4.《ネタバレ》 完全に実話なわけじゃないようで、実際どう収束したのか知りたくなりました。独裁政治が成立する条件を挙げていくくだりで「高い失業率と社会不満」との言葉が出てきてちょっとヒンヤリした。ただ日本人は今のところさほど不満を感じてなさそうだし、ネット上でプチ団結もどきして憂さ晴らしてそうなので大丈夫かな…? 今の日本は戦争直前の雰囲気に近いと聞きもするけれど…。日本は中高制服当たり前だけど、制服に別に反対する気はないものの黒とか紺とか夜道に見え辛い服でうろつかせるのはいい加減やめて欲しいものだ。ある人があるアニメについて「友情とか仲間とか、そういうのに弱いんです」とか言っていて、僕はそれに内心冷めて返す言葉も見つからなかったことがありますが、友達の数がどうのこうの言ったり、気に入らない奴のことを「きっと友達少ない(いない)」だの書き込んだりする連中て、もしかすると流されやすいのかもね…。仲間だ友だと力入れる人、そういうのは会社組織の派閥でも政治派閥でもヤクザの世界だって似たようなもんで、要はその集団が何を犠牲にして何を得たいのかの物差しの質が問われるんだと思う。映画の元になった事件は実際どんなものだったか知りませんが、危険性や取り返しのつかない生徒の心の傷のことはとりあえず置いておくなら、とても素晴らしい授業と思えます。しっかり抜かりない安全装置を確保できる指導案ができるならば、これほど生きた社会勉強はないと思うほど、教師の授業能力には感心しました。「いい面もあった」という生徒の言葉が妙に心の隅に残ります。思想信条自由すぎてみんなバラバラで不毛な世界も嫌だし、違う価値観を認める余裕を持たないガチガチの世界も怖いし、いろいろ考えさせられます。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 9点(2013-08-24 23:00:12) |
3.個人主義だとか全体主義だとかの境界線の曖昧さを、これ以上なくシンプルに描ききった怪作。ラスト、生徒たちが一教師に向けた蔑視が、なんとも苦味があり、恐ろしい。 【aksweet】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-08-02 00:38:37) |
2.《ネタバレ》 貧困や社会不安の中でナチスのとった民衆掌握の手法の数々が、何不自由ない現代の若者にもそのまま通用するという設定が少々強引であることと、あそこまで短期間で熱狂していく過程がやや不自然ではありますが、「発言は手を挙げて、私語は禁止、白いシャツに統一、教師に経緯を払う」って、そのまんま日本の中学校の教室風景だし、集団によるイジメなんて、この映画の様子よりひどいかもしれない。すると、日本の中学校システムはファシストの実習体験の場なんだ(ただし、日本の中学校教師に独裁者としての権限は微塵もないのだけれど)、ということにいまさらながら驚き、日本人の集団行動好きや指示待ち姿勢、お上に逆らわない態度などは中学校システムに根っこがあることに気付かされる怖い映画です。確かに私も中学校のクラスの一体感は小学校や高校よりも強く、甘美な思い出として深く記憶の底に根をはっていたりします。ああ、中学校システムとはなんて恐ろしいものなんだ。 【杜の都の映画好き】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-05-16 00:19:27) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 ファシズムを推進していくことは非常に魅力的で楽しいことである・・・・・。非常に興味深いテーマを取り扱っているのであっという間に時間が過ぎていきました。 集団の中で一致団結すること自体は悪いことではなくむしろ良いことであると思うのですが、それを扇動し一つの方向を定めてそれ以外については排除してしまうことが問題なんですよね。特に、疎外された人間の劣等感を逆手にとって利用するような行為は絶対に許されるものではないと思います。 まあ、人間の心なんて本当に弱いものですからこういう映画をどんどん製作してもらって、絶えず警鐘を鳴らしていってもらいたいものです。 【TM】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-10-15 09:09:29) |