憤りばかりが募ったと記憶している。被害者遺族に警察が足蹴りしたなんて報道もあったし。犯人の心理を掘り下げていかなかったのは個人的に○。不気味さが漂っていた。妙にあっけらかんとしている所や、行き当たりばったりな所も怖い。 【Nujabest】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-01-31 19:36:08) (良:1票) |
《改行表示》 1.実話を基にしている以上「面白い」と軽々しくいえないのだが、映画の出来として実話が基になっていることでより真実味と恐怖が増すというトリックがあると感じた。 特に殺人犯役の俳優は当たり役だろう。表情と目つきに恐ろしすぎる魅力がある。そこらのホラーよりもよっぽど恐ろしかった。 【おっちょ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-10-01 23:57:29) (良:1票) |