1.《ネタバレ》 19世紀のイギリスが舞台という事で、何か古き英国の妖しさと美しさの雰囲気に頼りっきた感じにして、肝心の狼男はあくまでも主要キャラを動かす単なる『きっかけ』で地味なホラー風味の人間ドラマかと、勝手に思ってました。ベニチオ・デル・トロの新作という事で観に行ったのですが・・・思ったよりもアクション寄り、しかも人体破壊描写も容赦なく内臓ドバー、腕足ブシャー、顔面グシャー・・はい、なかなか楽しんでしまいました。ただ・・主役のローレンスや家族の描写は触れてはいますが、そこはあっさりとした感じです。映画の中で重要な役割と言えるヒロインのグエンはローレンスの殺された兄の婚約者ですが、ドラマが進むにつれ次第にローレンスに惹かれ最大の理解者になるという大筋の流れ以外は何も描かれてないと言っていいいキャラになっていて不満はあります・・でも、そういう人間ドラマのあっさり風味がアンソニー・ホプキンスやデル・トロと存在感ある脇役がガッシリ固めているので、アクション以外のドラマも深みが、それなりには感じて見られはしますが・・・クライマックス以降は惨劇がピークになります。それまでのキャラ描写を上手く見せ切れてないので悲劇としていまいち伝わって来ず、どこか淡々としていたのも不満でした。色々、書きましたが雰囲気だけのつまらない重い人間ドラマという訳ではなく、ホラー・アクションとして風通しを良くし狼男を凄惨に描いたのは好感が持てます。ラストの狼男同士の対決はもはや笑ってしまいましたが・・。一見、重苦しい雰囲気で敷居は高そうですがポップコーン映画として普通に楽しめる作品になっていると思います。 【まりん】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-04-24 15:54:01) (良:1票) |