《改行表示》 6.《ネタバレ》 「母親から主人公へ」、「主人公から娘へ」と連綿と続く「世代間連鎖」に強い興味を持ちました。 昨今、取りざたされている「幼児の虐待連鎖」に例を見ると、 「幼児期に虐待された心の傷(トラウマ)が、時間を経て親となった時に、“我が子への押さえられない虐待衝動”として噴出する悲劇のサイクルで、被害者がいつしか加害者に変貌し、新たな被害者と同時に次代の加害者をも作り続ける冷たい鎖。」なのです。この主人公は幼児虐待はしないが、「放浪」という行為で「世代間連鎖」の大きな鎖となっているのです。 主人公は母親と放浪した子供時代に、何らかのトラウマ的精神傾向を植え付けられ、押さえ切れない衝動のまま、自分の娘にも「放浪」という極端な生き様を強要してしまうのです。 問題なのは、深層的に娘がそのライフスタイルを望んでいないところにあり、居もしないカンガルーを唯一の友にしている点に、そんな娘の「心の闇」が見えてきます。 主人公は他者への心くばりを見せる前に、最も身近な存在である自分の娘が持つ、この構造的な悲劇を理解し、一刻も早く解決するべきだったのです。 そんな閉塞情況に、それこそ「河原者」(反権力、芸能の象徴)の彼が船に乗って登場。村の“正統”に突然“異端者”がチョコレート店を開業し、追い討ちをかけるように水上生活者という“異教徒”が大挙して侵入して来たワケで、ちょっとした宗教戦争の様相を呈するのです。(異教徒は“えせ十字軍”に火あぶりの奇襲にあって一時的にその勢力を縮小しますが......。) 筋書きの取りあえずの和解を見て、「中世の宗教的価値観に支配されていた村に、近代の夜明けが訪れる。」という大団円を迎えます。しかし、主人公たちに真の開放がやって来るのは、その後なのです。「河原者」の彼が丘にあがり、「変わり者」の主人公と村に定住するという、“異端者”と“異教徒”の改宗という穏やかな形で具現化するのです。 娘の精神的危うさの象徴であったカンガルーが娘のもとを去り、 放浪衝動の発生起因である「北風」に、トラウマの元凶だった母親の遺灰をゆだねる姿から、幾世代にもわたり強固に繋がってきた「鎖」が切れる音を聞きました。 この映画は主人公の「血縁的因習からの開放」と村人の「地縁的因習からの開放」という二重構造があったからこそ、映画としての膨らみを持つことができたのです。 【マーク・レスター】さん 6点(2003-12-01 23:57:12) (良:5票) |
5.ほのぼのムービ!!おいらは甘い物が苦手な為、チョコじゃなくて塩辛だったら・・・・・村の人達が塩辛食べるたびに幸せになる・・・・なんてお話どうかしら? 【ばかうけの旦那】さん 6点(2002-07-21 09:52:00) (笑:3票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 フランス語でよかったんじゃないかな。ロケーションや衣装に凝ったわりにリアリティを損なうことを考えると残念な気がする。 ヴィアンヌのファッションが斬新だった。れんが色のシャツに明るいブルーのカーディガンとか。赤い靴とか。 それで問題のビノシュだけども。「ダメージ」で全世界の女性に「なぜこいつの一人勝ち???」と深く疑問を抱かせたビノシュだ。 今回は、そのボンレスハムのような腕、広くたくましい背中、太い胴回り、安定感のある下半身が、役柄の求めるものにぴったりマッチしていたのだった。それはいわずもがなの「生命力」なのであった。 ビノシュにあってレナ・オリンにないもの、それは女優さんの「身体」から発する「スタミナ」「ねばり」である。それは分厚い体から発信されまくる。68キロはあるであろう。レナ・オリンやニコール・キッドマンに勝ち目はない。 まじめなことを少し言うと、原作ものの映画で、「カトリック教会VS人間の欲の解放」がテーマになっているようだが、最後の神父の説教で「何を拒否するかではなく何を受け入れるかが大切である」と言いますね。こういう無責任なことを世界に配給するレベルの映画で言ってはいけない。当たり前だが、「受け入れない」ものは「拒否」するしかないんです。「拒否」しなければ「受け入れる」ことになるんだから。「拒否」と「受容」の間に「グレーゾーン」がないからこそ、国と国、民族と民族、カトリック教会と異教徒や異端との間で争いが絶えず、殺しあってきたわけですよね。カトリック教会の押し付けた因習対無神論者による快楽の解放を描いてそんな極楽トンボな結論でいいのか?原作者でも監督でもいいけど、この問題に答えていただきたい。「拒否と受容の間に何があるというのか。そこに『無関心』をもってくればすむ問題と思っているなら、この現代世界を、歴史をどうとらえているのか。」ファンタジーであっても、こういうメッセージを送ってくるなら「お子様」むけとしか思えない。「サイダーハウスルール」を見るのはやめた。 ジュディ・デンチがすばらしい。007の怖いおばさんだったのね。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-07-09 14:21:58) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 人間の価値は 何を禁止し、否定し、拒みそして排除するかではなく 何を受け入れ歓迎するかで決まる・・・・ この言葉を聞くことが、この映画からゲットできるアイテムだな それにしても禁欲を破って、チョコレートを乱れ食う村長(レノ伯爵) の様には 激ワロタwww 禁欲なんて程ほどにしとかないとろくな事ないね。 【アキト】さん 6点(2004-08-25 03:56:45) |
2.昨年、彼女とこの作品を観てた時「こういうGodivaみたいな高級感溢れるチョコも良いんだけど、おれはもっと大衆的な味のほうが断然好きなんだよ」などと暴言を吐いてしまいました。そんな私の今年のバレンタインの収穫はキットカットの詰め合わせでございます。いや、これはこれで美味しいんだけど…ごめんなさい。 【Minato】さん 6点(2004-05-22 19:25:48) (笑:1票) |
1.全体的にメリハリに欠けている気がしましたが、ほんわかしていて心が温まる映画でした。母と娘、祖母と孫の掛け合いが良かったです。祖母じゃなくて祖父だったら完全に私は泣いてたと思いました。(←おじいちゃんモノに弱いので) 【あっちゃん】さん 6点(2002-01-12 23:32:23) (笑:1票) |