4.凄まじい。何たる発想だ!船で山を渡る。普通船って川を下るものだろ。そんな船で山を渡るなんて普通じゃない発想を本当にやり切ってしまうこの素晴らしさをCGみたいなごまかし処理なんかじゃなくて本物の映像で見せるのがこの映画の評価できる一番の点である。ストーリーだけを見て楽しむのが映画じゃないことを教えてくれている。正に本物の映像が繰り出す人間の狂気、好きな事を思いのままに実行してしまう主人公の姿を通して訴えかける力強さを感じずにはいられない。
【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-11-12 21:12:01) |
3.異文化との接触のテーマ。互いになんだか分からないまま、一緒に仕事しているおかしさ。こちらを神と思っているインディのいちいちの変化に、こちらはビクビクしいろいろ考えたりするわけだけど、よく分からない不気味さ。こちらが向こうを利用して船を山越えさせたようでいて、向こうは神の怒りを静める目的でこちらを役立てている。使役しているのかされているのか、最後にはどっちがどうだか分からない面白さ。文化の対比としては、こちらにカルーソーのオペラ、あちらに太鼓。最終的に彼は満足したのかどうか。自分の労苦が染みついた船に歌劇団を乗せ、赤い椅子に座り葉巻をくゆらせて観賞する。これは夢の成就のようでもあり、自分の夢を一段下げ矮小化させて納得したようでもある。映画の幕引きとしては、バッチリ決まった。あと一つのテーマは、夢ゆめと騒ぐ男と、それを見守る女の構図、これはもう古今東西普遍のもの。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-09-05 10:09:42) |
2.ほとんどこれだけで本編の名を高らしめている、船の山登りシーン。どうみても、ほんとに必死になってる。この映画は、ドキュメンタリーです。 【鱗歌】さん 8点(2003-05-11 13:07:41) |
1.ペルーの未開地にオペラハウスを建てるという破天荒な夢にとり憑かれた男。その為の資金として山奥にゴム園を開拓することを思いつき、川の上流にあるその土地に輸送用の船を着ける為、険しい山を超えて巨大な蒸気船を運び入れる事をやってのける。観客は映画の撮影の進行そのものに付き合うといった、いわゆる疑似体験のようなものを味わされる。この野心家の主人公を演じるクラウス・キンスキーは、その狂気ぶりを見事に演じきって、まさにハマリ役といった感じだが、もっと驚かされたのは、実物大の船を一切トリックを使わずに、人海戦術で本当に山登りさせる大迫力シーンに尽きる! 【ドラえもん】さん 8点(2001-02-26 00:32:14) |