6.《ネタバレ》 登場人物が今の素直な気持ちや高ぶる感情を歌い踊る。生きる希望や喜びを歌い踊る素晴らしいミュージカルです。長女の結婚式での”サンライズ・サンセット”やトポルと妻が愛を確認し合う歌など、この映画には感動的な歌が沢山あります。極めて閉鎖的な伝統に縛られながらも、娘たちの幸せを願う父親を演じるトポルの見事な演技も感動的です。
「わしらはみんな屋根の上のバイオリン弾きだ。なぜそんな危険なところにいるのか。そこから落ちないようするのが”伝統”だ」。ユダヤ人である彼らの置かれている状況と歴史を屋根の上のバイオリン弾きに例えた冒頭のトポルの語りは、最後まで見た後に見直すと言いたかったことが分かるような気がします。
先祖代々、それでも彼らは屋根の上でバイオリンを弾き続けてきた。最後は彼らが集まって暮らす小さな村を追われ、世界中に散り散りになっていく。そして今も彼らは世界中でバイオリンを弾き続けているということなのだろう。非常に重いテーマを含んだ作品ですが、重さを感じさせない。彼らの生き様を素晴らしいユーモアの精神と歌で表現した人生賛歌でした。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-02 09:39:16) (良:2票) |
5.なるほど。確かに長いし、どことなく暗い部分もあるが、それを補うだけのものがあるし、見応えある作品になっている。ユダヤ系家族というものの中にある人種差別的なものの辛さ、それでもここにいる人達は皆が歌を歌うことの楽しさを知っているし、例え、人種差別的なことをされても一生懸命に生きている。誰一人として絶望的なものを表に出すことなく生きている。娘のことを心から思う父親の人間的な温かさ、音楽が生きる力として生まれる家族の絆の素晴らしさ、娘の結婚式での場面での周りの人達も心から祝福している。映像の美しさと素晴らしい音楽もこの映画の見所である。重たいテーマというものが背景に感じさせるのに観ていて嫌な気持ちになど全くならないところが良い。例えばこの映画をスピルバーグやオリバー・ストーン辺りが監督していたらとてもじゃないけど説教臭くて陰気なものになりそうで見れないであろうが、そういう説教臭さが感じさせない所もこの映画の良い所である。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-04-30 11:49:25) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 この映画のオープニング「Tradition」から始まって、屋根の上のヴァイオリン弾きが登場、タイトルが流れるまでの10分間だけで、ミュージカル好きの私にとっては目が点になってしまうほど引き込まれてしまう。 映画館で初めて見た時は、ステレオ音響もすばらしく、世界的名ヴァイオリニストのアイザック・スターンの演奏も感動的だった。 上映時間は見る人によって長いと思われるかもしれない。しかし、アナテフカという小さな村の昔から伝わる「Tradition」とそれを打ち破り次々と離れていく娘たち、それぞれのエピソードを語っていくためには、決して長くない。 歌われる歌は有名な「サンライズ・サンセット」だけでなく、それぞれの歌が実に良い。サウンドトラックのレコードを買ったのは言うまでもない。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-15 20:14:57) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 見ごたえのあるよい映画でした。ちょっと長いとも感じましたが。旧いものと新しいものの対立と時代の推移、ユダヤ人への迫害など、いろいろと考えさせられます。特にテヴィエが、娘と異教徒との結婚を絶対に認めないところ。ああいう価値観が、宗教戦争の根本原因になっているわけですね。この映画を見ると、えてしていわれなき迫害を受けてさまようユダヤ人に同情してしまいますが、旧いしきたりに縛られた負の部分もキッチリ描かれているところが非常によかったです。ミュージカルとしては、やはり「サンライズ・サンセット」に尽きる! なぜあの音楽で泣けてくるのか、よくわからないがとにかく泣ける曲です。逆にテヴィエの夢の場面(本当は作り話ですが)には、大爆笑しました。あと、やはり撮影がすばらしい。特にオープニングの夕焼けは美しすぎるほど美しい。1970年代は朝陽と夕陽ですねぇ。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-30 20:37:38) (良:1票) |
2.感動し、鳥肌が立ちました。ようやく見られたことに感謝です。トポルの演技力、歌唱力、そして脚本の良さ、カメラワーク等々きりがありませんが、180分間、目も耳もくぎ付けです。ベン・ハーくらい感動しました。共通性はユダヤ人迫害。これをみると今も続く紛争や内戦の背景が少しだけよく理解できるようになります。時間があったら何度もみたい映画です。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-06-15 21:21:12) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 オープニング曰く"屋根の上のバイオリン弾き"というのは伝統を疎かにした状態の事で、主人公のみならず、アナテフカの村人達全員を指す言葉なのでしょうね。確かに愛する者同士がお互いの宗教観や立場を超えて結ばれると云う事は素晴らしい事ですが、それによって悲しみも生まれ、テビエが冒頭で言っていた様に今までの生活は崩れ去ってしまいます。保守派と革新派、どちらが正しいとは私は言えませんがアナテフカの様に保守に傾倒している時は安定であるのでしょう。 ジョン・ウィリアムスが手がける音楽は全編に亘って物語の退廃的なムードが漂っていて素晴らしかったです。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-08-30 17:21:33) (良:1票) |