5.自らがこの世界に存在する意味や価値を問う。『大いなる幻影』『叫』そして『トウキョウソナタ』へと繋がるテーマの源流がここにある。あるいは『アカルイミライ』を経て『トウキョウソナタ』に結実する「家族」という特別な人間関係の本質が描かれる最初の作品でもある。その方法として黒沢清は主人公を10年間眠らせる。10年間存在を消す。10年間家族からひとつのピースを削る。家族の見た目の崩壊と再生が繰り返されることで最初から崩壊も再生もしていないことが露呈されてゆく。黒沢清が描く現代の家族はフォードや小津の映画のような父が守り続ける家族とは対称の位置にある。しかしその悲しい現実を黒沢映画は深く受け入れる。深く受け入れたところから今を描く傑作が生まれるのだ。「オレ、存在した?」この直接的な問いかけが心に染みる。この場合、問いかけというより確認かもしれない。ちゃんと存在したことを確認できた者はそれだけで人間として合格なのだ。 【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2008-10-23 15:28:38) |
4.西島秀俊の演技が素晴らしい。 |
3.失われた時間、失われた家族を取り戻そうと躍起になる主人公。浦島太郎になって過去に囚われている彼を現実の世界へ引き戻し未来に目を向けさせてくれるのは、彼によって未来の無くなった亀である加害者でした。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2004-02-28 13:08:28) |
2.難しい作品ですが、一つ一つのシーンに意味があって、単純に深いな~と思いました。黒沢清監督の作品は初めて見たですが、独特の雰囲気を持っていて興味深かったです。意味が無いことに意味があるんでしょうか?(分からないけど……) 【もちもちば】さん 7点(2003-10-15 16:49:48) |
1.キューブリックがやろうとしてたことを極端に推し進めたらこうなるような、達観なのか、諦観なのか、寓話なのか、わからないけどニヒル、妙に清涼感もあった。なんか好きです。いや、嫌いじゃないです。 【カリマンタン】さん 7点(2003-03-31 10:02:56) |