7.《ネタバレ》 とにかく好きです。ヘビースモーカーがタバコを吸うように何度も何度も観返してしまいます。ラシードはポールという偽名を使い父親と再開を果たし、ルビーはオーギーの娘だと真実とは分らないことを言い、娘を救う。オーギーも孫だと嘘をつき、おばあさんに最後のクリスマスを楽しませた。そしてたとえオーギーのクリスマス・ストーリーが作り話だったとしても書けない作家ポールを助ける事になる。皆が嘘をつき、それがうまい具合に運んで行くというおかしさ。クリスマス・ストーリーはもちろん、氷漬けになり息子より若くなった父親の話、タバコの煙の重さの話、4000枚の写真の話など一つ一つの小話も素敵です。ゆっくりした時間の流れ中で、じっくり味わうように観たい作品です。オーギーみたいなタバコ屋さんが近所にいたらいいのになぁ。・・・オレは吸わないけど・・・。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-11-02 17:40:55) (良:3票) |
6.ロバート・アルトマンのような辛辣な視線も、ポール・トーマス・アンダーソンのような溢れる激情もない、例えて言えば近所のスナックに来る常連客のような連中が織りなす日常の群像劇。なのに登場人物達それぞれのエピソードと人となりが脳細胞の一つ一つに染み入って、深く静かに感動させてくれる名作。ポール・オースターの生活者への愛情溢れる脚本とウェイン・ワンのオーソドックスで暖かみのある演出と映像、うまい役者達の、そこにいれば声をかけたくなるような演技。雑踏の効果音等もブルックリンの街角にいるような気にさせてくれる程のこだわり。人と人との繋がりの大切さを教えてくれる素晴らしき日常生活に、10点献上。 【sayzin】さん 10点(2001-10-14 16:52:24) (良:3票) |
5.《ネタバレ》 平凡な日常を描いているだけなのにしみじみ心に沁みる。煙草屋の親父のH・カイテルがなんでこんなに渋くてかっこ良いのだろう。描かれる“生活”の肌触りが確かなもので、地に足がついている。交わされる会話、何気ないジョークのひとつひとつに生きている実感がこもる。このさりげなさ。ルビーの手にまわってきた五千ドル。これまた さらりとかっこいい。サイラスの奥さんが素敵。若くて賢くて。くんずほぐれつしてるオヤジ3人と少年1人を彼女が救うんだ。「やめなさい あんたの息子よ!」って。ラシードの行く末が心配だったけど、彼女なら大丈夫ね。 【tottoko】さん [地上波(字幕)] 10点(2011-07-27 16:32:11) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 割とゆっくりした話し方でいろんな話を聞かせてくれるので、字幕と英語を聞きながら映画を見ることが出来た。とてもゆったりした気持ちになれた。ラストは特にタバコを最近控え気味の私にも、実に上手そうに思えた。フォレスト・ウィテカーやハーヴェイ・カイテルどちらも大好きな俳優さんでやっぱりいい味出していました。少年とカイテルとハートの3人でバーの閉めてある場所の(昼間ランチ時に使う部屋?)テーブルで5000ドルのやり取りの話をする時がとても好きです。ああ、もちろん部屋に入ってビールを片手に椅子をおろす所から。。かっこいいなあ。。。。隻眼の元恋人に5000ドル渡すところも、セリフのやり取りかっこいいなあ。。。。ちょっと精神的にやられていたのでこの映画でちょっと救われて10点!!! 【蝉丸】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2005-05-23 22:08:15) (良:1票) |
3.私はこの映画を誰にでも薦めてはいません。スポーツや芸術と同じように映画にもある程度経験や知識がないと見えてこない良さや難しさがあります。スモークもそのような感覚が必要な映画かもしれません。なんか難しく書いてますが僕にとっては素直にNO.1の作品です。最初から心に残るシーン・台詞の連続で、自分でも何度見たか判りません。(私はDVD・ビデオ・サンプルビデオ・ダビング版の4種持ってます。)「ハリウッド超大作は前ほど面白くないな」とか「最近脇役や端役の役者が気になるぞ」とか「このごろミニシアターの映画がちょっと面白いかも」と思うようになった方はぜひどうぞ!きっと長い付き合いをしてくれる映画になると思います。最後に一言。私の心のベストテン第一位で10点つけてますが100点満点の95点。最後のモノトーンのラストシーンは蛇足だと思います。最後のオギーとポールの昼食のシーンで切ってしまえば完璧でした。(理由はこの昼食シーンの「嘘がうまいのも才能だな」からの二人の会話が(ここが正に映画の核心だと思います。)モノトーンのシーンのために最後の最後でぼやけてしまうんです。)でもこの映画を超える映画を見たことがありません。 【狛犬がすき!】さん 10点(2004-02-09 21:23:01) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 会話の中での「間」を上手く使うことにより、絶妙に味わい深い哀愁をただよわせている。意気込みすぎることなく自然体で演技している俳優陣は作品に深みを与えてくれます。オムニバス形式により、親子間の問題や確執などが語られるが、それぞれのエピソード全てが人間味あふれる優しい作風を醸し出している。 特に秀逸なのは、オープニングでの「タバコの重さ」を語るシーンから、タイトルを出すまでのタイミングです。非常にセンスが良いので、最初から見る側に対して期待感を沸き立たせる演出として成功している。 しかし、この作品の 一番の特筆すべき点は、クリスマスのエピソードをエンドロールへもって行くアイデアではないでしょうか。これには天才的なものを感じました。 【おはようジングル】さん 10点(2003-12-20 08:46:58) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 好き、好き、好き。なんじゅっかい言っても足りません!!! 追記:再見しました。ビデオ化された当時に3回くらい見たのに、記憶ではもっと起伏のあるストーリーのように感じてしまっていました。なぜかなあ。ハーこんだけ淡々としていたんだ、とちょっとびっくりした気分。 こういうタイプがやっぱり好きだから、評価が変わったわけじゃないんですけどね。それはさておき。この映画で監督がきっとこだわったのは「表情」じゃないかなと。どの顔もいいんだけど、やっぱりクリスマスのおばあちゃまの顔がいい。あの話が映像として繰り返されることに反対意見がありますが、私は賛成派。語られているあのシチュエーションがまずあって、そしてタイトルロールに行く、というオチ。ここにカタルシスがあるんだと思うんです。あの作品には、そのくらいの「くささ」を盛り込むんじゃなかったら、ほかにどういったオチをつけるのがいいの?と思う。あれはあれでいいんですよ。 【おばちゃん】さん 10点(2003-03-21 02:18:20) (良:1票) |