8.《ネタバレ》 東映集団抗争時代劇のハシリとなった工藤栄一監督の「十三人の刺客」の三池崇史監督によるリメイク版。先週再見したオリジナルと比べると格段に娯楽性が増していて、グロい描写も加わっているが、うまく現代風にアレンジされていて面白く、成功作と呼べるものになっている。オリジナルであまり存在意義のなかった十三人目の刺客の設定を山男に変え、山で道に迷った島田(役所広司)たちを案内するかたちで登場させ、その後に仲間に加わるという展開にしたことで存在意義を持たせたり、暗殺の標的にされる松平(稲垣吾郎)の残虐性を強調する演出(生首を蹴り上げるなど。)を施すなど、オリジナルと違う部分も効果をあげている。ただ、オリジナルにはあった重厚さがなく、とくにクライマックスの乱闘シーンが派手になった分だけやたら軽々しく見えたのは残念だった。(オリジナルが30分に対して50分というのもいくらなんでも長すぎる。)オリジナルでは島田は半兵衛にわざと斬られることで己と半兵衛の武士道を通しているが、本作では普通に決闘をして倒しているのも少し違和感を感じた。その後の松平との対決で稲垣の見せ場を作りたかったのかもしれないが、ここはオリジナルのほうが良かった。オリジナルで工藤監督の演出意図を理解しながらも戸惑った平山九十郎が無様な死に様を見せるシーンはなかったが、そのかわりに本作では首を刺された山男が最後に何事もなかったかのように登場するというシーンがあり、ここは三池監督の演出意図がよく理解できず、幽霊とか深読みはしてみたものの、はっきり言ってこのシーンはいらないとしか思えない。出演者としてはやはり松平役の稲垣。菅貫太郎がハマリ役だったので心配だったが、なかなか印象に残る演技を見せていて、とても良かった。(稲垣は「踊る大捜査線」でも犯人役を演じているが、ジャニーズ事務所の看板タレントがこういった非道な悪役を演じるのは珍しいのではないかと思う。)オリジナルに出演していそうで出演していなかった松方弘樹の殺陣もよく、流石は近衛十四郎の息子である。オリジナルで気になった部分が直された一方で、新たに気になる部分や不満な部分も出てきたリメイクで、いろいろと書いたが、純粋な娯楽時代劇としてはじゅうぶんに楽しめたので少し甘めかもしれないが7点。でもどちらかといえばやっぱりオリジナルのほうが好きだな。こっちの方が見ていて爽快だけど。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-01-03 16:44:23) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 これ、すごい名作になれたかもしれないのに三池崇作品でほとんど出てくる面白くないセンスのない下ネタは省いて他に時間使えや!
というのが、ちょっと付きまとちゃった感じの作品。
13人というメンツが所々、あれ?結構あっさりやられちゃったこの人?っていうのが多すぎるし、 せめて松方弘樹、伊原剛志、古田新太、沢村一樹くらいが死ぬところはもう少し時間使おうよと思う。
そう思っても仕方ないくらい、これ必要でした?っていうシーンが多い。
各所で言われてる通り、稲垣吾郎の怪演の凄まじさだけが結果、記憶として残るんだよね。
面白かった。面白かったけど、やっぱり三池崇のセンスは自分と全然違うところにあるんだな、と思った。
これだけの映画を作れる才能があるのに、なんであんなセンスのない下ネタぶちこんじゃうのか。
それが、面白きゃいいのだが、どの作品も、これわざわざ時間を割いて入れる必要ありました? って正座させて小一時間説教したくなるくらい、この人の下ネタはセンスないわ。 【バニーボーイ】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-05-05 17:49:54) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 稲垣吾郎演じるお殿様を観ていると、漫画シグルイのあの狂ったお殿様を思い出しました。なんかキャラが似てるんですよねー、知的に狂ってて、無表情で残酷なことをするとことか。リメイク元の作品を観た事がないので、なんとも言えませんが、単純なチャンバラ娯楽作品としては、それなりのスペクタクル感や、エグさもあって、普通に楽しめました。ただ三池監督のギャグ感がこの作品には強烈にあって、それがダメな人も多いかも。主に伊勢谷友介まわりなんだけど。僕は一徳とのまぐわいまではなんとか許せましたけど、首を刺されたのに、傷跡もなしで復活はちょっと作品自体の世界観をぶち壊しかねないギャグなので、普通にダメでした。いや、山田孝之の「え?」には、思わず笑ってしまいましたけどね。でもまー、ラスト50分のクライマックスは普通にテンション上がりまくって、うひょーーーってなったし、お殿様の狂いぶりも良かったので、7点かな。鑑賞後はなーんも残らないんやけどね。 【なにわ君】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2016-10-05 11:21:03) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 なんで稲垣君が?とも思いましたが、意外な怪演だったと思います。 非情なシーンもよかったです。 最後、役所さんがどうやって稲垣君を殺すのかと思って見てましたが、あの同士討作戦も賛否はあるかもしれませんが、私はなかなかよかったと思います。
あとみなさん書かれてますが、松方さんの殺陣はさすがでしたね。
最後の決戦の場面は、作戦的に突っ込みどころも多いですが、なかなか迫力がありました。 ただ、伊勢谷さんが喉突かれて死んだと思ったのに、最後ピンピンして登場してきたのにはだいぶ違和感あり。そこが結構残念です。 【かすお】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-03-27 00:01:13) (良:1票) |
4.納得いかない部分はありつつも、全体的にとても見応えのある作品でした。殿様には指か腕を切り落とすくらい、もう少しいたぶる描写があってもよかったかなぁ。/エンドロールのキャストを眺めながら「え!この人も出てたの?」と気づくくらい、キャラの立ってる一部の俳優以外は誰が誰やら分からず。とりあえず刺客の13人だけはそれなりに知名度のある、誰でも見て分かる人を揃えてもよかったんじゃないでしょうか?石垣佑磨も顔は知ってますが、いつ活躍してたのか思い出せません・・・。/おえんが新六郎の雰囲気を察する瞬間のシーンがとても芸術的に見えました。 |
3.《ネタバレ》 「斬って斬って斬りまくれー!」を見たいがために鑑賞。いやぁ純粋に面白かったし、かっこよかった。三池監督の映画の中じゃ良い出来なんじゃないでしょうか。監督さんのやり方なのか趣味なのか分からないですが、前半の暴君ぶりを表すシーンの数々、エグいです。グロいです。弓で家族を殺す場面、腕を切り落とされた女性が出てくる場面・・・もう見るのがツラくなるほど強烈。シグルイの徳川忠長を彷彿とさせられ怖かった。後半の殺陣はやはり時代劇ということもあってか、見慣れたアクションが多いものの見応えのある殺陣でした。バッサバッサと斬り倒していく様は圧巻。そりゃタランティーノも興奮するよ(笑)北野版座頭市のように血が吹き出るというわけではなく、地面の血痕や赤く染まる水を印象付けてる所は面白いですね。それと俳優陣の演技力が凄い。役所広司は当然ながら、松方弘樹の演技力・・・最高です。時代劇慣れてるだけあって素晴らしい動きに演技でした。いやー、しかし岸部一徳がホラれるシーンははたして必要だったのだろうか・・・ 【あんどりゅ~】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-10-31 03:07:35) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 単純にアクション映画として面白かったです。最近の映画にありがちな複雑な設定や、伏線なども無く、時代劇のド定番な物語を豪華にして描いています。 「ラスト50分」って言う表現はどうなのか疑問ですが、お家芸のチャンバラは迫力もあり満足です。残り170人。一人当たり13人倒せばって思うと、あの無双ぶりなら何とかなりそうな気がしてしまいましたが・・・。松方弘樹の殺陣はさすがですね。切れ味が違うというか、迫力が違うというか、やっぱり本職です。他の役者とは格が違うのがはっきりわかり、素直に格好良かったです。ああいう魅せる殺陣ができる役者さんは若手にはそういないですね。グロいとの評判だったので、ある程度覚悟していましたが、私は特にそうは思いませんでした。もっとキル・ビルのように腕やら足やら首やらが飛びまくりかと思っていたので、この程度の表現はある意味本気でチャンバラを描こうとすれば必然というか普通でしょう。若手の件と合わせて将来の時代劇が心配でもあります。稲垣吾郎も感情をなくした演技で、狂ったボンボンの雰囲気に違和感は無かったです。最後に伊勢谷友介の役は要らなかったですね。ほかの十二人の刺客たちは少なくとも武士道に基づく忠義と民のためという犠牲心で新左衛門に命を預け、絶望的な戦いに身を投じている。いわばこれが十二人の結束でもあるのだが、それを「忠義だの、武士道だのめんどくさい」と言い放ってしまう自由人が仲間になってしまっては、彼らの結束は揺らいでしまうのではないだろうか?また、それがこの役が他の役とまったく浮いてしまっている原因なのではないだろうか。緊迫した内容の箸休め程度の役にしとけばよかったものを、準主役級にすえてしまったところにセンスの無さを感じてしまいます。奇をてらわず、最後まで愚直で男くさい直球勝負の内容でも良かったのではと思います。惜しいです。 あと、音楽が八ッ墓村に似てて、多治見要蔵でも出てくるのでは?と思ってしまいました(笑) 【おなや】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-10-16 22:02:23) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 単純にカッコ良く面白いと思いました。三池監督のセンスって苦手で、この映画にしても三池ブランドの刻印のような映像が頻出する点はイヤな感じとしか言い様がないのですが、男達が命を賭して悪を叩く物語はシンプルにしてエキサイティング。まあ、十三人のうち、半分くらいは印象薄くてドラマもそんなに背負っていないので、絶命シーンに悲壮感がイマイチ生まれない感じはありましたけど、カッコ良く戦って、カッコ良く散る、それだけで充分な映画のように思えます。あまりウェットに走らず、飄々としながらアツい男達、その頂点に君臨する役所広司はさすがのハマリ具合。松方弘樹は刀を振り下ろすだけで待ってました!のスゴ味、そしてゴローちゃんのそこまでやるか?なぶっ飛んだ悪役っぷり。オシャレな映像にJーPOPが流れちゃうようなスイーツ時代劇とは一線を画する、泥と血に汚れてゴツゴツした、男の時代劇を堪能させて頂きました。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-10-06 19:58:36) (良:1票) |