5.《ネタバレ》 ファンタジーというジャンルの良い部分と難しい部分がよく分かる作品でした。アチラの世界は面白かったです。造形や色彩設定にワクワクさせられました。「世界観」自体を見せどころに出来るのがファンタジー。そこに相当な労力が注がれたことが想像できます。かなりレベルの高い作業だと思いました。それが良い部分。難しい部分は、その世界の活かし方です。自由に世界を創れる訳だから基本的には何でもアリ。でも、その自由度を上手くストーリーに乗せないといけません。テクニック的には、その世界観の中で物語をまとめる為に、どんどん狭くなって行く間口をすり抜けるような作業だと思いますが、「何でもアリ」を履き違えると違和感が累積して行きます。コットンがいきなり強くなったり、テオの飛行機作りに周囲が簡単に協力する描写がそうでした。後出しのジャンケンみたいです。男爵の立ち位置なども顕著な例でしょう。世界観を提示する段階で後の展開を全てすくい取る緻密な計算が必要と云うことだと思います。本編に戻って、両親との過去を回想するシーンは単純にホロっとさせられたのでプラス1点です。ちなみに自分の周りにも「ホッタラケ」がたくさんあります。確かに普段は見向きもしないけど、自分の歴史に関わるものは心情的に捨てられない。それで良いと思いました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-07-29 12:48:52) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 見た感じ、欠点多いです。セルアニメ的ポスターカラー風背景に、つるんとしたCGキャラが浮きまくってたり、そのCGキャラがかなり省略型デザインで、まるでマリオネット、パペットが動いてるみたいだったり。更に子供向けファンタジーでありながらクライマックスの動きは激しすぎ。秒間24フレームしかない映画で、情報量がやたら多い世界をめまぐるしくグルグルと動かされても絵が流れずに飛びます。設定的にもテオのワルな知り合い3人が半端な存在だったり、島における男爵のポジションが不明瞭だったりして、ずっとしっくり来ない違和感を心の隅に抱きながら映画を見続ける事に。でも、母を亡くした少女が辿る失われた思い出の世界の物語、楽しませて頂きました。お人形さん然としたCGキャラに命が吹き込まれ、不思議な世界を冒険し、ドラマを紡いでゆく。物語的に特に新鮮さはありませんが、シンプルな感動をきちっと与えてくれます。美術面は大変刺激的で面白いですし。結局のところホッタラケの島は遙のために存在した世界なのでしょう。そう考えればあちこちに存在する映画の綻びも納得できます。1つのCGキャラが広げてゆく世界にどこまで心動くかがポイントですね。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-08-26 18:14:12) (良:2票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 「いつのまにかどこかに行ってしまった大事なもの」 それはきつねさんによって集められ、きつねさんの世界はそうやって人間達にほったらかされたもの、ホッタラケで作られた世界なのでした。自分にもそんな風に無くしてしまったものがあったかな、そういえばあれはどこにやったっけ、と自分の思い出に想いを馳せるきっかけになる良いストーリーだと思いました。 テオによるときつね達はホッタラケのものを集めるばかりで、自分たちで何かを作ることはできないと言っていましたが、つぎはぎの材料でできた電車やバイクが出てきてその設定はもう既に破綻してましたよね。ラストは飛行機まで作ってるし。作れない、なんて設定なんでわざわざ作ったんでしょうね。 あと、ホッタラケの記憶が見られるホッタラケシアターはもっと見せてくれても良かった。例えば遥の両親のホッタラケにしたものがシアターに出る、とかもっと遥以外の人の記憶とかも見せてほしかった。面白いシアターだなと思ったのに、見せ場が少なくて残念でした。 自分の小さい頃に想いを馳せノスタルジーを感じることができたり、子供向けのアニメによくある物を大事にしようという教訓的な要素もあって、子供と一緒にも見られる良い映画だと思いました。私が上述したような気になる点は子どもなら気にしないかもしれませんね。そういう意味ではつまらない指摘をしたのかもしれません。今度子どもにも感想を聞いてみよう。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-10-14 18:49:28) (良:1票) |
《改行表示》 2.充分に予想出来たことではあったが、いかにもフジテレビらしい表面的なポップさが、“際立つ”というよりは、“鼻に付く”ファンタジー世界の映像的なクオリティーの高さは認めつつも、やっぱりハマれなかった。 可愛らしさとユニークさを押し売られているようなこの感じは、このキー局から発せられる“娯楽”すべてに共通するもので、個人的にこの数年特に嫌悪感を覚えてしまう。 ストーリーは極めてありきたり。「不思議の国のアリス」的な導入から始まって、他の作品で何度使い古されてきたか分からない“死別した家族との心の交流”が、特に何の工夫も無く描き出されていた。タイトルからしていかにもでダサ過ぎる。 ありきたりでも何でも、お話として説得力が備わっていれば、充分に観れる筈だが、主人公をはじめとするキャラクター達の言動における「理由」が非常に曖昧で、薄っぺらい。 完全に、「そういうストーリーだから」という理由が先行する形で、アドベンチャーが繰り広げられるので、感情移入をすることが出来なかった。 娘をもつ一人の親としては、ラストのくだりに対してはどうしても涙腺が緩んでしまったけれど、それはもはやこの映画によるものではなく、あまりに普遍的な親の心情によるものでしかない。 その他諸々注文をつけたくなる部分は数多い。 いくらなんでもあれだけ危険な目にあって無傷ということに違和感を感じる。 「不思議の国のアリス」的な導入なのだから、むしろがっつりと“夢オチ”にしてしまって良かったと思う。 「夢だったのかもしれない」と思わせた方が、主人公自身が自らの中で心の成長を遂げたことが際立つし、押し付けがましい世界観にも幾分納得がいったと思う。 最終的には、綾瀬はるかが声優を担当したヒロインの、微妙にエロい短いスカートの丈の印象だけが残る「不純」なアニメ映画に仕上がってしまっており、残念なような、嬉しいような……。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 3点(2013-06-05 23:36:31) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 『プロダクションIGによって描かれたCG女子高生のパ○チラ目的』という犯罪的でゲスなスメルをまき散らしながら映画館へ。 ガッツシは少々ですが、際どいシーンが沢山。このカメラワークを考えた方は天才だ!!『今のはアウト!いや、セーフか』。おかげでスクリーンにかぶりつく様に観させていただきました。 ん、ストーリー?う~~~ん・・・・普通。 母親の形見の鏡を探して異世界を探検。途中裏切られながらも、種族を超えた友情を芽生えさせながらの大冒険。後半のヒロイン救出大作戦もベタながら(ただヒロインの拘束具合が異常にエロかった)スピード感もあり『当初の目的』を忘れて魅入ってしまいました。 CGに関しましては、背景はトゥーン調の3Dと2Dを織り交ぜ(キャラの周りは3Dで遠方の背景は2Dとか)、細かさも相まってなかなかの出来ですが、キャラのモデリンに関しては若干荒くピクサーに軍配。よく見るとキャラが背景から浮き出しているように見えるところも残念。ただ、ただし。衣服(特にスカート)のヒラヒラ具合に関してはもはや完勝(まぁピクサーにスカートヒラヒラなんてシーンありませんが・・・)!!さすが日本国民!力の入れるところが変だ!!ただし、髪の揺れ具合がイマイチだったのでがマイナス。 演技に関しては、主人公以外は軒並みプロですし、綾瀬さんもかなり検討されていました(予告編の映画レントンたちに比べれば月スッポン)。 尺に比べて山場が多いため全体的に駆け足気味+キャラの掘り下げができないなど欠点も、2時間でも良かったかな。 ただ、いじめっ子集団や、人間嫌いな住民達を救出作戦に参加させるために用いたのが『友情や説得』ではなく『金の力』と言うのが斬新。まぁ最後はみんな仲良くなりましたしきっかけなんてそんなもんでいいのでは、いきなり仲良しよりは無理なくていいですし、なので+1点。 『日本のCG技術の確認』『異世界冒険記』を見たいと思う方にはまぁまぁ満足できると思いますし、『同志』の方には満足いただけるかと。 【ムラン】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-08-30 09:39:52) (良:1票) |