4.あのカラカラに乾いた雰囲気と、エヴァの素っ気無い態度がメチャメチャ好きです。面倒くさそうにしながらも、いとこのエヴァにワンピースを買ってきたり、ひとり歩きは危ないと心配したりするウィリーのキャラもいい。なにをするにもどこへ行ってもニコリともしない彼らを遠くから写すモノクロの映像も美しい。沈黙ばかりのシーンなのになぜかプっと小さく吹き出してしまうところがいくつかあるのよね。こんな感覚の映画は初めてでした。ジョン・ルーリーの歩き方がいいわ。 【envy】さん 9点(2004-09-17 15:18:12) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 「予定調和を壊す空気・間」を堪能する映画。
1986年4月、今は無き有楽町スバル座での単館ロードショー。 中学3年生の自分が始めて一人でチケットを買い、劇場鑑賞したのがこの作品。 といってもちろんジャームッシュも主演ジョン・ルーリーも、(字幕の)戸田奈津子女史 だって知るわけない、単に親離れして、大人じみた背伸びをしたかっただけの事。
当時の世評としては「映画ファンには大好評、一般的には?」というのが通説。 そりゃあそう、80年代はまだ「脱力系ギャグ」という笑いは認知されてないから。 観客が想像するストーリーをことごとく外していく、ずっこけロードムービー。 ズレというか不調和を楽しむ映画として、私は彼の映画が好きだ。 気付いたら最新作「デッド・ドント・ダイ」までちゃんとスクリーンで追いかけている。
ヴィム・ヴェンダースやニコラス・レイ、そして小津安二郎を知ったのもこの映画だし、 音楽(スクリーミン・J・ホーキンスとかジョン・ルーリー、後にトム・ウェイツ)なんかも 彼から知った気がする。 彼の文化的教養に、自分影響されまくり。
そして齢50代になりつつある私、この度リバイバル上映(ヒューマントラストシネマ有楽町) にて鑑賞。「この映画が人生最初の映画館(おひとりさま)体験で本当に良かった」、 心底思ったよ。
この映画はぜひ、スクリーンで見て欲しい。 特に若い映画ファンに。 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 9点(2021-07-11 19:36:53) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 これは本当に映画の世界なのか?と疑わしくなるほど現実的でくだらない陳腐な日常を映し出しています。場所が変わろうが変わらぬ三人は、おそらくマイアミ・ビーチに辿り着けていたとしても変化は訪れずあの調子なんでしょうね。こんな何でもない物語で、格別お涙頂戴シーンを用意するわけでもなく、とりわけ感動的なセリフがあるわけでもないにもかかわらず、ところがどっこい最後にはすっかり胸に響いてしまうのが本作の凄いところです。ワン・シーン、ワン・ショットで撮影し黒画面でぶつ切りする形式は、登場人物たちの日常の断片を覗いているような感覚で、肩肘張っていない彼らに次第に親近感が湧いてきます。モノクロの効果も絶大です。ワンピース一つで三人の性格が窺える面白さや夜通し永遠TVを観続けている場面、オチどころかほとんど何も覚えていないジョークを話そうとするシーン、カンフー映画を観る風景がたまらなく愛しい。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-11-16 18:30:12) (良:1票) |
1.ジム・ジャームッシュ最高ですね!!ワンカット目から感動してしまいました。音楽もいいですし、三人のグダグダなコンビネーションも味がありました。映画なんだけど、「あるある!」っていう日常の雰囲気よかったです。弾まない会話とか。どのカットをもっても画になる映画って本当にすごいと思います。 【kaneko】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-11-29 14:45:11) (良:1票) |