6.《ネタバレ》 ごめんなさい普通に楽しめちゃいました^^原作を読んで、決して和製「逃亡者」ではない、とわかっていたからかもしれません。 原作でも何度も繰り返される「もう、詰んでる」という台詞……。そう、実際にもし巨大な陰謀に巻き込まれたら、一般人は勝てない。間違ってもその陰謀を暴くことなんて出来ない。要するにこの作品は、負けが決まっている勝負に叩き込まれて、それでもまだ、もっともマシな負け方を目指してあがく男の物語なのです。その中で、過去の人のつながり……学生時代の友人、恋人や職場の仲間、そして家族の「信頼」が主人公を助ける。そこが僕にとって、この映画の何よりの肝。 だから、ストーリーのさまざまな不自然さ(森田の不合理な役回り、完全にご都合主義のキルオ、オンボロ放置自動車がバッテリー交換と給油だけで自在に動きだす不自然さetc)は瑣末な問題としてあまり気になりませんでした。 そしてだからこそラストシークエンスで、見事逃げ切った主人公の、助けてくれた人々に対する彼なりの粋な「お礼」と、かつての恋人からもらった最大級の賞賛に「よかったな」とホロリとさせられたのです。 【大鉄人28号】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-10-20 13:26:58) (良:5票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 アレ、おかしい。面白い。凄く面白いし良く出来てる。 伊坂幸太郎っぽさって実はあんまり反映されていなくて、台詞回しとかキャラクタの心理描写なんかが上手く演出されてしまって元の味わいはない。おなじセリフやシーンなのに違う感じがするのは映画というものの性質上仕方が無い。 で、どうかというと結構良い。文字だとどうしても表現のしようが無い部分が簡単に画で迫ってくる。とは言え、迫力と引き替えの緊迫感のトレードオフなんかも生じる訳で、この辺はやっぱり割り切って楽しめる。 話はやはり良い。どうにもならないけど、どうしようもなく存在する恐怖感というのは結構古典的だ。プロット的には一般的な陰謀のど真ん中あたりを想定していて、ありきたりな「こうではないか」を聞いたら「そうですよ」と言われかねないほど画に描いたような暗殺の陰謀だったりするのだろう。つまり誰の手にも負えないリアリティの中に放り込まれたフィクションの人物劇であって、彼が勝ち残れる望みははっきり言って無い。個人や個の集まりなんていうものは社会や世界インフラの中ではその利用客体に過ぎず、主体的な改変をなし得る存在ではない事実が主人公に襲いかかる。それを最後まで完徹して見せて、見えてくるのが本当のテーマ、個の限界性と「とにかく死ぬな」だ。 恐らく打ち破る話というものを期待してしまうとがっかりしてしまうのだと思う。だけど、とにかくどう言う形になったとしても生き残った。殆ど何も持っていないし、生き残った後に元通りの大きさの幸せがある予感も全く無いのだが、それでも生き残って人を気遣う気持ちを残している。 良かった。ほんとにそう思うのだった。 【黒猫クック】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2012-03-27 00:15:09) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 まるで関心なかったけれどテレビ放送をたまたま見たら面白かった。都合で途中までしか観られなかったのでDVDをレンタル。テレビ放送では小さくカットされていた部分も確認できて良かった。ヒューマンな小話が伏線として1つ1つ回収されていくのが気持ち良くてグッときました。伊東四朗で感動できるなんて思わなかったし、一切喋らず変人笑みの永島敏行も良かったです。「何やってんの」「ちゃちゃっと逃げろ」「だと思った」「痴漢は死ね」「たいへんよくできました」の場面はきっとずっと忘れない気がします。TVとDVDで半分2度鑑賞になりましたが、2度目の鑑賞でパーカーの手配犯の死に方が無理あり過ぎで、そこだけ引いちゃいました。普通に喋って普通に歩いて、白衣には破れもシミもなくて、なのに座ったらいきなりドボドボって・・・。で、このパーカーの男は、やる時は簡単にやっちゃう人物のようだけど、反面では人を助けもするのだが、この男の背景がさっぱり分からなくて、殺る人間と助ける人間をどんな物差しで量ってるのか、そもそもそんなものはなくて気分で動いてるのか、そういう情報が一切ないままなのは消化不良で、そんなワケ分からない人物に主人公が平気で付き合ってるふうなのがマイナスでした。あと「信頼が武器」って、最初に親友に売られて、本気でそれ言えるかな? ってのもあるし、宅配の友達が主人公を警察に引き渡すことになるワケも、その直後の二人の様子も僕には「?」でした。そのへんがもっと納得できる作りだったら9点以上つけたい作品でした。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-10-04 04:52:42) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 原作未読。他者の感想情報あり。「信頼」が主題とのこと。そういう意味では主人公が旧友、または通りすがりとは言え共感を覚えた人々の助けを借りて窮地から逃げ切ったという話。「謎解き」を求めていては満足感は得られないと言う微妙な作品だと思います。また、「別人となって生き抜く」ことを選び、「無実を晴らす」ことを選ばないという結末に関して微妙。しかし、俳優さん達が存在感を十分発揮しているので見ていて飽きませんでした。キルオが死んでいくことに関しては切なかった。真実に関してはケネディ-暗殺事件のある噂と同じだよ、と最後の方のシーンに盛り込まれているのでしょうか。 【プライベートTT】さん [地上波(邦画)] 8点(2011-10-03 18:16:02) (良:1票) |
《改行表示》 2.国家権力という巨大な怪物に、平凡な男の特別でない能力と、その彼と人との縁が勝ってしまう。 それを愚にもつかないファンタジーだと、感じるかどうかは人それぞれだと思うが、私は痛快だった。ちょっとしたご都合主義も、ご愛嬌。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-08-01 03:12:00) (良:1票) |
《改行表示》 1.面白かったです。 やっぱり伊坂原作の映画はこの監督に限ります。 【常時ベスト】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-02-05 11:38:14) (良:1票) |