8.暴力映画というよりも、もはやスプラッタ映画だと言っていいほど気持ち悪い残虐シーンが多い。とくに歯医者と中華料理屋のシーンはトラウマになりそうなほどだった。歯医者の予約をキャンセルした人がいるというのも頷ける。血みどろ系無理な方はまじでやめといたほうがいいです。しかも何のために争っているのかぜんぜんわからない。なにか根拠がほしいというわけではないのだけど、根拠がないからこその面白さも私は見つけられなかった。 俳優が豪華すぎるのも私的にはマイナスポイント。映っても映っても知っている顔なので、目の前に映っている世界がヤクザ界というよりも芸能界にしかみえなくてちょっと興ざめしてしまった。 とはいえ、次はいつ殺しの瞬間が訪れるのだろう…次はどんな殺し方がされるのだろう…という緊張感は凄まじく、そこは北野監督さすがの手腕だと思いました。日常と隣り合わせに潜んでいる暴力の恐ろしさをいやというほど味わわされて、終わってからどどっと疲れがきました。心から辛かったです。ものすごく怖いお化け屋敷に喜んで入るような、「恐怖=娯楽」変換が上手な人ならきっと楽しめるんだと思います。 【クリロ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-02-27 17:46:43) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 俳優陣は豪華で暴力シーンもバラエティにとんで娯楽性は高いと思いましたが、 何かバイオレンス映画というより喜劇に思えました。
個人的には『その男、凶暴につき』や『ソナチネ』など、初期の冷たく感じるバイオレンス映画の方が好きです。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-02-17 15:32:14) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 「バカヤロウ」という言葉にこれほどの幅があるとは!出てくる主要キャスト全てが一度は「バカヤロウ」。あの小日向さんですら、「バカヤロウ」。場面ごとに意味の違う「バカヤロウ」が鑑賞中に完全に耳にこびりつきました。
テーマそのものは「ヤクザ同士の権力争い」。以上です。それだけ聞くと取り立てて特筆するような特徴はない映画なのですが、中身が凄い!!こんなに痛々しい映画は久しぶりに観ました。観るだけで「痛い!」って思う映画と言う点では『SAW』シリーズと通ずるものがありますね。カッターナイフで指を切ったり、耳に菜箸突っ込まれたり、そういう映像を見てるとなぜか自分も同じ場所がうずきながら、顔をしかめてしまいます。痛いわ・・・。
しかし現代のヤクザを描いていることからも、世界観もどこかモダンなヤクザ映画。「ショバ代」なんて単語この映画ではほとんど聞かなかった気がします。その代わりにカジノを経営したり流暢に英語を話すヤクザが印象的でした。ヤクザも近代化してるんだな。そういう視点で見ると、最後大友組が一人残らず殲滅されたのも、彼らみたいなヤクザはもう古いという時代の変遷を象徴してるのでしょうか。でももしヤクザに「格好良さ」を求めるなら、大友組みたいなのが一番支持を受けるんでしょうけどね。 【TANTO】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-10-01 14:04:29) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 普通に面白かった。タケシの映画で普通に面白いはマイナスの評価です。 見終わった後、心に何も引っかからない映画。わざわざタケシが撮る意味がないと思います。「暗くて見えねえから気にすんな」に+1点。 【ピチクン】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-07-09 17:40:53) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 まずタイトルが出るまでのオープニングがとても良いです(この冒頭部が最も好き)。〝全員悪人〟という宣伝文句に違わず悪人だらけで、カッターナイフから菜箸まで生々しく痛覚を刺激し目を覆いたくなるばかりに狂気で凶器が満ちており、もはや銃なんぞ映っても全く怖くならないほど暴力全開です。また各々別世界から集めたようなキャラクターもしっかり立っていて、髪を撫で付けず煙草プカプカでヘラヘラの椎名桔平の魅力は否定できないですし(警察署前の煙草ポイ捨てのやりとりが面白い)、加瀬亮の風貌といい英語ペラペラのインテリ具合といい漫画から飛び出してきたみたいなキャラクターももっと見せてくれと思わせます。それに頭パカパカ叩かれてもオトボケ顔の三浦友和(吠えない犬ほど噛む)、時代劇から出てきたような石橋漣司(彼の登場シーンは喜劇だが、この皮肉な笑いも残酷なものだ)、人が良さそうな北村総一朗と小日向文世(彼らこそ最も計算高い悪党だ)と一人一人が本当に良い味を出しています。しかも誰もが口を揃えて〝バカヤロー〟〝コノヤロー〟と言うので、これはコントでそのうちダンカンも登場するのではないかと思ってしまう一方で、とても冷め切ってもいる不思議な世界になっています。 ・・・ただ、いつもより説明台詞が多いのが気になります(おそらく無くたって問題無いのだが)。例えば何処かの国の大使は完全にコメディーパートを勤めていますが、あの笑いはTVでやるようなしゃべくりによるものです。 【ミスター・グレイ】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-07-07 18:16:31) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 まずキャスティングからして素晴らしい。寺島進や大杉蓮らこれまでの北野組は出てないものの、ラーメン屋での笑顔が恐い椎名桔平や、恐そうなんだけれどいかにも幸薄そう(殺されそう)な國村準や石橋蓮司の顔。地味で目立ちすぎない故に危うさも備えた中野英雄、たけしの昔気質で落ち目のヤクザ感等々・・・。それぞれが見事な具合で描き分けられ(出演時間もほぼ一緒!)、これといった主人公はもちろんのこと、狂言回し的存在すらない。それでいてこの物語の推進力。ほとんど俳優たちの表情、所作だけでも十分に魅せてくれます。 これまでの北野作品と違い台詞を排した心象描写は一切無く、ひたすら続く怒号の応酬。口汚い罵り合いに反して映画のテンポはとても心地良く、そんな中に不意打ちのように飛び込んでくるバイオレンスシーンがまた素晴らしい(語弊があるか!?)。顔を切り裂かれ、口をドリルでぐちゃぐちゃにされ、箸で耳をぶっ刺される・・・工夫を凝らした痛い痛いシーンの数々がバイオレンス映画としての価値も多いに高めています。 北野作品としての分かり易い特徴は殆ど見られないものの、『ソナチネ』や『キッズ・リターン』に並ぶ完成度だし、僕の好みで言えば北野映画一番と言ってもいいくらい。極めてタイトにビシッと整った楽しい楽しい一級のバイオレンス映画に仕上がっています。 【Sgt.Angel】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-06-16 02:12:17) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ヤクザ映画的に『かっこいい』シーンとか『かっこいい』男達なんか一人も出てこないです。前半は何か妙な間も多く、妙なテンポ、しかもちょっとコメディチック・・後半から事態が加速し殺しまくりの展開になりますが、過剰な熱さもなく淡々としている所が逆に怖くて救いがないように思えました。役者陣は本当に見事でみんな適材適所でバッチリでした。北村総一郎の大ボスが特に恐ろしく、人の良さそうな笑みがゾッとするほどで彼が部屋に入ってズカズカ歩くだけで『恐ろしいことが起こる』的な雰囲気もあり素晴らしかったです。登場人物は全員、感情移入なんか出来ないキャラクターなので殺されても『ああっ殺られたね』と余韻もなく通り過ぎますが、北野監督演ずる大友に関しては別でした。最初はその他のヤクザと同じで感情移入も難しいです(でも演じているのがビートたけしなので全く他のキャラと同一線上に見るのは困難なのですが・・)。しかし終盤で彼が追い詰められ後輩の刑事に恥ずかしそうに出頭する瞬間にこのキャラだけ『人間くさい』一面が見えて初めて感情移入が出来ました。ですからラストで彼がメッタ刺しに殺される瞬間は他のキャラとまるで違って『悲しい』感じがしました。今までの北野ヤクザ映画の主人公にはない味わいがあり新鮮でした。ただそんなキャラもこの映画の構図から見たら、ただの『虫けら』で生き残った連中が彼が殺されたと知っても『あっそう』と切り捨てられる虚しさ。生き残った一番の悪党が悠然とビーチにたたずみます勝利者気分を満喫していますが、こいつらだっていつ背後から頭を撃たれるか分かったものではない世界に相変わらずいる訳ですから、その末路も容易に浮かび取れます。どうしようもないクズ世界に生きる連中をかっこ悪く淡々したタッチで見せられてイヤ~な気分になり、スッキリもしないのでそこの所とか好みがバッチリ割れそうだと思います。あと気になったのは中盤の至ると大使館のカジノのくだりがあります。あれは確かに面白い所もありますが前半の物語の流れとは分離されているように見えて、何か違和感は拭えなかったです。あそこは前半の話に直接、繋がってないと・・あのエピソードは正直、冗長でテンポをが明らかに損なってます。確実に面白い所もあって好きな映画なのですが『何かが足りない』というような違和感は拭えません。周りの高評価にはどうしても賛同できずです。 【まりん】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-06-13 14:06:33) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 BROTHERの時も思いましたが、ラストで次々と人が死んでいく過程が非常に安直。 全滅させればそれでいいってもんでもない。 監督の特色として、突然訪れる死がありますが、その死にインパクトを与えるのはやはり個人個人に感情移入させるドラマが必要であって、そういった部分が薄かったので 安直と感じたのだと思う。 男たちが悪事をはたらく前半~中盤の過程は非常に良かったので、落差が大きかった。 それでも、椎名桔平演じる水野の処刑シーンは非常に印象に残った。 【osaosa】さん [映画館(邦画)] 5点(2010-06-12 22:41:16) (良:1票) |