8.《ネタバレ》 「かもめ食堂」、「めがね」に続いて同じ座組みで作られた作品。今回も音楽もうるさくなく、ゆったりと俯瞰気味で撮影されており、おしゃれなコマーシャルフィルムのように仕上がってます。ただ、作品のテーマに応じて撮影方法も変えるべきだと思います。「かもめ食堂」がヒットしてこの手の映画がやたらと増え、本家であるこの作品に対してもそのようなスロウな映像を観客が期待しているのは仕方のないことかもしれませんが。伝えたいことがいまいちよくわからず(特にもたいさん)、でも映像を観てるとなんとなく癒されるような気がするからと思いながら睡魔と戦って観るというのは実は癒しでもなんでもなく苦痛でしかなかったりする。 【かんちゃんズッポシ】さん [DVD(邦画)] 3点(2010-12-24 01:41:21) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 朝ドラ『あさが来た』が大人気の大森美香さんが脚本・監督を担当。この方、以前の『風のハルカ』もなかなかよかったと記憶しております。しかしこの映画は、それらとはかなり違ったテイストの話。正直、大森さんのいいところが発揮されたのかどうか、疑問が残ります。どうも製作側に求められるようなものを作ったのではと思われます。結果、あまりできのよくないものが生まれたのではなかろうか。
「そうしたかったから」では、なんの解決にもならない。それなら人を殺すのもテロを起こすのも「そうしたかったから」、「そうするのが正しいと思ったから」で理由が成立してしまいます。そうした不条理というか無責任を、狙ったのかどうか。結局よくわかりませんわ。しかしいずれにせよ、こんな映画でまったりなんかできません。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2016-01-09 22:18:43) (良:1票) |
6.私はサラリーマンです。 かもめ食堂同様、エスケープしたくなったぜちくしょう。 良い映画。 【lalala】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-08-28 14:03:19) (笑:1票) |
5.《ネタバレ》 主題は「母親探し」である。あるいは母性ともいうべきか。さよは母親に日本に置き去りにされ、ずっと母性を求めてきた。ビーにも母親は居らず、面会に行った人は別人であった。それぞれの母性を取り戻そうとするストーリー。そう解釈するのが素直だが、実際この映画で母性を取り戻すことは無い。「ごめんなさい。私が悪かった」といって抱きしめるわけではなく、母親はあっけらかんと「その時そうしたかったんだからしょうがないじゃない」と言い放つ。さよがそれに納得していないのは明らかである。ではどのようにこの物語を解するか。思うに、それがプールの役割である。タイトルにまでなっておきながらその本来の用途では一切使われない奇妙なそれは、実は母性の象徴ではないだろうか。実際にさよが上手くコミュニケーションをとり、心を通じ合わせているのはプールサイドでの会話が多い。さよはプールサイド、母親の側で成長した。今まで喪失していた時間を取り戻すかのように。そしてさよが十分に成長し、「親離れ」した時に、旅も終わり、帰途に着くことになるのである。故に舞台を日本ではないどこかにする必要があった。このように考えたが、もたいまさこの存在はまだ謎。二回目に考えよう。この映画はほのぼのとしているようでどこか作為的、人為的で、そこが決定的にかもめ食堂などとは違う。そしてそういう意味でなかなか面白かった。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-09-25 13:55:40) (良:1票) |
4.「かもめ」のチーム3作目。妻が好きなのでレンタルして鑑賞しました。相変わらずのゆるーい世界観。私は、この人たちどうして稼いで暮らしているのだろう?この土地や建物はどうして手に入れたのだろう?とか諸々のことが気になって、いまいち浸り切れず自己嫌悪。今回はあまり、楽しめなかったけど、4作目も観るんだろうな~。 【ぽじっこ】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-07-24 11:27:37) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 全2作もみていますが、ぼくは今回も”カモメ”のトップは不動になりました。 こういうのは”センスだけ!”の作品なので、映るものすべて、すこしでもかっこう悪いことはできません!”これはアリだね!”と女性に共感してもらうため、あえていうなら、”それだけの作品”ということになります。これはけなしているのではないです。それでいいのです。なぜならぼくは”かもめ食堂”が大好きです!さて今回の感想は、食事のシーンが非常に弱かった!それから、すこし俳優の演技が弱いことと、特に”脚本、演出”がわるかった。(かもめは、そこが優れている)よかったところは、女の子がはじめてプールと対面するまでの過程。そしてラスト、日本に帰る女の子が、もたいさんと別れるシーン。そして、朝のプールサイドのもたいさん。彼女は最後もう死んでしまっているのではないか?と暗示させます。そして、帰る路すがら、いるわけのない、もたいさんを発見する。そして、道中を飾る、僧侶達の行列。”キレイねえ”と言って映画はおわる。まるで、もたいさんへの送り火のよう。と、ぼくは感じてしまいました。とてもいいラストでした。 この作品も、或る意味ロードムーヴィのようです。こういうのは、出来るだけ日本から遠くの”住んでキレイ”な外国がいい。 追加!そうです、”音”です!音もいいんです!(日常音ね!) 【男ザンパノ】さん [映画館(邦画)] 5点(2009-10-24 11:48:56) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ストーリーは消化不良があるものの、観ているこっちがのんびり、まったりできるような作品と思えました。劇中の音楽が無いので、周りの音が強調され良い雰囲気をかもしだしてました。布のこすれる音、足音、水音に食事・・・どれも身近に聞こえる音なのに、この映画だととても心地よく聞こえました。家で観るなら、天気のいい日に5.1サラウンドで広めの部屋、そして大き目のソファーでまったりしながら観たいものです。個人的に印象に残った音はバナナを揚げてる音。あれは無性に食べたくなりましたね。 【あんどりゅ~】さん [映画館(邦画)] 6点(2009-10-04 00:41:16) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 『かもめ食堂』『めがね』に続く第三弾的な売り方をしておりますが、似て非なるというか、意図してか天然か判りませんが、下手をしたらその二作のアンチ映画として位置しているようなシロモノに仕上がっております。何故なら、この映画には終始不安感が漂い、ざわざわと心が落ち着かない要素が散りばめてあり、癒しなどとは逆の、サスペンスかの如き様相を呈しているからで。更に、最初に美味しそうな料理(しかし何故かタイまで行ってちらし寿司)を見せ、これまでのパターンを踏襲するのかと思えば、料理映像には寄らず、それどころか静かなクライマックス、母娘の対話シーンでは美味しいと言いつつも鍋の中身は判らず、その上、何匹も蝿がたかっている始末。前二作の美味しそうな料理映画からは完全に外れています。そして、そこで語られるのは『かもめ食堂』的、『めがね』的生活を選んだ母親に対する娘の非難。なんとした事か、その問題を始めとして、心が落ち着かない要素全てを、この映画は全く解決しようとはしません。放置です。この映画、多くのシーンで人が物陰に隠れかかっている、物陰から出てきて、しかし人と交わらずにただ様子を窺っているという映像を繰り返します。それは登場人物同士の埋まらない絶望的な距離感を描いているようであり、設定や物語と共にその居心地の悪い関係性を観客席にまでじわじわと染み出させているようであり。プールに入った人間はおらず、足をつけただけの人間はむしろ現実的な生き方を求められた二人。タイトルにまでなりながらその役割を成していないプール。「あちら側の世界の人間」にとってプールとは現実へ至る畏怖すべきイコンなのでしょうか。まるでこのままその世界はジワジワと腐ってゆくようにさえ思えます。現実的な二人こそがその世界を浄化しようとしているようで、だけど他の三人は・・・。あまり美しいとは言えないリアルな色彩の世界も含めて、前二作で荻上監督が創造した世界に対して、リアルサイドから見た負の感情がうねってしまったような、異形の映画ではありました。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 4点(2009-09-28 11:54:25) (良:1票) |