4.《ネタバレ》 リチャード・チャキリスとリタ・モレノのダンスと、ロビンズの振付と、バーンスタインの音楽とが最高に絡み合った作品! OVERTURE画面の模様はなんだ?と思わせ、それがNYの風景俯瞰につながり、下町の一部にクローズアップしていくと、JETSの指パッチンに・・・そこからは圧倒的なダンスで少年達のやり場のないエネルギーを表現していく・・・50年前の作品にも関わらず、あまり古さを感じさせません。 チャキリスは格好良すぎ! バレエや映画で「ロミオとジュリエット」は多々ありますが、ティボルトが主役を食うほど格好いいのは、この映画の影響かと疑うほどです。 最初のダンスシーンとMamboとAmericaとCoolとQuintetがこの映画のメインと言ってもいいほど、音楽と振付が素晴らしく、これらの場面を見たら元気が出ます! 最後のクレジット画面でも、壁に落書きしたクレジットが次々と写され、最後は「THE END」の道路標識が出てきて・・・ 何度見ても新たな発見があります。 舞台版と大きく違うのが、Officer KrupkeとCoolを入れ替えたのとAmericaを男性vs.女性にしたところ。 この変更は舞台版の違和感(リフが殺されたのに明るくOfficer Krupkeを歌ってる場合かよ!)を払拭しています。 舞台版でも映画と同様の演出にしてもらいたいところです。 主役二人が歌が吹き替えだったりダンスが下手だったりするのがマイナスポイントですが、それを補って余りある冒頭の4名の力があるので、満点で! 【まちゅか】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-06-20 12:28:26) (良:1票) |
3. これも、『ナバロンの要塞』に投稿した拙レビューで書いた、父の『映画音楽大全集』で知って、小学生の頃に深夜放送で観た、忘れられない作品です。開巻ほどなく、フィンガー・スナップの音が聞こえて来て、男優たちにパンする有名なファーストシーン。この映画、還暦を迎えた母がリアルタイムで劇場で観たとかで、僕がこの映画の名前を口にした途端、ジョージ・チャキリスが素晴らしかった!と言ってはいつも2人で、この映画の話に興じて来ました。それだけ、1961年当時の日本の若者にとっては、電流が走るような鮮烈さを覚えるものだったのでしょう。高島忠夫さんか、愛川欽也さんかが、同じようにこの映画を目を輝かせて生き生きと語っていたのを、昔TVで観たことがありますが、あぁ映画って本当にいいな、と思ったのを覚えています。余談ですが、10数年前に漫画『おそ松くん』を読んだ時、六つ子がダンスを習う話があり、この映画のように両手と片足を高々と上げるシーンがあったのですが、そこでの会話:「昔、こんな映画流行ったよな」「ウエスト・ヒップ物語な」 (笑) 赤塚不二夫さんも、お好きだったんでしょうね。 |
2.この作品って評価がすごく分かれますねぇ。私にとってはミュージカル映画の傑作です。ミュージカル映画ってカメラアングルとか撮り方ってあまり重要視されてないのかもしれないけど、この作品は映し方がいいと思う。振り付けも最高。フレッド・アステアやジーン・ケリーのようなソロダンスものと違ってこれは群舞モノです。その群舞が素晴らしい。有名な「クール」のシーンは最後に上から撮るの。彼らの目線とか表情とかが上から撮ることで青さを出してるように思える。カラー映画なのに「クール」はモノクロ映画のようで、「America」のシーンはプエルトリコの気候や色を発想させるような絵だと思う。本当に傑作。 【yukaori】さん 10点(2003-12-08 05:36:47) (良:1票) |
1.アメリカの音楽史,否音楽史に残る不朽の名作の映画化である。世紀が変わっても脈々と生き続けるブロードウェイの伝統はこの作品に帰依することが大きいだろうし,現代のミュージカルは,すっかりポップスと化してしまったようだが,改めてミュージカルの原点はオペレッタにあることや近代音楽史に与えたジャズの影響の強大さを認識する。もっともバーンスタインのミュージカルのすべてが人々に受け入れられたかというわけではなく,やはり映画化された「踊る大紐育」は原作とは大きくかけ離れたものになってしまっというし,「キャンディード」は初演から全くの失敗。「波止場」?「タヒチ・トロット」?名前すら聞いたことのない方も多いだろう。つまり,ミュージカル作曲家バーンスタインの名声は,この一作のみで不朽のものとなったのである。そんなことを思いながらジョージ・チャキリスの鋭い踊りを見る。逝って11年,指揮台上でのレニーの激しいアクションを思い出した。 【koshi】さん 10点(2001-09-22 20:54:59) (良:1票) |